演奏会のご案内

今夏も日本で演奏活動!

今年で18年目になる日本での演奏活動です。 博士課程を取得した去年の段階で、もう終止符を打つのか、と自分でも思っていました。 今まで私の日本での演奏活動は私の家族におんぶにだっこでした。 ホール押さえから、集客や広報、当日の裏方まで全てを中心になってやってきてくれた両親や叔母たちにも それぞれ新しいチャレンジや課題が訪れ、いつまでもお世話になっていてはいけないことは目に見えていました。 だから、博士課程を修得した去年で、お礼を言って、これで終わりかと思っていたのです。 でも、沢山の方々のご支援の基、また今年も日本で演奏活動ができることになりました。 本当に感謝・感激・感涙です。 今年の日程です。 5月19日(土)カフェドパリ(千葉県佐倉市)17時開演 https://www.croissant-and-coffee.com/about 5月21日(月)わたなべ音楽堂(東京都足立区)http://watanabeongakudo.la.coocan.jp/access.html 5月23日(水)熊の子保育園訪問(群馬県沼田市) 5月24日(木)薄根小学校訪問(群馬県沼田市) 5月25日(金)薄根中学校訪問(群馬県沼田市) 5月26日(土)みなかみカルチャーセンター(群馬県水上市)13時半開演http://www.town.minakami.gunma.jp/politics/13sisetu/bunkashisetsu/CultureCenter.html 6月1日(金)もみじホール(山梨県上野原市)19時開演 http://stage-in.jp/halls/uenohara 6月2日(土)横須賀ベイサイドポケット、ピアノの祭典「スカぴあ」にコアメンバーとして登場。http://kumikumaster.wixsite.com/sukapia 6月6日(水)ギャラリー「静」(東京都三鷹市)18時開演 https://www.shizuka3.com/ 6月8日(金)ジャズ喫茶「Candy」(千葉県稲毛区)19時半開演。https://www.shizuka3.com/ 6月9日(土)公開レッスン 最近、練習の過程で色々と新発見が多い! それを皆さまとシェアできるー何という幸せ... 「恋するピアノ」と題し、シューベルトを中心に、ブラームスやドビュッシーなど、盛りだくさんの演目です。 再会をとても楽しみにしています。 今年もよろしくお願いいたします。

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「恋するピアノ」2018年夏のプログラム

日本での演奏活動も今年で18年目。毎年「今年で何年目」と思う時、感慨にふけります。 始めた年は、演奏を終えてさあ帰米しようかと思ったら、9.11があってNYに帰れませんでした。 あれから個人的にも、世界的にも、本当に色々ありましたね。 こうして元気で、また帰国して演奏活動できること、そして皆さまのご支援に本当に感謝です。 今年の演目は題して「恋するピアノ」。 前半は大体こんな感じです。ここにシューベルトの「魔王」を入れるか、考察中。乞う、ご期待! ドビュッシー以外は全部歌曲です。敢えて今年は歌に臨んでみようと思いました。 色々考えがあっての事です。 「東洋に恋するドビュッシー」 曲集「版画」よりパゴダ(塔) 曲集「映像II」より「黄金の魚」 「歌曲に恋するリスト」 リスト編曲シューマン作曲「献呈」 リスト作曲「愛の夢」 「音楽に恋するシューベルト」 リスト編曲シューベルト作曲「糸紬」 リスト編曲シューベルト「アヴェ・マリア」 「サクラに恋するブラームス」 間奏曲作品116-2 狂詩曲作品79-2 後半は、シューベルトの最後のピアノ・ソナタ変ロ長調。全曲で40分以上の大曲です。 今年は、例年の様に東京・横浜近辺での演奏会がありません。 これからでも、私の演奏を主催してくれる方があれば、うれしいなあ。 まだ空き日が結構あります。 詳しいスケジュールはHPトップの下の方をご覧ください。 日本でまた皆さまとの再会をとても楽しみにしています。    

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ブラームスは「サクラ」を知っていたか!?

