人生の優先順位

モーニングページ(もどき)

武士道を英語で「The Way of the Samurai」と訳します。これをもじって、「The Way of the云々」とか「何々’sWay」と言うのは多いです。その一つに「The Artist’s Way」と言う本があり、その中で推奨されているのが、このモーニングページです。起床直後に、手書きで思いつくままに言葉を書いていくことで意識下の自分の想いにアクセスし、自分の本領を発揮できるようにする、と言うものです。毎日やると言うのが基本ですが、私はもやもやしている時だけ、やります。数日続けるともやもやはいつもなぜだかどこかへ消滅。朝型の私はベッドから飛び起きてすぐ練習やジョギングやメールや執筆などの色々にかかりたくなってしまい、モーニングページはそっちのけになってしまうのです。 でもこの数日、早すぎる時間に不穏な気持ちで目が覚めるのです。理由としては大きなものから小さなものまで箇条書きにして行くと… 世界情勢の不安(関税戦争、世界経済、日韓関係、など) アマゾンと北極圏の火事による二酸化炭素の大量放出とその結果の温暖化の急進化。さらに大地震の予測。 自分の将来。自分の経済状態。自分の音楽友人たちの生活安定 時差。(6月以降の二か月間で8回違う時間圏を行き来した。) 時差を言い訳にコーヒー飲みすぎ。 運動不足。 自分の将来に関してにわかに不安になるのは、旅先ではその滞在中の事だけを考えているのですが、家に帰って来るともっといろいろ責任をもって考えなければ…と言う思いに駆られる、と言うことがあるかも知れません。旅行中や演奏中は、会場の大きさやお客様の数や収入に関係なく、自分のベストを尽くす事だけに専念します。でもひとたび家に帰ってみると、(こういう刹那的な生き方で良いのか…)と不安になるのです。 (これも音楽人生の現実!正直に書いてみよう!)と思って起き上がってコンピューターを開けたら… 一年くらい連絡を取り合っていなかった知り合いが突然「一年半前に演奏会場で買ったあなたのCDを何度も何度も聴いている。特にラフマニノフのエレジーをリピートして聴いている。素晴らしいCDを、そして私にこの曲を紹介してくれたことに、ありがとう。」とメッセージを入れてくれています。そして昨日久しぶりに書いたブログには、横須賀の演奏会に来てくださった方が「初めて聞かせて頂きました。びっくり仰天でした。音量、音域の体積、面積に圧倒されました…」と涙が出るようなコメントを付けてくださっているのです。 今朝のこのタイミングでこういうメッセージをもらえたのは、もしかして運命!? 本当に大事な事ってなんだろう。世界の終焉はもしかしたら私たちの寿命が来る前に来てしまうかも知れない。世界の終焉は来なくても、少なくとも私の命の終焉は絶対に来る。限りある時間の中で、私は何をするべきなのだろう。きっと安全・安定に固執することじゃない。私が求めるべきことはきっと我を忘れて何かに没頭できる瞬間をより多く持つこと。思い返す度に幸せになれる思い出を一つでも多く作る事。大事な人と笑い合ったり、共感したりする時間を少しでも多く持つこと。そして世のため、人のために尽くす事が出来ていると言う実感。大事なのはやっていること自体の効果の規模ではなく、その信念。一人でも多くの人に共感や笑顔や思い出になる瞬間や没頭できる時間を提供できた、と言う自信。 ありがとうございます。今朝は本当に励まされました。音楽人生万歳!

