November 2010

マキコの進化

新しい環境に来れば、ある程度当たり前なのかも知れないが、ライス大学に来てから今まで想像もしなかったような事に色々挑戦し、そしてそれぞれの挑戦を勝ち抜き、マキコは(我ながら感心な事に)学習、成長して行っている。 例えば今朝、ブログを書きながら食べているのは、親子どんぶりスタイルの「キノコと長ネギのふわふわ卵とじを発芽玄米に乗っけた丼」である。私は今までこう言うお料理を自分で出来るようになるとは想像もしたことが無かった。今朝起きて、(こう言う物が食べたい!)と強く思ったのは寝る前に読んだ本で警察にしょっ引かれた主人公が尋問中にふるまわれた親子丼が美味しそうだったから。 その強い欲望に導かれて、「こうかな?」「こうかな?」と適当に作って行ったら、出来てしまった!凄い!そして、美味しい! それから、DMC(Digital Media Center)と言う、あるだけでも驚異なライス大学のある一角に、私は今学期何だか通い詰めている。DMCと言うのは、コンピューター、録音・録画・印刷・コミュニケーションなど、ありとあらゆるハイ・テクの機材がそろっていてライスの一員には図書館の様に使用や貸出がしたい放題のほか、そう言う事に詳しいスタッフが常備していて、いつでも必要な助けを提供してくれるところである。博士課程のカリキュラムの一環で、「自分で録音製作をし、編集、パッケージング全てを出来るようになる」と言うのがあり、今まで私は自分のCDをコンピューターでコピーすることさえままならなかったのだが、何と全て出来るようになったのである。始めは私はコンピュータが本当に恐ろしく、スタッフが横に座って、「さあ、次はこのアイコンをクリックして」と優しく指示してくれても「え!どのアイコン?アイコンって何? え? え!?」とおろおろしている感じだった。もう一時は絶望感にひしがれていた気持ちだった時も在った。ところが、やれば結構出来るものである。自分でCDを製作する、と言うプロジェクトは、お陰さまで「A」をもらえた!編集はものすごく時間がかかったけど、今では自分でさえ、CDを聴いて、つぎはぎの部分がどこか全く分からない程である。指揮のヴィデオを編集して、DVDに焼くのも、「やらなきゃいけない」と自覚した瞬間は泣きたい気持ちだったが、やってみたらちゃんと出来たのである。凄い!そして、DMCのスタッフは今では正規で常勤のスタッフ、パートのアルバイトも全員が私の名前を覚えていて、DMCに出向くと「おお、また来たね!」と、笑顔で迎えてくれる。こんなに手間をかけてしまってすみません、と私は最初は縮こまりたい気持ちだったが、案外私の事を面白がって、皆喜んで助けてくれるようなのである。有難い。凄い! まだまだ、いっぱい進化の余地あり!マキコ、前進!

