ゴールドベルグの録音と編集が終わった今、残るは中のノートの作成とデザインです。
表紙は、NYで大変お世話になっている画家の大岡和夫さんにお願いしようと思い、
明日からスタジオでモデルをする予定です。
中のノートは今、第一稿を書き上げました。
これから校正が必要となります。
何かお気づきの点があれば、どしどしご指摘下さい!
英語と日本語の二ヶ国語です。
この他にそれぞれの変奏曲のトラック番号と、分数秒数のほか、
その変奏曲の拍子や特徴(カノン、ダンス名、など)を簡単に記した
エキセル表が見開き2ページで見れるようになる予定です。
一ページが小さく、6ページ内に収めるので、かなり字数を削らざるを得ませんでした。
“Goldberg”? Variations
“Aria with Diverse Variations for Harpsichord with Two Manuals” (1741) became known as “Goldberg Variations” because of the anecdote that appeared in the first biography about J. S. Bach (by J. N. Forkel, 1802): That insomniac Count Keyserling commissioned it for his keyboardist, Goldberg, to play to sooth his restless nights. The story was memorable and the name stuck, but many question it today due to the lack of the then-customary dedication to its commissioner on the title page, Goldberg’s age (14!) in 1741, etc. Why, then, did Bach write this enormous piece? It is by far the largest piece for keyboard written in the 18th C. and the tightly-knit counterpoint, deep and diverse worlds each variation presents, perfectly executed structural scheme, and above all its magnificent beauty makes this piece a superhuman masterpiece.
Pianist Makiko Hirata’s professional activities have extended throughout North and South America, her native Japan, and Europe. At seventeen, she toured with the National Symphony Orchestra of Bolivia. In December, ’98, her debut in Weill Recital Hall at Carnegie Hall was received with a standing ovation. She performed rarely performed pieces for piano and orchestra by Debussy, Tovey, Lalo, Godard, and others as a regular guest soloist with the Jupiter Symphony Orchestra in New York City. She has toured throughout the United States and Europe as the featured soloist with Pecs Hungarian Symphony Orchestra, Polish Philharmonic Resovia, and Arad State Philharmonia from Romania. Seeking diverse and creative ways to share music, she collaborates with composers, visual artists, and writers in various projects. She regularly writes and gives lectures about music.
「2段鍵盤付きクラヴィチェンバロのためのアリアと様々な変奏」と言う題名でバッハが書いた大曲が「ゴールドベルグ変奏曲」と言う通称で親しまれるようになったのには史上初のバッハの伝記(1802年J.N.Forkel作)に出てくる次の逸話があります。不眠症に悩むカイザーリンク伯爵が、眠れぬ夜の慰みにお抱え鍵盤奏者、ゴールドベルグに弾かせるために委嘱した…馴染み深いおとぎ話ですが、現在は事実無根とされています。当のゴールドベルグがこの曲の出版された1741年にまだ14歳であったこと、又この時代のこの状況では不可欠のはずの献辞の欠如、などの理由があります。
ではなぜバッハはこの大曲を書いたのか ― 長さのみにおいても18世紀に出版された鍵盤楽器用の曲として、だんとつの大曲です。その上完璧な対位法、それぞれの変奏曲が織り成す世界の多様さと奥深さ、壮大な構成、そして何よりその美しさ。ゴールドベルグを聞く体験と言うのは、他のどんな音楽、どんな体験を持っても似ることない、いわば別世界を垣間見ることだ、と私は思います。
平田真希子、ピアニスト
ジュリアード音楽院プレカレッジに始まるNYでの勉強中に、南米、北米、ヨーロッパ、日本での演奏活動を開始。ボリビア国立交響楽団やヒホンスペイン交響楽団など12以上のオーケストラと共演。2009年にはレオン・フライシャーの指揮でコルバーン・オーケストラと「パガニーニの主題による狂詩曲」を演奏。2009年と2010年の夏にはタングルウッド音楽祭の研究生として招待され、世界的指揮者やピアニストと勉強、共演。現在ライス大学の博士課程で特待生としてピアノと指揮を研鑽中。同時に、精力的な演奏活動、執筆や西海岸の日本語放送チャンネルNTBでの「ピアノの時間」講師をつとめる。詳しくはHPにて:http://makikony.cool.ne.jp
”だんとつの大曲”は俗語表現なので改めたほうがいいと思います。「他の追随を許さないor頭抜けたetc。」”とんな体験をもっても似ることない”、ではなくて「どんな体験を持ってしても真似ることのできない」では?わたしが特に気になった大きな点はこの二つでした。
>abbros/kawashimaさん
「頭抜けた」と言うのの、音読みは何でしょうか?
大変貴重なご指摘、本当に有難うございます.私はやはり日本語は大好きでよく読み書きしているつもりですが,少し違うところがあるのだと思います.他にもご指摘ございましたら,お教えいただければ本当に嬉しいです.宜しくお願いします.
マキコ
>ピアニスト、makichaさん
「頭抜けた」はズヌケタです、多くのものの中で特にきわだっている、こと。マキコさんのアメリカ暮らしの年月を考えると、流暢な日本文だと思います。マキコさんらしい表現というのも必要ですよ。
>abbros/kawashimaさん
頭抜けた、と言うのは、私の全く知らない表現でした.有難うございます.「私らしい表現」と言って頂けると救われますが,私はこんなに美しい日本語を正しく、美しくこなせる日本人になりたい!
マキコ