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心のこもった贈り物

私自身は気が利いた、心や工夫や思いやりの詰まった贈り物をするのが苦手で、 でもその分、贈り物が上手な人に憧れて、自分もそうなりたいと思う。 私のヒューストンの心の友、佐々木麻衣子さんは 私に「素敵な贈り物が出来る人」の素敵さを教えてくれた人だ。 私たちが知り合ってから最初の私の誕生日に、 ヒューストンに移り住んで間もなかった私のために 私の顔写真を大きく入れたデザインを施した名刺をプレゼントしてくれた。 それから毎年、私が思いつきもしないような、でも適切で本当に思いやり一杯の 忘れられないプレゼントを毎年してくれる。 一番感激したのは、菜食主義だった時にプレゼントしてくれた豆乳メーカー。 実はその数年前、麻衣子さんが同じ機械を恩師にプレゼントするのを見て 「何て素晴らしい贈り物なんだ!」と褒めたたえていたのだ。 それを覚えていてくれたのと、特にその時菜食主義だった(一年坊主で終わったが)私に 「ちゃんとタンパク質もとってね」と言う愛情がこもったその贈り物に 私は今でも思い出す度に感激する。 私の直接の友達では無いのだが、 家族ぐるみのお付き合いを何十年もさせていただいているNさんには 人生を好転させるような贈り物を何回もしていただいている。 一番大きかったのは、13歳の時。 すでにNYに赴任していた父を引っ越し手続きを済ませて追う母と妹と私に それぞれ一つずつ、クリスチャンのNさんが「幸運のおめだい」をくださった。 成田行きの電車が出る駅までお見送りに来てくださった時の事だ。 成田までの電車の中で「幸運のおめだい」の説明書きを読んだ私は、その時決めたのだ。 「これからある時諸々には不快な事も不可解な事も困難な事も沢山あるだろう。 でも、私にはこのおめだいがあるから、すべてが意味がある、結果的に良い事になる」。 私は特にどの宗教の信者でもないし、 歴史的に宗教は悲惨な戦争や迫害を沢山引き起こしたと思っているけれど、 でもこの頂いたおめだいに、信じることから来る強さを教えてもらい、今でも実践している。 今年私は修士時代からの私の心の友のKさんにオークヴィレッジの夫婦マグを頂いた。 オークヴィレッジは「百年かかって育った木は百年使える物に」と 「環境との共生を目指したモノづくり」をモットーにしている1974年創設の会社で Kさんのご実家の家具はすべてここで買われたそう。 (オークヴィレッジ:https://www.oakv.co.jp/) ここの漆器のマグをお祝いに頂いて、その箱の中に入っていた説明書きで初めて 陶器をチャイナと言うように、漆器は英語で「ジャパン」と言う事をしり、 漆を塗る技術と言うのが縄文時代から培われて来た日本特有のものである事、 その漆から取られる天然塗料は他のどんな塗料より耐久性に優れていること、 漆塗りの工程、漆の器の使い方、そして漆塗り直しのサーヴィスについて知った。 日本人である事を改めて誇りに思い、この贈り物を長く、幸せに使おうと思った。

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これからの演奏に向けて練習作戦!

