非常時の勉強、練習
新居への引越しは中々完了せず、毎日一時間の往復を余技無くされている。 さらに、引越し、中古車の購入に伴う雑用のもろもろに登校前と帰宅後の主な時間を持っていかれてしまう。そんな中、それまで何気なくすごしていた時間がとても貴重になり始めた。 例えば、登校・下校途中。私はまずライス大学からメトロレールと呼ばれる路面電車まで10分ほど歩き、それから電車に揺られて17分。さらに、バスで約20分、そしてバス停から約15分運転して帰宅している。この電車での17分とバス上の20分がものすごく貴重になってきた。教えている音楽理論のクラスの宿題の採点や、ルネッサンスのクラスのための読み物。時間制限があるから、必死になって集中する。ものすごく効率が上がる。さらに早起きして行う宿題や、教えるクラスの準備。夜にやると、疲れているしいつまでも夜なべしてしまうが、朝にやると何しろ締め切りが迫っている。背水の陣である。終わらなければ、遅刻するか、準備不足である。どちらもいやだ。必死になる。練習も同じく。一時間しかない、となると、「一日中練習日」と言うのと違って、どうしても優先順位を明確に、はっきりと目標を持って、効率よく練習するようになる。芸術的・精神的ではないかも知れないが、とりあえず今は効率第一、である。 昨日は新居の排水パイプを修理するためのパイプと道具、さらに掃除・選択に必要な道具や洗剤や、シャワーカーテン、電球などを大量に購入することに帰宅後の3時間を費やした。さらに、お金も大量に使ってしまった。「世捨て人の音楽修行人」から「人並みの生活をするピアニスト」に昇格するのは、中々大変である。