タクシーの運転手
自分のつばを飲み込むにも苦労する程のどが腫れて、息も苦しい感じだったので、 朝一番で病院に行った。 ちょっと遠いクリニックだったけど、この際背に腹は代えられない。 タクシーに乗った。 自分の症状が不快で、不可解で、とても心細かったのだが、 たまたま当たったタクシーの運転手がとっても明るい人だったのだ。 東洋人の50代位の人だったのだけれど、 にこにこして、「さあ~、今日はどこまで!?」とポンポンはじけるみたい。 それから5分くらい走って 「あ、ミーター倒すの忘れてたよ!良かったね~、お金が少し節約できたね~、ハハハハハ」 とっても救われた。 どういう人がどういう理由でタクシーの運転手になるか分からないけれど、 フィリップ・グラスを始めとする沢山の作曲家も有名になる前はタクシーを運転したらしい。 自分の好きな時間に自由に働けるし、結構割もいいらしい。 芸術家、物書き、色々な夢を持った人が色々な人のドライヴァーをしている。 今日は色々な人に優しくしてもらった。 クリニックに予約を取るために電話したら 「それで?今日はどうなさったの?のどがはれて物が飲み込めない? あら~、それは大変ね~、かわいそうに。。。」 とすごく同情的なレセプショニストにも、救われた。 そして、抗生剤の注射をしてもらって、なんだかもう良くなってきているような気がする。 薬は食事と一緒に飲め、と言われたので、 スープを必死の覚悟で飲み込んだら。。。飲めた!