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ファン心理とは?「天野アキ」を参考に解析。

寝る前にルーティーンがあるとよく眠れる、と言う話しを聞いた。 それを意識してでは無いが、どんなに忙しくても就寝後朝の連ドラを2エピソード見てから寝ている。 この習慣を始めてからなるほど、よく眠れている。 まず「ゲゲゲの女房」を見た。色々興味深く、非常に面白かった。 今は「あまちゃん」。 今週は、震災後北三陸に戻ってきたあきちゃんが 「海女ガフェをだでなおすっぺ!」と言っている辺り。 この「あきちゃん」にすっかりはまってしまった。 私は硬派。 自他ともに認める、汚点になるくらいの『真面目』。 ミーハーとかファン心理なんて言うものは、在っても宣言しない。 ...と言うかしにくい。 その私がブログで「天野アキ」ファンだ!と言い切ってしまうのだから、多分すごい。 新曲の練習していても(アキちゃんだったらどう表現するだろう?)と思うと、想像力に羽が生える。 感情移入がしやすい。いつの間にか「アキちゃん」に自己投影している。 監督の嗜好だと思うが、舞台芝居的で非現実的な演技が貫かれている。 それがあっている役者といない役者が居る。 やよいを演じる渡辺えりとか、あんべちゃんを演じる片桐はいりなどはすごい。 更に薬師丸ひろ子さんや、宮本信子さんは私が勝手に持っていた彼らのイメージを全く覆して役作りがあっぱれ。 種一先輩演じる福士蒼汰さんも好演だと思う。 しかし、その中で、少なくとも私にとって、アキちゃんはダントツ。 何しろ、演技が自然。 (これは地で行ってこうなったんだろう)(普段もきっとこうなんだろう)と思ってしまう。 しかしインタビュー画像などを見ると、全然違う。 ちなみに私はこの稀なる自分のファン心理現象を解析すべく、能年玲奈(現在芸名「のん」)について調べ、 私はのんのファンではなく、天野アキのファンなんだと、確信した。 じゃあなぜ、私はアキちゃんが非常に好きなのか。 『あまちゃん』は非常な高視聴率を獲得し、人々の心を捉えたのか。 「朝ドラ」と言う現象、そして『あまちゃん』と言う番組を、「天野アキ」と切り離して解析するのは難しい。 が、敢えて一言で言うなら、ノン演じるあきちゃんの一貫性、と言うことではないか、と思う。 ノンの演技力だと思うが、ちらりとも役者の顔が見えない。最初から最後まで同じキャラで貫かれている。 これは集中力とか、コミットメント、と言う言葉でも表現できると思う。 これを目指そう! これから私は自分の認知度を上げていきたいと思っている。 音楽の良さや効用と言うのを広める活動をしたい、と言う強い願望が在るからだ。 その為には私と言うキャラの固定観念を確立しなければいけない。 私は今まで固定観念は偏見と同じで悪いものだと思っていた。 そうではないんだ、と気づかせてくれた「あまちゃん」とのんの演技に感謝!