私は物欲や金銭欲と言うのは、ほとほと無い。 家族が心配するくらい、そして友達が疑ったりあきれたりするくらい、無い。 でも、時間とエネルギー言うのに限りあるものだ、と言う事は痛感している。 この時間とエネルギーをいかに効率よく有効利用するか。 時間とエネルギーで面白いのは、 私の経験から言うと、 使うから無くなる、と言う類の物ではなく、 上手く勢いに乗って有効利用している状態になるとどんどんアクセスしやすくなる、 惰性の力が物凄いものだ、と言う事。 この「乗った状態」と言うのは物凄い快感。 ぎりぎりの所で頑張って、そして信じられない量の良い仕事をこなしてしまった時の 非常な満足感・達成感と、そこから生まれる次への意欲と自信。 これをどんどん、どんどん培っていきたい!と言うのが私の野心。 と、言う事で今午後の3時。 朝のレッスンと昼の会食と諸々の用事を済ませ、 これから就寝までは、全て練習に捧げられる、贅沢な午後・夜。 これからの演目を書き出して、今日これからの6時間ほどの練習作戦を練り、 いかに効率よく「乗れる」か、そしてこれからの勢いを作り出せるか、 ブログに書き出しながら考えてみる。 5月21日のブログに書いた「本番当日の覚書ーChin Up!」で書いた、 上体を起こし、 耳をピアノから遠ざけホールの音を聴き、 目線が天井に向く姿勢で弾く、 あれは本当なのだが、アレには落とし穴があった。 重心が上がってしまうのだ。 5月7日に発見したあれで5月7日はうまく行ったのは、 椅子がスタインウェイの私の座り慣れたどっしりした椅子だったことと、 5月7日は私自身がもう少し落ち着いていたから。 しかし、5月21日にはあまりの新曲と演奏会の多さに、 自分に落ち着きが欠けていて、それで上体を起こそうとしたときに 重心が浮き、上体が浮いて、結果不安定になり、焦った。 今日の練習は、上体を起こして胸を張った姿勢を保ちつつ、 丹田を意識し、重心をしっかり下げ、お尻をどっしり落ち着け、呼吸を深くする。 そうしながら、6月4日、6月14日と続けてある新曲の譜読みをし、 技術的難度の高さを見極めて練習の優先順位を頭の中ではっきりさせる。 同時に、曲の大きな構築・構成を見極め、それぞれの曲の大体のイメージを把握する。 さらに、新曲ではないけれど、6月4日、14日、 そして日本(6月19日、21日、22日、25日ーみなとみらい、30日、7月8日)で弾く 「『クラシック』って何?!」のソロ曲をしっかりと掘り下げ、 今までの演奏で成功した点、失敗した点からしっかり学び取り、 どんどん高上させる。 下にこれから練習する曲目を書き出します。 曲名の右の数字は練習の優先順位。 かっこの中は今日のこれから6時間缶詰でする練習の中でその曲に使える分数。 (この分数が無い物は今日の練習では割愛) 鍵かっこの中は練習時の注意事項。 6月4日「『クラシック』って何?!」in Houston、3回目「民族音楽に憧れて」 ①.新曲!バルトーク「コントラスト」(3楽章:一時間) 「録音を一か所一か所聴きながら、部分を把握し、全体像をつかむ努力をしながら、難所パッセージを解読し、指使いを決め、ゆっくりかみ砕いて消化していく根気強い練習」(60分) 「60分3楽章を練習して見て:この曲はリズム感が一番大事だ。指揮者になったつもりで、セクションごとのテンポの変化と、セクション内でのリズムの安定、それから音楽の方向性をしっかり見極める。214小節から230小節まではこれから毎日メトロノームを使った地道な練習が必要。数あるグリッサンド、それぞれに音楽性とそのセクションに見合った性格を持たせて。」 「30分一楽章を練習して:3楽章よりは全然技術的に簡単。ホッとする。この曲の民族性はどこにあるのか?ピアノは民族音楽とは程遠い楽器だ。そのピアノでこの曲をどのように弾けば、民族音楽風を演出できるのか?ユーモアとタイミングと、ピアノの常識に囚われない解釈。頑張る」 「2楽章を聞いて:う~ん、これを一般のお客様に楽しんで頂くのにはどのようにお届けすれば良いのか?もっとこの曲の背景とバルトーク自身に関する勉強が必要。」 新曲!ブラームス「ハンガリアン舞曲5番」ヴァイオリンとピアノのための編曲 byJoachim

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物を捨てる勇気

6日間、NJに居た。 私のアメリカン・ファーザーのエドが亡くなり、 アメリカン・マザーのジョーンが家を売りに出すにあたり、 25年間保管していてくれた私のピアノや物を片づけに行ったのだ。 本やCDは、友達が制作や執筆したもの以外は全て寄付した。 服は、これから演奏会で着れそうなドレス以外は全く執着無く捨てるか寄付した。 ピアノはヒューストンに動かす手配をした。 ピアノの次に大事なのは、約20年分の日記、演奏したプログラム、 推薦状やその他大事な人々との交信の記録。 昔は航空便箋でびっちり書いた。 そう言えば、そんな時代もあった。 日記は、嫌な事が続いた時期は私の字が縮こまっている。 逆に勢いづいている時は大きい。 そんな観察も面白く、始めは荷造りは遅々として進まなかった。 何を捨てるか、何を保存するか。 その決断の基準に、 今沢山読んでいる19世紀の交換文書とか、日記とかを反映させている自分に気が付いて 面白くなった。 私の手紙や日記をいつか面白く読む人がいるのだろうか? あるニューヨークの音楽愛好家の弁護士、George Templeton Strong(1820-75)が 律儀に15の時から2,250ページにわたって記した日記が その当時のニューヨークの音楽界を知る上での重要な資料となっている。 (勿論言及は音楽の事だけではなく、南北戦争などの記録としても重要)。 私の日記も今では間遠になったりもするが、 特に若いころはかなり熱心に書いていた。 ブログと日記は随分違う。 コンピューターでタイプをするのと、鉛筆で紙に手書きするのも多いに違う。 蜘蛛の巣と格闘したりもしながら、 自分の手書きに読みふけったり、 子供の頃の楽譜を眺めたり、 何だか感慨深い一時だった。  

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メアリーポピンズ、ありがとう!

