1Q84上巻

昨日の夜は演奏会の打ち上げで、就寝は1時を過ぎてしまった。東海岸と西海岸の時差は3時間、東海岸の方が早い。つまり、私は一昨日だったら朝の4時に就寝したことになる。とても楽しかったけど、朝9時に起きた時はちょっと疲れた感じで、練習をしようかなあ、とちょっと思ったがすぐあきらめ、午後半ばまでかかって1Q84上巻を読破した。(途中何回か昼寝をちょっとずつした)。 村上春樹はアメリカでも凄い話題の作家だ。1Q84の英訳はまだ出ていないらしく、まだこちらの友達とこの小説の話しが出来ないのが残念だ。私は6年前、「ねじまき鳥クロニクル」を全3巻を2日で読破してからしばらくの間村上春樹フィーバーに陥り、村上春樹の作品はほとんど全て読んだ。しかし、食傷気味になる位一人の作家、特に個性の強い彼の様な作家を読み続けると色々なパターンが見えてくる。そして私は「村上春樹は偉大な作家では無い」と言う結論をその段階で出した。これは遠藤周作の「偉大な作家と云うものは優れた異性のキャラクターを描ける人だ」と云った、その基準によるものだ。これまでの村上春樹の作品では女性のキャラクターがいつも似ていた。ミステリアスで、何らかの不思議な超自然的な力を持ち、そして主人公が近付きたいと強く願ってもなぜか近づけない。もう一つの村上春樹の女性キャラクターの特徴は、彼女らの視点と云うものが欠如していることだ。ドラえもんのしずかちゃんもその例の一つだが、例えばしずかちゃんの視点からドラえもんの話を語ることは不可能なのだ。何だかとても僭越な書き方をしてしまったが、村上春樹はある意味、在るグループの人々にとっては日本の象徴だ。ジュリアードの作曲科の学生(勿論アメリカ人)の一人はねじまき鳥クロニクルに感動のあまり、「ねじまき鳥クロニクル」と言う三部作から成るピアノ曲を書いてしまったくらいだ。私は村上春樹を始めとする日本を肩に背負うような日本人には本当に頑張ってもらいたいし、もっともっと凄くなってもらいたい。だから厳しく批判的にもなってしまったりするのだと思う。(ちなみにドラえもんもアメリカで凄い売れている。日本語の教材に使われたり、英訳のドラえもんも沢山出ている) しかし、今度の1Q84では、女性が主人公で、そして色々な女性キャラクターがふんだんに出てくる。そして皆、凄くはっきりとした人格、視点、そして物語を持ち、男性はそれに比べてこの作品では少し影が薄い。図書館の手違いで、下巻がまだ届かず、上巻だけではまだ何とも言えないが、私は本当に今日はとても触発された。村上春樹はこんなに有名になって、こんなにもてはやされて、それでもまだまだ作家として成長、自己開拓をしている。 すごいなあ、と思う。 夜はチャンと練習しました。

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