難しいから価値があるんじゃない。


「元気だな~。何か、運動会みたい。
よく弾けてるけど…まあ、これから尼寺にでも行って苦労して来て」
「あとは失恋をすれば、音楽に厚みが増してくるわね」
成長過程でこういう「苦労をしろ」「不幸を知れ」的アドヴァイスを沢山受けたせいだろうか。
私はなぜか、人生においても練習や選曲においてもいつもチャレンジばかりを好んできた。
最近、やっと開眼。
難しいから価値があるんじゃない。
苦労の結果が賞賛に値するとは限らない。
好きなことを素直に好きと喜ぶ簡潔さ。
簡単なことでも心を籠めてこなすことの美しさ。
単純でも喜びを伝達して分かち合うことに心を砕く優しさ。
幸せになりたい。
音を楽しむ喜びを謳歌したい。
音楽を分かち合うことを、世界中に浸透させることを目指して、夢見て
毎日にこにこしながら練習し、演奏会場に足を運びたい。
この場で銃殺された方が楽だ、と思うようなステージの緊張と戦った時代もあった。
「難しい」とされる曲ばかり次々と演奏した時期もあった。
でもこれからは、ちょっと視点と方向性を変えた音楽づくりをしようかな~、
と、考えつつ、もうすぐまた人生一つの節目。