もうすぐヒューストンのAsia Societyで「Beauty (美) is Universal」と言う音楽イベントで演奏をします。 第二部は「歌心は共通語」と言うテーマで、ブラームスの作品をご紹介します。 この曲、お聞きになって見てください! 似てると思いませんか? アメリカ人の音楽愛好家にこの二つの曲を並べて演奏差し上げたところ 「ブラームスは日本の曲を知っていたのか?」と実にごもっともなご質問を受けました。 プッチーニは「蝶々夫人」を書くとき「君が代」や「サクラ」を起用しています。 「蝶々夫人」は1903年の作品で、ブラームスの作品116は1892年なので、ブラームスが蝶々夫人を聞いて...と言う可能性はないのですが、プッチーニの出典先をブラームスが知っていたと言う可能性は...? 調べてみました。 Rudolf Dittrich(1861-1919)と言うオーストリア人が明治幕府に元でヴァイオリンとピアノの教師として1888年から1894年まで日本で活動しています。彼がオーストリアに帰還した後、1894年と1895年に出版した日本の歌のコレクションがあります。この出版物を参考にプッチーニはサクラを「蝶々夫人」で起用しています。しかしブラームスの作品116は1892年!!ニアミス! やはりブラームスは、少なくとも作品116を書いた段階でサクラを知りうる可能性はほぼ皆無だった、と言うことです。チャンチャン♪ ちなみに1892年に日本で、日本在住の外国人向けと、西洋の楽譜を学びたい日本人のために、日本の民謡などを集めた出版がありますが、これがブラームスの手元に、しかも作品116を書く直前に届く可能性も微小です。あとでもう少しちゃんと調べる(かも知れない)ので、一応下に、この出版物の情報を載せます。 Nagai, Y., and Kobatake, K., Japanese Popular Music, A Collection of the Popular Music of Japan Rendered in to the Staff Notation, S. Miki & Co., Nos. 106 and 107 Shinsaibashi Road, Osaka, 1892.

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順調に日本で活動しています。ー明日は美浜文化ホール!

久しぶりのエントリーです。ご無沙汰のほど、お許しください。 帰国してから、なんかアナログ生活に逆戻りしてしまいました。移動時間に日本の新緑にぼーっとみとれたり、日本のテレビのCMの不思議さ・可笑しさに見入ったり、本を読んだり、温泉に浸かったり、買う物がはっきりしていないでお店に行って楽しんだり、今までコンピューターの前で過ごしていた時間を忘れるような生活をしばらく送りました。その中で、演奏を始めとする音楽活動や、練習をしており、お陰様で充実した日本での日々を満喫しておりました。 その中でもハイライトはいくつかあるのですが、やはり土曜日の品川きゅりあんでの「『天上の音楽』vs.地上の英雄」の演奏は大きなものでした。そして明日13時半開演で、千葉美浜文化ホールでまた同じ演目を弾かせていただきます。今日は明日に備えて、きゅりあんの自分の演奏の録音を聞き直し、反省会をしました。 前にも似た様な事を書いていますが、自分の演奏を聞くのは録音された自分の声を聞くのと同じくらい、嫌な物です。でも、これは非常に勉強になる事でもあるのです。演奏している時は兎に角アウトプットに集中しなければいけません。だからどのような音楽が醸し出されているか、と言う事は分からない。勿論、何か月も練習している中で色々構想を練り、計画を立て、一番効果的・音楽的な曲作りと言うのを準備しています。でも本番中、アドレナリンが体を駆け巡り、いつもと違うピアノ、ホールの音響の中で、何百人と言うお客様と音楽をシェアする時、出て来る物は練習した物と結局随分変わるのです。 不思議な事があります。人によって演奏が変わるのです。練習の一巻として、良く友達と弾きあいっこ、聴きあいっこをします。一般的に批判的な友達の前ではいつも演奏の弱い所が浮き彫りになります。ちょっとでも不確かなところがボロボロになってしまうのです。でもほめ上手で優しい聴き手の場合は理想に近い形の音楽を創れます。これは本当に面白い。一人の聞き手が何百人と言う聴衆となってもこれは同じです。音楽はやはり、時空の共体験、奏者だけが創るものではないのだ、と再確認します。これは責任転嫁ではなく、私の実感です。でも、どんな聞き手・聴衆でも、出来るだけ理想に近い音楽を創るにはどのように自分のコンディションを持っていったら良いのか、どのように練習・準備をすれば良いのか。ベストを尽くすべく色々工夫するのですが、長年の経験で一番効果的なのは、前の演奏を聞く事です。 きゅりあんでは、沢山の優しいお客様に喜んでいただけましたが、自分的にはまだまだ課題を多く残す80点くらいの演奏でした。練習では絶対しないような思いがけないミスが結構多発してしまった。今日、録音を聞いていくつか分かったことがあります。 1.私は小さなミスがきっかけで大きなミスをしてしまう事がある。ミスは不可避。ミスが起こっても自分で自分を許して、過去は忘れ、今これから出来る事に素早く集中を切り替える。 2.どうしても「自分の最大限・精一杯=誠実な演奏」と思ってしまうが、そうじゃない。テンポも音量も音楽への入り込みも、85パーセントを目指して、冷静に弾く。お客さんが聞きにいらしているのは、早い指でも、大きな音量でも、ピアノ技量でも無く、音楽なんだ。音楽を音楽にするためには、私は健康な距離感から来る余裕を持って、楽しみながら演奏しなければいけない。 3.残響を楽しむ。音の引っ張りを楽しむ。和声の美しさを楽しむ。 4.兎に角楽しんで弾く。苦しんでいれば許される、と言う物では無い。許される、許されないではなく、いかにホール一体で共感できるか、音楽を共有したと言う実感を持っていただけるか、と言う事。 明日を楽しみに、今夜はゆっくりします。 木曜日の13時半開演ですが、お時間が許す方は是非ご参加をご検討ください。

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「天上の音楽 v.s. 地上の英雄」演目解説!