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スリープノーモア:NYの体験型シアター

NYに来ています。 NYは私が13歳から20年近く過ごした、私の故郷の一つですが、今回の「帰郷」は一年ぶり。 8日の滞在を精一杯楽しむ!意識的に思っているだけでないのかもしれない。どうしても夜遅くまで目がさえ、朝早く目が覚めてしまう。 ワクワクしています。 体験型シアター「スリープノーモア」に行ってきました。 LAで同じく起業をしようとしているピアニストが「お願い!ぜひ行って来て!人生観変わるから」と強く勧めてくれたので、 かなり高額でしたがチケット購入。 「怖いからいかない」と同伴を断ったNYの友達の言葉にちょっとドキドキしながら、行きました。 シェークスピアのマクベスを基に、6階建ての1939年建築のホテルを改造して、役者を部屋から部屋へと追いかけながら体験する、と言う前知識と、「動きやすい服装と靴で来てください」「お客様には仮面をかぶっていただきます」などと言う観劇前日に来た劇場からの注意書き、そして私に熱狂的に勧めたLAの友達の言葉から大体の予備知識はありました。 体験型シアターと言うのは、私は他でも体験していました。 例えば、公園で行われたシェークスピアは、舞台転換ではなく、それぞれの場面にふさわしい公園の場所に移動して劇が展開され、観客はその間、役者について行って立ちっぱなしで観劇します。出番でない役者が必要に応じて、懐中電灯で進行中の劇を照らしたり、小道具をササっと出したりしていました。これは工夫が結構楽しかった。 ダンテの「神典」の時は何と、マンハッタンの一か所で落ち合って、役者について地下鉄の駅にぞろぞろ行きます。これが「地獄」への降下。そして地下鉄に乗って、他の何も知らない乗客も居る中、役者がとうとうとモノローグを演じて、目的地でみんなでぞろぞろと役者について行って、使われていない倉庫のようなところで、ヴィデオ・インストレーションとか、ライヴの音楽とか、などが「地獄」を演出する、と言う試み。この時は間延びがして、ちょっと観客同志で気まずい感じがしました。 ただ、こういう場合、どうしてもプロダクションや演技その物の質が失われる感が否めない。 今回は「儲け度外視でセットデザインも衣装も非常な投資をして製作され、役者も最高級」と言うLAの友達の言葉で更に好奇心が刺激されていました。「儲け度外視」!...このご時世で?私は今、起業をしようとしている中、利益を出しつつ、提供する音楽の質を妥協しない、と言うことの難しさに七転八倒しています。だから、ここが一番の見どころだった。 (警告:要注意!もうすでにチケットをご購入の方、またこれからスリープノーモアに行くのを楽しみにしている方々はお読みになられない方が良いかもしれません)           結論から言うと...ちょっと悲しい気持ち。まず、「儲け度外視」ではなかった。セットが「歴史的背景を重要視した調度品」で、芝居抜きでもインストレーションとしても博物館の様に楽しめる、と言う謳い文句だったのに対し、すべてが薄暗く、何もよく見えず、しかし数多くある剥製も触ってみると偽物。そして「儲け度外視」でお客様の体験を最優先にさせるのであれば、絶対入場数を半減すべき。仮面を被ったお客は傍若無人となり、役者を囲んでお互いを押しのけ、少しでもよく見ようとほとんどけんか腰。役者は接近してくる聴衆をかき分けながらなんとか演技を続行しようとして、お客にぶつかったりしている。 そしてシェークスピアなのに、役者は無言でパントマイムと踊りのみ。しかも演技も踊りもどっちつかずで、結果(私の意見では)どちらも最高級ではない。踊りやパントマイムだけでシェークスピアの新解釈を提示できないとは思わないけれど、このスリープノーモアではセックスと暴力シーンだけがハイライトされ、血まみれになった役者が殺し合いの組み合いを延々と続けたり、半裸・全裸の役者が茫然といつまでも踊り続けたりする。(しかし、素晴らしい体つきだった。女性はみんな、きれいだったけれどおっぱいが無くてびっくりしたが、男性は筋肉粒々で彫刻みたいだった。) 興行の難しさ。なぜ本物には正当な対価が払われると言う確信が無いのか?お客が悪いのか、資本主義が悪いのか? どちらも悪いのかも。仮面を被ることを義務付けられる3時間は無言でいること義務付けられるが、それが終わった後、周りのお客に聞いてみた。「どうでしたか?」そしたら「すごい!素晴らしかった!」と言う意見ばかり。「14回もスリープノーモアを見に来た友達に強制的に連れてこられたが、その訳が分かった!」などと。 エ~~ン(涙)

