嬉しい事ゾクゾク、中間報告

私は日本語の本を読む事も日本語で文章を書くことも大好きで、意識的にはとても日本人のつもりですが、やはり20年もアメリカで暮していると、少し感覚的なずれが出てくる事はしょうがないようです。その一つに、とても嬉しい事が在った時、どうやって表現するか、と言う事が在ります。アメリカなら、他の人を褒めるのも大げさですし、自分に自信を付けると言う意味でも自分に起こった出来事を肯定的に表現する事は奨励されます。でもこう言う行為は日本では少し謙遜の美徳と相反する様で、私にとってこのギャップは苦労する事の一つです。でもこのブログは私の家族や、支援してくださっている方々への、活動の報告と支援への御礼、と言う意味も在るので、少し多めに見てください。 日曜日の朝演奏したアウグスタ・リード・トーマスの"Traces"と言う曲の演奏がとてもうまく行きました。準備の段階から作曲家にはとても喜んでもらえて、彼女が多いに宣伝してくれたので、色々な方が聴きに来てくださいました。朝のコンサートの、しかも前半の2番目と言う順位だったにも関わらず、それから現代曲には珍しく、聴衆の多くが立って拍手して下さいました。作曲家に本当に喜んでもらえて「自分の書いた曲をこんなに熱のこもった演奏で生で聴けるのなんて、一生に何回も在る事では無い。本当にありがとう。」と涙ぐんで言ってもらえて、私もちょっとうるうるしてしまいました。彼女が、私がこれから行くヒューストンの色々な知り合いに色々お手紙を書いてくれて、ヒューストンでもこの"Traces"の演奏が実現しそうです。それから、この曲をチャンと録音するために今作曲家と、色々検討中です。 お客さんの反応と言うのは本当に正直なものです。上手く行かなかったときでも、皆とても優しいし、丁寧だから、一応ご挨拶くださって、褒めてくださるのですが、本当に上手く行った時には、全然反応が違います。私は来てくれていた沢山の研修生から沢山、沢山ハグをもらいました。そしたら、チケットもぎりのボランティアの人とか、顔見知りだけどあんまり知らない人も「私も」、「私も」とハグをしに来てくれて、しまいには、全く知らない聴衆の人までハグしに来てくれました。「私は1948年から有望なタングルウッドの研修生のサインを集めている。バーンスタインが生徒だった時、彼のサインももらったし、小澤征爾のももらってある。あなたのも下さい」と来てくださったおばあさんもいましたし、それからシンガポールに駐在なさっていて休暇でタングルウッドに遊びに来ていた日本人のご家族と記念写真を取りました。娘さんはピアノを弾かれるそうです。頑張ってね。 オペラの演奏も上手く行っています。ドホナーニはリハーサルの最初は本当に厳しくておっかなかったけれど、ここまで来たら本当にさすがに流暢で、熱意のこもった、しかも従いやすい指揮です。そして褒め言葉も笑顔も惜しみません。皆で一緒にやって来て良かったなあ、と言うムードが出演者全般に漂っています。そして昨日は「皆頑張ってくれてありがとう、御苦労さま」昼食会がタングルウッドのスポンサーで開かれました。サンドウィッチくらいが出るのかと思ったら、チャンと給仕の居る、レアのステーキとかがでる、とても美味しいお食事で、しかもなんと、ヨーヨー・マとか、エマニュエル・アックスとか、ジェームス・テーラーとか、有名人が沢山、沢山出席して、皆と一緒にお食事して款談して、写真を取ってくれたのです。私はエマニュエル・アックスと一緒のテーブルに座りました。アックス史はとても柔らかい物腰で「皆キャリアの事では色々大変だと思うけど、自分の才能を信じて、頑張って」的なお話をゆっくりしながら、クッキーを「奥さんには内緒にしておいてね」と三つくらい食べてしまいました。(奥さんは日本人ですが、このブログは読んでいませんように) そんなわけで、上手く行っています。今日も二つ演奏が在ります。楽しみです。

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