-
パリ5日目の昨日も非常に充実していました。 まず、朝は練習! ブログを書いて、メールをやって、朝食を食べて、シャワーを浴びたら 実質1時間しかなくなっちゃったけど、 でも、練習と言うのは実際にしている時間だけではなく、 練習しようと思って計画・準備している時間、 そして練習した後に意識的でも、潜在意識的にでも、そのした練習を復習している、と言う事実、 が、大事と常日頃思っています。 そして、12時からは学会に来て初めて、他の研究者の発表を聞いてみました。 私は性格的には結構まじめで、 学会に来たら朝から晩まで学会の他の研究者の発表を次から次へと聞くもの、 と言う気持ちで来ていたのですが、 今回の発起人かつ、学会のエキスパートのK氏に 「自分の発表だけして、後はパリを見ているほうが良いのです」 と言うお勧めに素直に従っていました。(そして楽しさを満喫しています!) しかし、月曜日は自分の発表、そして日曜日は学会がお休みと言うことがあり、 他の人の研究発表をしって、少なくともどういう会場のどういう雰囲気の中で発表するのか知りたい、 と思い、聞きました。 カナダの偉そうな教授がカナダの詩人の間でのオリエンタリズムについて喋っていたのですが、 とても面白い内容で、私は楽しかった。 でも、聞いている人は7人でした。 小さな教室のようなところであって、その教授はパワーポイントも使わず、 要するに授業と同じだ、と思いました。 ちょっと安心しました。 その後、今回の学会のハイライトの講義がソルボンヌの旧校舎である、 と言うのでそれに行きました。 今回の学会はソルボンヌを会場としていますが、 私たちの活動は主に最近立てられた、非常に新しいキャンパスであって、 12世紀に設立された大学、と言う歴史の重みを余り感じられません。 この旧校舎も18世紀以降のものでしたが、でも結構凄い建物で中の装飾も凄かった。 なぜか講義がいつまでも始まらず、私は次の約束が在ったので建物だけ見て、出てしまいました。 次は私の両親の大学時代の友達のM氏と、 Musée de Clunyと言う、フランス中世のものを扱う、 ソルボンヌ旧校舎近くの博物館に行きました。 凄い場所(もともとは修道院)、そして凄いコレクションです。 鎧兜、タペストリー、ステインド・グラス、絵、装飾品、日常用品など色々ありますが、 今、中世音楽を勉強しているので、非常に面白かった。 しかし、何よりも印象深かったのは、 フランス革命時に破壊された聖人の像の数々です。 胴体を真っ二つにされていたり、顔を丁寧に削ってあったり、 その破壊力に、その時の怒りと、反体制の動力を感じました。 そして夜は今回の学会に出席している日本人の教授が多く集まるパーティーに出席しました。 色々な方のご研究や、出版されている御本について伺うことも面白かったのですが、 研究・教授生活、とご自分の人生と言うものをどうバランスされているか、 垣間見るのもとても興味深かったです。 出張のように単身でこの学会のためにパリに来られている方がほとんどですが、 日本にはご家庭があり、お子様がいらっしゃる方が沢山。 そしてお会いした研究者の多くは女性だったのです。 そして逆にそう言う女性の中で、結婚しない・子供を持たないと言う選択をされた方々も、 多くが自分が自分として生きることに、何が必要かをとても大事にされていて、 素敵な人生を送っていらっしゃるようにお見受けしました。 とても、触発される晩でした。 大変有意義な時を過ごさせていただいています。
-
「パリの郊外と言うのも絶対見ておくべきだ」と言う発起人K氏の強いお勧めにより 今日美知子さんと、 美知子さんのお友達のS氏(車を出してくださってありがとうございました) に連れて行って頂いて、 クロード・モネ(1840-1926) が1883年から43年間に亡くなるまで住んだと言う、 パリ郊外、車で一時間くらいのところにある、お家とお庭に行って来ました。 偶然、一年の中でも最善の時に当たったようです。 庭中に花が咲き乱れ、 庭の中にある池にはちょうどモネの絵そっくりそのままに睡蓮が咲き、 その庭は早足で歩いても15分はかかる広大なもので、 一つの理想郷となっています。 こんな中で生活していたら、本当に良い人になれるし、 こんなに沢山の花が咲き乱れていたら、絵を描かずには居られないよね、 と美知子ちゃんと話しました。 