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「ゴキブリ」説

最近友人に聞いた話しです。 大笑いした後に、ちょっと考えさせられた良い話だったのでシェアします。 彼の職場にはすごく癖の強い上司がいるそうです。第一印象がとても良い。またお客さんには非常に評判が良い。お客さんとみんなお友達になってしまう。職場の部下たちも最初は皆すごく仲良く、お友達の様にやっている。でも段々みんな口を聞かなくなって、ついには辞めてしまう人も続出。その原因は彼が癇癪持ちだからです。「お前にはこの会社に居る資格も無い!」とか「本当の能力なしとはお前の様な奴の事だな!」とか言ってしまうのです。私の友達は凄く人の好い、誰とでもうまくやっていく人なのですが、でもこの上司とは出来るだけ顔を合わせ無い様に避けるようになってしまったそうです。 でも、そんな上司と一人だけいつまでも仲良くやっている人が居ました。この彼も皆と同じようにどなり散らされているのですが…私の友達はこのXさんに聞いてみたそうです。「秘訣は何ですか?」。 「まず」、と教えてもらったXさんからの秘伝が「ゴキブリ」説だそうです。 レストランにゴキブリが飛び込んできた。その時「キャ~~!!」と言って逃げ回り、店に大文句を垂れた客「もう食事が台無しよ!どうしてくれるの?」。逆に全く動じずに食事を終えた客。この二人の客を比べて、質問は最初の客の食事を台無しにしたのは、ゴキブリだったのか、それともお客自身だったのか? Xさんの秘訣はとにかく受け流す、と言う事だったそうです。相手がどんなに感情的になっても馬耳東風で言わせておく。そして少し収まったところで「じゃあ、どうすれば良いんですか?」と聞いてみる。相手も(本当はちょっと悪かったな)と思っているので、結構手鳥足取り親切に教えてくれる。 この話しを聴いて、このヴィデオを思い出しました。 23年間妻に口を聞かない夫を、子供の依頼で原因探求した「探偵ナイトスクープ」のエピソードです。このエピソードで本当にすごいのは、完全にシカトされてもお母さんがお父さんに愛情を持って接しているところです。すごい!このヴィデオは感動します。ネタバレしたくないので、この辺で辞めておきますが、この妻は「ゴキブリ説」を23年間実行したのだな、と尊敬します。 英語ですがこの「ゴキブリ説」のURLをここに付けます。 Cockroach Theory- A beautiful speech by Sundar Pichai.

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Houston Women's Marchに参加しました。

ドナルド・トランプ就任翌日は、 世界各地でWomen’s Marchと呼ばれるデモ集会が行われました。 私の友達の多くはワシントンで開かれたWomen’s Marchに参加しました。 The New York Timesによると、ワシントンD.C.のマーチ参加人数は トランプの就任式の3倍の人数がデモに参加した、と推測されるようです。 https://www.nytimes.com/interactive/2017/01/22/us/politics/womens-march-trump-crowd-estimates.html?_r=0   私は今まで芸術家が政治的発言をすることをあまり良く思っていなかったので敢えて控えていました。でもトランプ氏の場合は政治と言うより倫理の問題だと思い、多いに発言をしようと決意しました。同じような理由で、今まではデモ集会に出たりするよりは練習を優先させてきましたが、土曜日は生まれて初めて、デモに参加しました。ヒューストンで行われた集会の過去最高の参加数だったそうです。22,000人の参加者と言う推測が出ています。 http://www.chron.com/houston/article/Sister-women-s-march-to-protest-election-of-10872857.php   デモ集会と言うのは、エネルギーに満ちています。 「Love Trumps Hate(愛は憎しみを打倒(動詞:trump)する!)」 「People United will never be Devided(結束した人は相違しない!)」 「This is what Democracy Looks Like!(民主主義を見せつける!)」 などと言ったチャントが人々の間を行き交い、 全くの他人でも、声を合わせてチャントを唱えればなんとなく親近感が湧き、 さらに『同志!』と言ったような連帯感で、みんな笑みを交わし、 結構楽しい物です。   Facebookでは私の友達が世界中で同じような集会に参加している写真を挙げました。 フランクフルト、ロンドン、NY、ワシントン、LA、サンフランシスコ、ホノルル…   私と野の君は、デモの周辺は混雑が予想されたため、歩いて現地まで行き、 デモの後は歩いて帰ったので、15,000歩も歩いてしまいました! 距離にして10キロちょっと。 その後菜食ビュッフェに行って、モリモリ食べました。   夜は、特にこの日を記念して「Hidden Figures」と言う映画を映画館で観ました。 1960年代、アメリカ初の宇宙計画の縁の下の力持ちとなった黒人女性の数学者、エンジニア、エアロスペース・エンジニアの3人組のお話しです。涙が出るような人種差別の中、Martin Luther King Jr.の非暴力の社会抵抗と同時期に、3人とも子供を育てながら黙々とNASAが3人が無くてはならない存在と認めるまで、頑張っていくお話し。 http://originalmobs.jp/sands/2017/01/03/hidden-figures/   トランプの大きな問題の一つは白人男性優勢主義的な発言を多くしていることです。 さらに、白人男性の中でもお金持ち優勢。 このNASAの黒人女性たちは、黒人で、さらに女性である、と言う事で、 白人男性よりもずっと必要なお仕事をしながら、

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