音楽人生

NY旅行は大成功でした!

今回のNY訪問は演奏家としても個人としても、大変充実した思い出深いものとなりました。 NYは私が13才渡米して最初に高校に通った隣接するニュージャージ州時代も数えると 2006年にロサンジェルスのコルバーン音楽院に入学するまで 私の成長期の全てを過ごした、私の第二の故郷です。 両親と妹が私が16の時に父の転勤に伴い日本に帰国してからは アメリカ人老夫婦の家にホームステーをして 週日は高校、土曜日はジュリアードに通い、 その後学部、修士、フリーランス・ピアニストとしてずっとNYで頑張りました。 ホームステイ先のニュージャージーの老夫婦は 友達などと話すとき私のことを「『娘』がどうした」とか、言います。 今では第二の両親のその老夫婦は今年90歳と79歳の誕生日を迎えます。 まだまだ元気で シーズン中はゴルフ、シーズンオフ中はボーリングをこなし 車も平気でどこまでも運転しちゃうし、家事も、ボランティア活動も精力的なのですが、 なんと言ってもやはり高齢。 先の年末年始は日本で過ごしてしまったので、 今回はゆっくり語らいあう時間を持てました。 私の成長を見守ってきてくれた色々な音楽愛好家や、スポンサーたちも 高齢化が進んでいます。 そう言う方々に私の博士課程の順調な振興と、演奏家としての成長を見ていただく、 本当に貴重な機会でした。 母は日本から、相方はヒューストンから、駆けつけてくれ、 この二人を、私のNYの大切なお友達に引き合わせる最高の機会でもありましたし。 演奏の機会は2回ありました。 一回目は東海岸に到着した翌々日の日曜日に行われた 音楽愛好家・兼スポンサー・兼私の応援団をもう20年近くやってくださっている もう親戚のようなご夫婦の個人宅で開かれました。 私は今年日本でも演奏予定の「ショパンToジャパン」の 予告編のような一時間のプログラムを披露し、 聴衆との質疑応答や意見交換を交わしながら、弾き進んでいく、 とても楽しい会に「参加させていただいた」と言う感じでした。 個人宅の気楽さ、聴衆がお互い知り合い同志と言う和気藹々さもありますが やはりアメリカ人のオープンさと言うか、 臆すること無く自分の意見や質問を提供して活発に意見交換をする、と言うのは 楽しいな~と、思います。 2回目は本当に久しぶりに協奏曲を弾きました。 しかも長年弾くことが夢だった、プロコフィエフの3番の協奏曲! 私は若い頃、協奏曲を弾く機会に本当に恵まれていた、と今になって分かります。 高校生時代からアマチュア・オケと弾き始め、 学部時代にはボリビア交響楽団とのボリビア国内ツアーで初めての演奏旅行。 また学校のオーケストラとバーバーの協奏曲も弾きました。 学部を卒業してからは、NYで「知る人ぞ知る」的存在だったJupiter Symphony Orchestraと 毎年2、3曲協奏曲を弾かせてもらい、さらにオケ・ピアノや、打楽器まで弾いたりしていました。 Jupiterは、「知られざる名曲」の演奏を提供する、と言う主旨で毎週演奏していたオケで 2001年に創始者と指揮者であったジェンズ・ナイガード氏が亡くなってからは 室内楽シリーズになってしまいましたが、ここで得た経験とレパートリーは大きかった。 めったに演奏されないラロやゴダード、Donald Francis Toveyのピアノ協奏曲や ドビュッシーの「ピアノとオケのためのファンタジー」、 レスピーギの「Concerto a cinque」などなど、沢山の曲を演奏させていただきました。 […]

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ホームコンサート。

今日は16年来お世話になっている、 若いクラシック音楽家たちを積極的に応援している夫婦のお家で ホームコンサートを開きました。 今までも4回くらいこういう演奏の機会を頂いています。 いらしている20人位のお友達の多くが前の演奏会に来てくださったり, このお家で開かれるパーティーでお会いした親戚の方々などです。 「私は演奏会と言う者は演奏者と聴衆が音楽を通じて一つの時空と思い出を協力して創り上げる、 そう言う会にしたい、と思って演奏活動をしています。 質問、コメント、なんでもシェアしてください」 と言う私の呼びかけに、一曲目を弾き終えたところから、 暗譜の是非・私の博士課程に関してなど音楽一般に関してから 革命のエチュードに対する感動のコメントなどなど。 積極的に沢山の方々がコメントしてくださり、 本当に音楽を通じて一つの時空と体験を共有する会と成りました。 今日、音楽はどんどん簡単にアクセス・配布・流通できる物になりました。 ありがたみは減り、「使いすて」のように扱われてしまいます。 そう言う文化の流れの中で、生演奏の大切さと言うのは反比例して増徴していると思います。 ただ、それを認識してもらうのが難しい。 その為にはこう言うお互いの息の音がはっきりと聞こえる小さな会で 会話をしながら音楽会をする事の意義と言うのは計り知れない、と今日思いました。 とても嬉しい交流でした。

