August 2010

ライス大学賛歌

今日はとても忙しい日でした。 まず、9時25分からクラスが在りました。 同じ時間に私が興味が在るクラスは二つ在って、まだ登録していないので今日は試しにどちらに行こうか迷っていました。一つはピアノ・テクノロジーと言うクラスです。ピアノと言う楽器の製作技術、各部品の楽器の中での機能、手入れ、色々なメーカー、などに関する一般的な知識を学ぶクラスで、ライスのピアノ調律師から学びます。もう一つは「マインド・ボディー・コネクション」と言うクラスで、プレッシャーが強い場面で脳みそと身体がどういう風に機能しているか学ぶ事によってよりよい演奏ができるように目指す、と言うクラスです。ヒューストン・オペラの主席オーボエ奏者が教えていますが、ゲストとしてお医者さん、色々な科学者、心理学者などがレクチャーをしに来ます。ピアノ・テクノロジーに今日は試しに行こうと思っていたらば、先生が来なかったので、マインド・ボディーに行きました。とても興味深いトピックです。 12時からは博士課程一年目の生徒の為のクラス、「ドクロラル・セミナー、キャリア・スキルズ」と言うクラスが在りました。まず、なぜ博士号が欲しいのか聞かれました。4人とも、大学レヴェルで教えたい、と言う事が判明しました。このクラスはそれを想定して、大学へのポジションをゲットするために必要なテクニックを身につけるクラスです。まず、自分で自分を録音(ちゃんとマイクの位置の設置や、録音器具についても学び)して、それを編集する技術を身につけます。それから履歴書の書き方や履歴書に付ける手紙の書き方を学び、その後、偽面接を受けます。偽面接は電話でのインタビューと、本当の面接2回が在って、全てはヴィデオに撮られ、反省会が在ります。 その後、「性格診断」のテストを三つ受けます。自分がどう言う環境に適しているか、どう言う条件の中で最大の力を発揮できるか、どう言う人と上手く協力出来るか、自覚する為のテストです。最後の六週間は自由研究。自分のキャリアに役立つ事を何でも一つ決めて、それを成し遂げる。ホームページを作っても良し、自分の演奏をヴィデオ録画してYoutubeに流しても良し、簡単なデモCDやデモDVDを作るのでも良し。今日はクラスの説明会でしたが、一番最初の録音のプロジェクトと、最後の自由研究の為に、音楽学校のビルの外に在るテクノロジーのビルに見学に行きました。凄い!ライスの生徒は誰でも録音器具一式、それから最新のヴィデオ・カメラをいつでも無料で3日間借りだせるのです。一学期何回借りだしてもかまいません。そして音源でも、画像でも編集したかったらやり方を教えてくれるスタッフが常備しています。特別に音楽学校の生徒用にオーディションCD,オーディション・ヴィデオの作り方を学ぶワークショップも在るのです!全部、無料!!! 私はコルバーンで恵まれている、と思っていましたが、総合大学、しかも資金面で恵まれている総合大学にこんな特典が在ったとは!本当にアングリしてしまいました。 それから、私がライスに来た本当の理由、ここの指揮者のラリー・ラックレフが私と他数人の為に「オケの総譜の勉強の仕方」と言うクラスを教えてくれる事になりました。Larry Rachleff はライスではとても、とても尊敬されていて、このクラスの説明の為に私がラリーのオフィスの前に立っていると、他の生徒が「え!ラリーと約束が在るの?へ~」と羨望のまなざしで見てくるほどです。ラリーは素晴らしい指揮者である他、とても多忙らしいので、彼がこのクラスを教えるのは特例らしいです。ラッキー!! 5時からは初めてのレッスンが在りました。今まで私がコルバーンで就いていたジョン・ペリー先生は放任主義と言うか、個人主義と言うか、兎に角それぞれの生徒の個性と成長の過程を大事にし、大きな哲学に関する提言以外は細かい事は一切言わない先生でしたが、今度のロバート・ルー先生はとても丁寧で細かい先生です。でも言っている事が一々納得できるので、とても良い音楽家なのだと思います。 そんなわけで、今日はびっしりとスケジュールの詰まった一日でした。