あんまりにも美しく、季節の移り変わりで刻一刻と変わっていく庭と暮らしていたら、 そのそれぞれの美しい瞬間を何とか残しておいて上げたい、と思ってしまうのではないでしょうか? 本当に美しいところです。 お天気が晴れ上がった日で、花の時期としても最高、 と言うことで随分込み合っていたのですが、 人々はお互いに本当に寛容で皆で違う言葉でニコニコ笑みを交わしました。 美知子ちゃんとその天国のようなお庭を歩いていたら、 ちょうど歩き始めたくらい、まだ言葉を喋る前くらいの赤ちゃんが 突然私たちの前でお母さんを見上げて、何が可笑しかったのか急にケタケタ笑い始めました。 大人だったら「思い出し笑い」と言う類の笑いでしたが、 赤ちゃんですからその笑いを自制する、と言う事も無く 本当に可笑しそうに、楽しそうに笑うのです。 それにつられて、私も美知子ちゃんも、周りの人たちも一緒に同じように笑い出してしまいました。 このお庭だったから… これもGivernyに行った理由の一つだったのですが、 お庭の中にたたずむ田舎風のお家にはモネの絵のコレクション(の複製)が飾ってあります。 彼自身のものも多く在りますが、他の画家のものも多い。 そして、その半分以上が浮世絵なのです!広重、北斎、写楽… 中にはアメリカ人を描いたものや、不思議な構図の風景画の浮世絵もあります。 どういうルーツでこれだけの浮世絵を手に入れたのか。。。 そして、浮世絵独特の遠近法や構図、、人物描写とか色の使い方を見た後に 彼自身の作品をみると(なるほど!)と思えるものがあるから、不思議です。 Givernyに行った理由の一つは私が今ドビュッシーのピアノ曲を多く手がけているからと、 今回の私のリサイタルのテーマ「ピアノで奏でる東洋」と言う、 西洋音楽の中で東洋と言うものがどう捉えられ、描写されているか、と言うことについて、 印象派の権化であるモネの家に来ることで分かることがあるのでは、と思ったからです。 モネが非常な時間と財産と時間をかけて創り出したこの理想郷。 そう言う浮世離れした、ほとんど個人的な感情を超越している理想郷と、 その当時遠い異国であった東洋に対する憧れ。 この二つにはもしかしたら共通点があるのではないでしょうか? 東洋と言うのは、彼らにとって、なんだったのか。 ドビュッシーもモネも、その生涯に東洋を訪れる機会はありませんでした。 でもむしろ、彼等は東洋を現実的に体験したくは無かったのではないか。 それこそ、『天国』のように絶対分かりえない、 でもだからこそ際限なく夢想する対象、としての異国、東洋。 東洋人としては、ちょっと不思議な感覚です。 帰りにヴェルサイユ宮殿をちょっと覗いて帰りました。 残念ながら中に入る時間は無かったのですが、その大きさを見れただけでも、 そしてその外側(!)に使ってある金箔の量が見れただけでも、 なぜ革命が起こったのか、そして全盛期の王侯貴族の何かが分かるような気がしました。…
-
リサイタルが昨晩だったのが信じられないほど、今日のオフデーは充実していました! まず朝、学部生の頃の先輩だった同じピアニストのDavidの家にお邪魔しました。 彼はアメリカ人ですが、亡お父さんがフランス人だった関係でもうパリ在住15年目くらいです。 彼とは本当に腹を割って音楽人生について語り合えます。 一年に一回会うか会わないかなのがお互い信じられないほど、 考えている題目が共通していて、すぐに話しが通じ合う。 色々な都合上、2時間半くらいしか一緒に居られなかったのですが、 「ピアノを弾く上でのインスピレーションと知識の量は比例するか、半比例するか」とか、 「演奏と練習のバランス」とか、ピアノ・トピックで物凄く盛り上がりました。 その後、学会(正式には今日が開会です。昨日の私の演奏会は前夜祭でした)の登録手続き。 参加者が一杯集まっていて、昨日の演奏会に来てくださった方や、お手伝いくださった教授などや、 その方々にまた紹介していただく面白い研究者たちが居て、楽しいひと時でした。 そのあと2時間ほど、ルーブルの周りを散策。 パリは凄い!本当に凄い! そして幼馴染の美知子ちゃんとチュルリー公園を歩きながら、 これも色々お話をしました。 観覧車にも乗りました。 パリは凄い!上から見ても、凄い! 19時からは学会開会のパーティー。 Hotel de Ville(パリ市庁舎)が会場で (中は金キラ金!彫刻がそこらじゅうにあり、装飾がそこらじゅうに施されている)、 ソルボンヌの学長が挨拶する、凄いものでした。 何しろ、参加者が1500人! そして20時からはAu Pied de Cochonでご馳走! ロブスターや、2種類の蟹や、2種類の海老などが蒸されたものを 物凄く一所懸命食べてしまいました。 幸せな一日でした。
