ゴールドベルグの録音2日目、大成功!

昨日のブログには、あのあと録音するはずだったし、自分にハッパをかけるつもりで前向きな書き方をしたが、実は録音セッションその一は中々困難な物だった。慣れ親しんだはずのスタジオ、スタインウェイのフルコン、そして長年の今では友達の録音技師なのだが、ピアノは最後の録音からずいぶん音色もタッチも変わっており、マイクのポジションも新しい ―スピーカーから聞こえてくるプレイバックの音も予想よりもずいぶん、はっきりとしており、それが硬くも聞こえる。正直、戸惑った。一瞬プロジェクト全体への疑惑に頭がいっぱいになってしまった。

でも、深呼吸をして対応策を練る。

ピアノは最後の録音(「ハンマークラヴィア」のCD)以来、ずいぶん弾きこまれているようだ。鍵盤が軽くなった感じがする。ハンマーが薄く、硬くなっている感じがする。それなら軽いタッチで、優しく、可愛系の着眼から弾いて見よう。「ドイツ」を意識してしっかり弾くのではなく、ゴールドベルグはフランス舞曲に多くの変奏曲が着想を得ていることにより注目し、「おろす」「つかまえる」「重み」と言うのを「浮かせる」「遊ばせる」「軽さ」と変えて見よう。ピアノと格闘するのではなく、ピアノと遊ぼう。

そして昨日のセッションは自分で言うのも何だが、とても上手く行ったと思う。これからプレイバックを聞く作業をするので、まだはっきりとはなんとも言えないが、少なくとも手ごたえははっきりと在った。セッションが終わってホッとした開放感で、世界中の今までお世話になった人みんなにお礼を言いたいような高揚感!道ですれ違う人に全てにこやかに挨拶した。(そしたらなんと珍しいことにナンパされてしまった。そしてそれも嬉しかった―蛇足)

とりあえず、ご報告。ありがとうございます!

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