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クラスが始まりました。

今日はライス大学で新学期が正式に始まる日でした。 まだ正式にクラスへの登録が済んでいない人が多く、色々未定で宙ぶらりんですが、 新入生にとってはやはり気持ち新たになる日です。 私は自転車に乗って(今日は転ばず)スイスイと登校しました。 が、ロング・スカートをはいて自転車に乗ると、 どうしても風でスカートが膝上までめくれてしまう事が判明しました。 折角新学期でオシャレをしたのに。。。しょうが在りません。 朝は練習。 ライスの練習室は防音がしっかりしていて、とても集中できます。 午後は今日は一つだけクラスが在りました。 博士課程必修の「ピアノ教授法」と言うクラスです。 修士の生徒と一緒のクラスですが、博士課程の私とV君だけ宿題やプロジェクトが多いのです。 クラスの後はacademic adviser との個人面談が在りました。 これから私が博士課程の勉強を進めるにあたってどう言うクラスをいつ取り、 どうやって博士課程の最後に在る口頭と筆記の試験、さらに論文に備えるか、 と言う事に気を配ってくれる人です。 今学期取るクラスの選択に付いて色々協議しました。 その後は、クラス登録や、色々な事に関して色々なオフィスに行きました。 ライスのキャンパスは大きいので、図書館にコンピューターを使いに行くのも、 ちょっとランチを買いに行くのも、オフィスに用事を足しに行くのも 3分、5分、8分と外を歩かなければいけません。 カンカン照りなので、出来るだけ日陰を探してジグザグに歩いて行きました。 ライスのキャンパスはとても美しいのですが、 もっと大きな木を沢山植えたほうが木陰が出来て良いと思います。 夜は下宿のおばさんに運転してもらって食糧買い出しに行きました。 果物、野菜などを沢山買って来ました。 これで、何の心配も無く学期が始められます。 下宿のおばさんはとても陽気なペルー出身の科学者で 味見の食品を沢山食べてニコニコしていました。 私もつられて味見のおかわりをしてしまいました。

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自転車を購入!

今日はチャイナ・タウンに行きました。 横浜のも、ニューヨークのも、フィラデルフィアのも、ロサンジェルスのも、ロンドンのも、ヴァンクーバーのも、チャイナ・タウンは皆ゴミゴミと混み合っていましたが、ヒューストンのチャイナ・タウンは普通のアメリカのショッピングセンタ―に中国系のお店が入ったところが沢山、沢山ある、と言う感じで、ショッピング・センターそのものは広々として、駐車場もとても奇麗です。看板が中国語なだけ。色々なお店に行きましたが、一つ日本の百円ショップそのもののお店が在りました。本当に中に在る物も、日本製の物ばかりなのです。お値段は2ドルから、と少し割高でしたが、私はゴミ箱や、小物入れや、飴や、沢山買いました。 それから今日のドライヴァー(ヒューストン4年目の台湾人で心理学で博士課程のリサーチをしている女性。ブルーベリーがアルツハイマーに効く、と言う事を立証するリサーチをしているそうです)が特別に私の為に超大きなスポーツ品店に連れて行ってくれました。そこが自転車が安い、と聞いたからです。確かに本当の「自転車屋さん」では一番安いのが300ドルでしたが、ここでは一番安いのは58ドルで、それを買いました。これで学校までの徒歩25分が、自転車で10分に進歩しました。 でも、その後学校までスイスイ気持ち良く漕いで行って練習して帰り道、転んでしまいました。久しぶりに膝小僧をすりむきました。

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ヒューストンでの生活を始める

ライスで今年音楽の博士課程(Doctorate in Musical Arts)を始める生徒は4人います。 私ともう一人ピアニスト、チェリスト、そして作曲家です。 今日はそのピアニストの運転で、チェリストとそのルームメート(建築の修士)、そして私で韓国雑貨のお店に行きました。博士課程の生徒たちは一緒に取るクラスも多く、これから沢山一緒に勉強をする仲間なので何となくお互い観察してしまいます。韓国雑貨のお店ではお米の大袋と、炊飯器と、キムチの大瓶と、そば、うどん、のり、ふりかけ、そしてラーメンを買いました。これで何となく気持ち的に落ち着きます。 その後少し練習をして(ほぼ一週間ぶり!)、また3人でベトナム料理を食べました。運転して午後一杯付き合ってくれたのに、インスタント・ラーメンを一袋買っただけのピアニスト(男の子です―外食中心の生活らしい)におごりました。 さて、これから「リサーチにおける責任ある行動について」と言う、オンラインのコースを取らなければいけません。博士課程の生徒は皆必修のコースで、例えば学会に発表する際、自分のリサーチのどの課程を報告から省いてしまったら倫理的に問題が在るか、とか他の人のアイディアはどうやって引用するのが正しいか、とかそういう事に関するコースです。何故か読もうとすればするほど眠く成ってくるので、一息入れて、ブログを書きました。 明日はチャイナ・タウンに行きます。安い洋服(短パンが切実に必要)や、食器、小物、果物・野菜などを買いだしてきます。