-
昨日は何を食べたんだか… 朝はしっかりヨーグルトと黒ゴマ黄な粉のバナナ、日本から持ってきたインスタントの粉ポタージュにおとといの残りの全粒紛バゲットを落として、食べたのですが、昼と夜はカロリーメートなようなものを食べて済ませてしまいました。歴史ある大学街の日本舘での演奏会が18時開場で、兎に角それに向けて休養を取ることを先決にしたのです。朝は昨日の夜最後にやった通し稽古の録音を聞き、じっくりゆっくり確認練習をしましたが、午後はもう弾きたい気持ちをむしろ抑える気持ちでベッドで目を瞑り、ぐったりなまけもの、で過ごしました。 そして演奏会は、26日の美浜ホールでの最後のリサイタルに向けてまだまだ課題を多く残すものの、素晴らしい聴衆とインスピレーション溢れる会場に恵まれ、それに支えられれて、とても喜んでいただけた様です。聴衆は主に今回の学会「国際比較文学研究会」の理事たちとその家族、そして一般のお客さま。比較文学と言っても文学を他の芸術分野と比較する、と言う分野もあり、音楽にとても詳しい教授も沢山いらして、そう言う方たちが本当に優しく聴いてくださり、私はちょっと感動しました。私の演奏の前にスピーチをしてくださったユージーンと言う教授は「東洋の女性が西洋音楽を演奏して比較文学の我々を楽しませてくれる。自分の文化に固執しないで、目を外に向けることに意義を見出す比較文学の学会に置いて、そしてこれからの世界の未来に願って、なんと適切な象徴でしょう!」と言ってくださって、私はとても感動しました。 演奏の終わった後は私は興奮が冷め切らず、自覚するような空腹感が無く、今回の発起人のK氏や色々なパリ在住の日本人の方々と一緒に打ち上げがあったのですが、フォアグラや魚介類などを(美味しいな)と思ってつまんだのですが、やはり少なかったようです -今朝起きたら凄い空腹感! やっぱり緊張したようです。 今日は一日オフ! 学部生の頃の友達に朝会って、その後学会のレジストレーションと開会式に出席します。 Poco Pianoのエピソードのエピソード11はこちらをどうぞ。
-
今朝買った全粒紛のバゲットが余りにも美味しくて、嬉しくて、 朝食に半分も食べてしまって、でもまだ残り半分残っているのに、 練習に没頭していてふと気がついたらお昼時。 私の必食、ヨーグルトと果物をスーパーに買いに行こうと外出したら、 家から一つ通りを隔てたところに今朝バゲットを買ったのとは違うパン屋の前で 15人位人が行列をなしている。 パンを買うつもりは全然無かったのだけれど、好奇心は抑えきれない! 列が出来るのは、美味しいからか、安いからか、それとも両方か!? 3ユーロで小さなバゲットの中に野菜のマリネがはさんでいるのをゲット! 食べながら書いていますが、とても美味。 ちなみにヨーグルトとグレープフルーツとバナナと人参と安かったアヴォガドも 無事にそこからほんの一分歩いたところに発見したスーパーでゲットしました。 今朝の練習は快心! 久しぶりに一日を練習に捧げるつもりで、 そう言う日だけ達せられる没頭状態に入り込み、 あることに気がつきました。 私は博士課程総合試験の音楽史全般の勉強のため、 さらにこの前ブログ「『ピアノで奏でる東洋』を弾き終えて」で書いた様に 今回の選曲は初めてテーマのコンセプトが実際の曲に先立ちして行われたリサイタル、 と言うこともあり、 それぞれの曲を受け止めることばかりに集中して音楽に対して受け身になり、 音楽を使って自己表現する、したい、と言う積極的な姿勢を忘れていました。 音楽には作曲する、演奏する、そして聴く、と言う大きく分けて三つの関わり方がありますが、 そのどの行為に置いても受容する部分と、働きかける部分があると思います。 作曲ではそれまでの過去の音楽をどう受け止め、そしてそれに対して自分が何を書くか。 演奏では楽譜をどう読み、それをどう演奏するか。 そして聴く、と言う行為に置いては作曲され、演奏されて現実化した音楽に受け止め、 そこに自分個人は何を見出すか。 でも最近私は楽譜を読むことに一生懸命になって、 それを使って自分が何を訴えたいかと言うことに注意を払うのを忘れていたのかも知れません。 大発見!明日に向かって頑張ります。 (バゲット・サンドウィッチは完食!これからフルーツとヨーグルトを頂きます)
