みなとみらい終了!ありがとうございました。

昨日の13時半開演で、「ショパンToジャパン」の独奏会をして参りました。 ピアノもホールも良く響き、 (ああ、良いホールで、良いピアノで弾くって、そう言えばこういう感じだった!)と リハーサル中は至福のときでしたが、本番は思わずあがってしまいました。 リハーサル中は問題なかったヒールが、ひざが震えてバランスが取りにくく、 ペダルを踏むのが困難になって、途中で脱いでしまいました。 それでも、ホールがピアノに共鳴するのは本当に気持ちよく 気持ちよさに浸るのと、「あがり」に襲われる、そのせめぎあいで 私の中の葛藤はかなり忙しく、時に音楽がおろそかになったのではないかと危惧しますが、 自分では明らかなミス以外は判断のしようが在りません。 でも、録音聞くのも怖くて本当にいやなんだな~。 でも、そんな中、父がお世話になっている同僚の方のエピソードが私を和ませてくれました。 この方は前半の途中に会場を飛び出してきたそうです。 受付をずっとやってくれていた父(どうもありがとう!)が 「どうしました!?」とお伺いしたところ 「ショパンが良くって血が騒ぐ!花を買いに行って来る!」 と言って、走って行ってしまったそうです。 非常に立派な花束に付けられたカードには 「誠に、実に素晴らしいピアノを聴くことができました。 気づいていましたら日比谷花壇を探していました」 と、書いてありました。 私はこのエピソードはずっと忘れません。 これから一生、心の宝、勇気の素にさせていただきます。 「Beauty is in the eye of the beholder(美は見る人の目の中にある)」 と言う言葉に付いて、考えさせられます。 私はもっと委ねる、と言うこと、託す、と言う気持ち、信頼すると言う姿勢を持たなければ。 一度解き放った音楽は、もう聴き手の物なのです。 私は正直に、一生懸命、ピアノと音響と音楽と聴衆の聴く心を信じて、 ただもうそこにある音楽を解き放ち、音楽世界を広げるのが、 ピアニストとしてのお仕事なのです。 それ以下でも、それ以上、でも無い。 もっと謙虚に成ろう。

みなとみらい終了!ありがとうございました。 Read More »