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大変お久しぶりです!近況報告

「忙しい」と言う言葉は嫌いで(心が亡くなるなんて…)なるべく使いたくないけれど、 それ以外にブログ更新を怠っていた申し訳が付きません! いや~、実に忙しかった! しかし、その結果色々嬉しいご報告が出来ます。 まず、今私はNYに居ます! 他にも非公開の演奏をするのですが、今回の一番の来訪目的は 3月24日に演奏するプロコフィエフの3番の協奏曲。 共演するオーケストラはSpectrum Symphony。 NYの一匹狼的音楽家が寄せ集まったつわものぞろいのオーケストラを 私の15年来の友達、David Grunbergが指揮します。 詳細はこちら! http://spectrumsymphony.org/concerts/ さらに、「予告編」のYoutubeはこちら! http://youtu.be/jbfSYmmoSpo それから、私のブログをずっとお読みになってくださっている方は覚えておいででしょうか? 2010年の夏、タングルウッド音楽祭にて Augusta Read Thomasと言うアメリカ女流作曲家の第一人者の 「Traces」と言うピアノ独奏曲を演奏し、 作曲家にも聴衆にも大変喜んでもらったことがありました。 彼女の全作品の録音集が今回発売となり、その第一巻に私のTracesが収録されました。 http://www.wyastone.co.uk/augusta-read-thomas-selected-chamber-piano-works.html 大変光栄です。 最後に! 博士課程で論文前の最後の難関、言語試験。 私はフランス語で受けましたが、これが晴れて合格!!! いや~、感無量。 これで私の大學での地位は「ABD」と言うものになりました。 ABD=All but Dissertation(論文残してすべて終了)と言う意味で、 まあ、「半分博士」みたいな、結構門出、です! 祝! もうこれで、私は一生学校の試験を受けることは無いのです! 祝!祝!

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空港にて

人生変動の、多忙の時に在って、 突然、とある空港でぽっかり生まれる予白の5時間。 ずっと押せ押せになっている博士課程論文前の最後の義務である語学試験の勉強をしなければ、 と思いつつ、久しぶりの一人の時間が愛おしく、 教科書を食卓にふせて、しばし物思い。 空港、と言うのは不思議な場所だ。 人生が一時停止になる。 移動が苦手で、大変な才能に恵まれながら演奏家の人生をあきらめる友人も見てきた中で、 人が感心するくらい移動時間に愛着を覚える私は やっぱりこういう人生に向いているのだろうか。 久しぶりに自分の息が聞こえる。 同じく移動中の、多様な老若男女が、 一方ではかきこむように忙しく、また一方では明らかに時間つぶしに悠然と食事を取る空間で 久しぶりに自分の脳みそから言葉を取り出して、形にする。 ああ、しばらくちゃんと練習してないな。 やっぱりこういう時に恋しくなるのは、ピアノと物書きのようである。 さあ、フランス語の勉強!

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ヒューストンです!ちゃんと生きてます!

ご無沙汰しています。本当にブログ更新を怠ってしまいました。 まだ三が日が明けないうちにヒューストンに帰って来ていたのですが、 日本での沢山の思い出の消化と整理、 そして必修が全て終わり、事実上「学生生活」を終了した私の新しい人生の一歩を踏み出す準備で いささか時間を取られてしまいました。 取りあえずの私の目標は三つです。 1.論文以外には唯一残っているこの博士課程のためのハードル:言語テスト。 イタリア語、フランス語、ドイツ語の一つを選んで、 与えられた文献を決められた時間枠の中で英語に訳します。 私は高校生時代にイタリア語を二年間勉強し、 学部生時代にはドイツ語を1学期勉強した後ドイツで1ヶ月滞在する機会に恵まれました。 でも、今回この言語テストであえてフランス語に挑戦することに決めたのは この7月、そして10月と2回続けてパリに行く機会があり、 また今年の秋に訪れる予定が決まりつつあって、 こう何回もお邪魔しているのにいつまでも「フランス語喋れません」じゃ恥ずかしい! と言うことで一念発起して今フランス語と格闘しています。 2.演奏活動を増やす! 博士課程の勉強中は学校に集中して演奏の機会を増やすための働きかけは勿論、 時には練習さえ後回しになっていた3年半でしたが、 総合試験が終わった今、演奏に飢えていた自分を発見!! 目下練習中は3月24日にNYでSpectrum Symphonyと共演する プロコフィエフの協奏曲3番。 それからこの夏の日本でのリサイタル・プログラム「ショパンToジャパン」。 さらに、オーディションに晴れて受かって テキサスのNPO「Texas New Music Ensemble]なるグループの 正式ピアニストに成りました。 テキサスに関係ある現代作曲家の曲を集めて演奏会をすると言うグループです。 テキサス州は、そう考えてみると広い! 広大! ヒューストンを始め、ダラス、フォート・ワース、オースティン、サン・アントニオなど それぞれの都市にプロのオケがあり、 テキサスに関係ある作曲家のリストはエンドレス! 小さな国よりずっと大きなテキサス州にこういうNPOがあるのは当然かも知れません。 アンサンブルのメンバーもテキサスの主要都市色々からオーディションで選ばれたつわものぞろい。 ヒューストンメンバー(4人)の顔合わせは今週末―楽しみです。 3.論文を書き始める。 あんなに熱情を持ってプロポーザルを準備し、意気込んで提出した 「暗譜の歴史と是非」と言う議題ですが、 私の悪い癖でどんどん議題から離れてもっと一般的な広大なトピックの文献を漁ってしまい、 いつの間にか「歴史上の記録と記憶の反比例」に読んでいる文献の題目が摩り替わっていました。 いかん、いかん。 また集中しなければ。 そして、読んで感心しているだけでなく、ちゃんとノートを取って情報の整理を始めなければ。 反省、反省。 と言う訳でこれからも張り切って頑張りますよ!

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