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自分の価値観を再確認する

タングルウッドに居る間インターネットで見つけた下宿先は、ライスから徒歩20分くらいの所にある静かな住宅街にあった。周りの家はつたに覆われていたりして、趣が在る。でも私の住む事になった家は近所の中で目立って古い家だった。大きいのだが、古く、手入れが行き届いていない。私の部屋も窓が3方に在り、壁に備え付けの本棚が在ったりして素晴らしいのだが、床が傾いている~家具付きの部屋なのだが、コンピューター・デスクに備え付きの車輪付きの椅子が転がって行かないように必死で足で押えながらタイプをするほど。そして、部屋のドアが。。。在って無いようなドア。トイレのドアも壊れている。ドアのノブが壊れて回らないので、ドアを閉めたままの状態にするためには故障後に取り付けられた簡単なちょうつがいを操作し無ければいけない。などなど。 私はニューヨークでもっともっとひどい状態のアパートに沢山住んできたし、ここはインターネットで調べた他の物件と比べて格安だったので、(何か在るだろう)と覚悟して来ていたので、(まあこんなものだろう)と言う感じだったのだが、一日違えて越してきたもう一人のライスの生徒の女の子はショックを受けて、他の物件をサッサと見つけて来てしまい、下宿のオーナーと今交渉中、もめている。その子のショックぶり、そしてその子がもう少し割高だが、まあ同じくらいの物件でずっと手入れの行き届いた下宿先を見つけてきたという事実で(私ももう少し探してもっと居心地の良い場所を見つけるべきだろうか)と言う気持ちが湧いてきた矢先の今朝・・・ たまたま昨日オリエンテーションで在った修士を始める作曲家の男の子が「今は知り合いの家に身を寄せているが、新居を探さなければいけない。一緒に来ないか?」と誘ってきた。私は(この作曲家が、出たがっている子の後釜に座れば、全てが丸く収まるかも)と思い、それから他の物件を見る事にも興味があったので、同意した。まず、この作曲家を私の現住所に連れてきた。500ドルで、電気もガスも水道もインターネットも全て込み、全館冷房・暖房で、キッチンとバスは共有、と条件を話した所では興味を持って聴いていたのだが、私の部屋を見せた途端「これはひどい、ここには住めない。僕の許容範囲を超えている」とはっきり断られてしまった。この子は車を持っているので、この子がここに越してきたら、車を借りられる、と踏んでいたのに。。。 この子のリードで近所の物件探しが始まった。そして探してみれば、あるものである。500ドルで1LK、ベランダも付いている。車でライスから10分。キッチンには皿洗い機もオーブンも付いている(マイクロウェーブは無かった)。アパートの中にはフィットネス・センターもプールまでも在る。他にも似たような物件がかなりあるのだ。この子はヒューストンに知り合いが居ないらしく、私にしきりに同じアパートで二部屋借りて、一緒に登校しよう、と誘って来る。私が車を購入するまでは喜んでアッシー君をしてくれる、とか、良い住環境は生産性を高める、とか色々言って来る。 私は正直揺れてしまった。自分の生き方を根本的な所から疑問を持ってしまった。 私はどうして日常的なレヴェルでもっと欲が無いのだろう? これは怠慢なのだろうか?努力して変えるべきなのだろうか? 本当に住環境を整えたら、生産性が上がってもっと良い音楽家になれるのだろうか? でも、どんなに家賃が同じでも、このアパートに越してくるためには私はまず家具を一杯買わなくてはいけない。そして車を買わなければいけない。車を買えば保険、そして故障したら修理、さらに駐車場、ガソリン、どんどん経費がかさばって行く。その上、電気代、ガス代、インターネット代、全て家賃の上に自腹だ。その経費を賄うために私は働かなくてはいけない。働いたら、練習と勉強の時間が減る。今の下宿先だったら私は学校からもらう生活費だけでも何とかやっていけるのである。でもこのアパートに越したらば、絶対にバイトをしなくてはいけない。住環境と言うのはそこまでの価値が在るものなのだろうか? 私はこの作曲家の良い生活を求める為の努力、と言うのには脱帽したのだ。この子は東欧出身の子だ。だから余計にハングリー精神が強く、物質的な貧しさと言うのを避けたがるのかも知れない。でも、私は逆に豊かな暮らしに生まれおちて、だから簡潔さ、苦労、と言うのに敢えて憧れるのかも知れない。 作曲家とのアパート探しが午後早い時間に終わった後、タングルウッドで出会ったお友達にドライブしてもらってお買いものに行きました。この下宿先に腰を落ち着ける、と決めた後だったのでこの部屋をいかに居心地良くするか、色々工夫してちょっと奮発して色々買いました。中でもセールで買ったとても座り心地の良い椅子が嬉しい。19ドル99セントで、折りたたみなのですが、本当に可愛くて、楽ちんなのです。これくらいの贅沢が私には丁度良いのです。

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