家族の来訪、リサイタル、卒業式、母の日…イベント続きの日時を満喫した。家族がそれぞれの家へ帰って行ったあと、思いがけずヒューストンのお友達から博士課程取得を祝ってもらったりもした。 週末には野の君とLake Livingston州立公園と言う湖沿いの広大な自然公園を散策したり、サイクリングをしたり、日本語のテレビを見たり、兎に角ひたすら楽しんで、夢の様なときを過ごした。 しかし...「はっ‼‼!」と気がつけば、もう一つ演奏会が一週間半後、日本への出発は2週間後、6月17日の品川きゅりあんは3週間半後、そして千葉美浜文化ホールはきっかり一か月後!が~~~ん。 演奏にはいつも、常に、反省点が付きまとう。5月11日と15日に弾かせて頂いた際も例外ではありません。これからの課題を忘れないうちに、練習再開!にわかに焦って来て、昨日の夜は演目解説を一気に書き上げた。お気づきの点がおありでしたら、お手数ですが、ご一報いただければありがたいです。 第一部「天上の音楽」=『ゴールドベルグ』変奏曲 古代ギリシャにて数学者のピタゴラスは鍛冶屋の金を打つ音がハモる時、ハモっている金づちの重さが整数比になっている事に気が付きました。「天上の根源は数である」=>「音楽は数を体現している」=>「音楽は天上を体現している」…『天上の音楽』と言う概念の誕生です。「動きあるもの全てに音がある」と考えた古代ギリシャ人は、惑星の動きも音を奏でている、と考えました。この事も「天上の音楽」、そして「音楽=天上-すなわち数字-の体現」と言う考え方を強めたのです。この考え方は、後にガリレオやコペルニクスが実際には天上の音楽は在り得ないと証明した後でも、西洋音楽を大きく影響し続けました。バッハもその影響を受けた一人。彼が数字学や、黄金律などと言った数学的概念を自分の作曲に応用したことは良く知られていますが、ゴールドベルグ変奏曲はその最たる例と言えるのではないでしょうか。 30の変奏曲のリストをご覧ください。ルター教の熱心な信者だったバッハは三位一体(父と子と精霊の三者、全てが一人の神だと言う考え方)から、特に3と言う数字に重点を置いてこの曲を構築しています。3つの変奏曲を一つの単位として進行するのですが、この3つの変奏曲は常に「作曲技法(音楽様式)」「鍵盤技術(手の交差)」「カノン(輪唱)」と繰り返しています。この3つはいわば、知性(父)、肉体(子)、感性(精霊)を象徴していると言っても良いでしょう。さらに主にト長調のこの曲で3つの変奏曲だけがト短調…紙面の都合上、これ以上例を挙げるのは辞めますが、掘り下げれば掘り下げるほど、バッハの数字へのこだわりがこの曲に実に緻密に、そして至る所に織り込まれているのが明らかになります。人間の創造とは思えないこの完璧な音の世界を、よろしければ宇宙を想像しながら、お楽しみください。 J.S. Bach (1685-1750) 『ゴールドベルグ』変奏曲(1741)  (正式名:2段鍵盤付きクラヴィチェンバロのためのアリアと種々の変奏」 (ドイツ語: Clavier Ubung bestehend in einer ARIA mit verschiedenen Veraenderungen vors Clavicimbal mit 2 Manualen)、BWV988   主題アリア3/4拍子 第1変奏3/4拍子、1鍵盤。 第2変奏2/4拍子、1鍵盤。 第3変奏12/8拍子、同度のカノン、1鍵盤。 第4変奏3/8拍子、1鍵盤。 第5変奏3/4拍子、1あるいは2鍵盤。(手の交差) 第6変奏3/8拍子、2度のカノン、1鍵盤。 第7変奏 6/8拍子、1あるいは2鍵盤。(ジーグのテンポで) 第8変奏3/4拍子、2鍵盤。(手の交差) 第9変奏4/4拍子 3度のカノン、1鍵盤。 第10変奏2/2拍子、1鍵盤。(フゲッタ) 第11変奏12/16拍子、2鍵盤。(手の交差) 第12変奏3/4拍子、4度の反行カノン(鍵盤指示なし)。 第13変奏3/4拍子、2鍵盤。 第14変奏3/4拍子、2鍵盤。(手の交差) 第15変奏2/4拍子、ト短調、5度の反行カノン、1鍵盤。 第16変奏2/2拍子 – 3/8拍子、1鍵盤。(フランス風序曲) 第17変奏3/4拍子、2鍵盤。(手の交差) 第18変奏2/2拍子、6度のカノン、1鍵盤。 第19変奏3/8拍子、1鍵盤。 第20変奏3/4拍子、2鍵盤。(手の交差) 第21変奏4/4拍子、ト短調、7度のカノン(鍵盤指示なし)。 第22変奏2/2拍子、1鍵盤。

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