メアリーポピンズは、子供のころに家族で一緒に見た。 子供のころ、そう言えば両親は教育的だと思われる映画を小まめにヴィデオに撮ってくれ、 週末にみんなで一緒に見た。 楽しい思い出だ。 ついでに子供にふさわしくないと思われるキスシーンや、暴力シーンは 早送りされ、私の想像力を多いに書き立てた。 メアリーポピンズは元々子供用だから、早送りの必要は全くなかった。 先日、思い出してYouTubeで見てみた ジュリーアンドリュースの歌う「Spoonful of Sugar」。 お部屋のお片付けを嫌がってぐずる子供たちに 家庭教師として雇われたメアリーポピンズが 「どんな仕事にも楽しさは隠れている。 その楽しさを見つけることさえできれば、知らない間に仕事は終わっている」 と諭して歌う、歌である。 多忙でも、楽しみ気持ちと笑顔を忘れずに! このヴィデオは素晴らしい!

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スペイン三日目:旅は道連れ。

くたくたの私たちが今朝起きたのはびっくり9時半! 大慌てで支度をして、ClarinetFest最終日に駆け付けたのは 10時半から私たちが今シーズン何曲か演奏するMarcus Maroneyと言う作曲家の演奏を聴くためです。 ヒューストン在住の作曲家。 ホテルに帰ってきて私たちを元気づけてくれたのは、朝食です。 2日前に買ったチーズは毎日食べるたびに感動するおいしさ。 そしてチーズに合わせて買った、そのときはまだホカホカだった、 生地を発酵させてから焼くパンは 毎日味が変わり、その味の深さと進行振りは、私たちの会話を盛り上がらせます。 果物、昨日買った、いかにもスペイン!サングリア・ティー。 すべてがやっぱり素晴らしく快活! (そう言えば、昨日はモヒト・アイスも食べたのでした。おいしかった!いかにもスペイン) 元気づいた私たちが繰り出したのは、観光スポットEl Rastro. 要するに毎週日曜日の蚤の市。 スペインのお土産が買えるかも。。。と言う当初の期待は即却下。 特にスペイン色が強い品物がある、と言う訳では無いのですが、 「これ、代々家族で使ってきたでしょう!」みたいな 清潔さがちょっと疑問のナイフやフォークから 工芸品、装飾品、アイディア商品、金具、ポスター、アンティーク。。。。 生活臭する面白いものが、何ブロックにも渡って所せましと出店に並べられています。 一般的な極彩色的な色使いから、 お客さんや店番の服装、 彼らと交わすカジュアルな挨拶や目線、 そのすべてが楽しい。 そんな中私のハイライトは二つ。 一つは5人組の音楽家の大道芸に遭遇したことです。 https://www.facebook.com/maiko.sasaki.7315/videos/vb.628617104/10152908942517105/?type=2&theater&notif_t=mention # 100人近い聴衆に輪車に囲まれた彼らは、受け狙いのツボを心得て みんなを笑わせ、虜にして、自分たちも本当に心から楽しそうにカメラ目線を送ってきます。 私たちは本当に楽しい旅の思い出をもらいました。 でも、そんな彼らのパフォーマンスや音楽がちょっとうらやましい反面、 そういう音楽は私の拠り所、バックボーン、『道』にはなり得ないと言うことも分かる。 人生、紆余曲折を経験すればするほど、 私は自分の音楽がいかに私の人生と価値観と信念を助けてくれているか、 いかに文字通りの拠り所になっているか、感じ入ります。 どうして、ああいうみんなが大笑いして、大好きで、楽しい気分に瞬間的になれる ああいう音楽じゃ、それがかなわないんだろう。 そういうお話しを麻衣子さんとしました。 麻衣子さんとの友情も、私のバックボーン、拠り所、私の成長の『道』です。 そんな麻衣子さんと、お揃いで面白いお洋服を買いました。 ヒューストンで10月に予定している凱旋公演でお披露目します。 見たらきっとみんな今日の私たちの楽しい気持ちを感じていただけると思います。 ファンド・レイジングにご協力くださり、今回の私たちの旅行をかなえてくださった皆さんに、 私たちの気持ちです。 お楽しみに

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