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日常生活の楽しみ

段々ヒューストンでの生活も落ち着いてきて、私は(もしかしたら生まれて初めて)家庭的な楽しみ、と言うのを覚え始めている様な気がする。例えば今、私は朝食を食べながらブログを書いている。朝食は先々週大量に作って冷凍しておいたカレーを一晩かけて解凍したものと、発芽玄米、そして自然飼育の卵に、白茶である。こんなに美味しいのは、私の料理の才能のせいか、それとも全部自分で作ったと言う満足感か。。。(多分後者)。 ヒューストンに来る前に私がいた、ロサンジェルスに在る創立8年目のコルバーン音楽学校の事を生徒たちは密かに「social experiment(社会実験)」と呼んでいた。このプログラムに入学した120人の生徒たちはほぼ全て自分の生活の責任を逃れられるのである。学費は勿論、生活費も支給される。ご飯は賄い(下のカフェテリアには、スープ、魚と肉の日替わりメイン・コース、出来合いのすし、サラダ、ピザ、サンドウィッチ、何でもある)、掃除もプロがやってくれるし(自分の部屋は自分で掃除するが、掃除の為に必要なものは全てもらえる)、トイレット・ペーパー、ゴミ袋と言った生活必需品のほぼすべてが支給される。寮にはマイクロウェーブから、テレビ、ソファ、冷蔵庫、全てがそろっており、地下にはジム、ビリヤード・テーブル、洗濯の部屋、何でもある。学校から一歩も出ずに用事が全て、努力しないで賄えるのである。中間、期末の期間中は、プロのマッサージが無料で受けられる。年度末には毎年恒例のディズニーランドへの遠足が、学校の招待である。生活費の為のアルバイトの必要も無く、自活の手間も無い。朝起きて、顔さえ洗えば、登校の手間も無く、すぐ練習・勉強に一日中、何ににも煩わされずに集中できる仕組みなのだ。 この社会実験が上手くいくかどうか、と言うのはもっと時間が経ってみないと分からない。とりあえず今までの所、沢山の生徒がコンクールに勝ったり、オーケストラのポジションや大学での教職をゲットしたり、華々しい演奏のキャリアを築いたりと好調である。でも、生徒たちの予想は割と暗いのである。10代、20代の青春まっただ中の若者と言うのは案外ペシミストが多いのかも知れないが、彼らはこの環境を「バブル」と呼び、このシャボン玉の中の現実離れした生活で、現実の苦労への免疫が無い自分たちの将来を危惧している。 私はもう生活苦を経験してからコルバーンに入学したので、コルバーンへの入学が決まり、お金の心配をせずに音楽に集中できる生活を保障された時は、涙が出るくらい嬉しかった。本当に「肩の荷が落ちた」と言う実感が在った。しかし4年もこう言う環境にいて、私も少し苦労への免疫力が落ちていたのかも知れない。ヒューストンに来てからは、自炊、生活の手間にいつも予想以上に手間取って、愕然としていた。この頃やっと、段々自分の生活方針、優先順位と言う物が見えて来て、段々楽しくなってきた。私は、自分が料理がこんなに好きだなんて今まで知らなかった。そして材料の出所、そして製作の過程に全て自分が責任を持った料理を食べると言うのは、何だか安心するものである。それから掃除を完成させた時の達成感。買い物も楽しい。私は自分を家庭的と思った事は今まで一度も無かったが、こう言うのも良いなあ、と最近ニコニコしているのである。 さて、練習、練習。

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発芽玄米

ライス大学に来てから、入学式から始まってクラスでもレッスンでも友達との会話でも、運動、健康的な休養、そして健康食、自然食の大切さが事あるごとに強調される。つられて私も、割高でも放し飼いで自然に育てられた鶏の卵を買ったり、無農薬の野菜を買ったりするようになって来た。 そして今日は発芽玄米造りに挑戦! この間韓国系スーパーマーケットでゲットした玄米の新米をぬるま湯に浸して、度々お湯を代える。玄米が息をし始めるのか、段々水の上に泡が浮かぶようになって来て、甘いにおいがし始め、「ぷつぷつ」と玄米が水を吸収する音が聞こえてくる。宿題に疲れるとキッチンに走って行って、玄米のお湯を変え、観測する。とても楽しい。そして本当に玄米が生きているのが実感出来て、感動。段々胚芽の所がプックリ膨らんできて、ついに芽が出始めました。ただ今炊飯中。 私の母は本当に「母は強し」の母だったなあ、と何故かヒューストンに来てから思うようになりました。例えば私が子供の時以来の自転車を購入して、ふらふらと自転車登校を転びながら始めた時、母が妹と私をそれぞれ前と後ろに取り付けた子供用シートに乗っけて狛江市じゅうを走り回ったのを思い出して、かなり感心してしまいました。それから10歳の時、私が肝臓病を患ってからは本を読んで完全無農薬、自然食を心がけ、食品添加物の入った物を避けるべく、一時期は自家製味噌、醤油、納豆、そしてうどんまで作っていた時も在りました。本当に脱帽。一食10品目、一日30品目、と言うのを毎日目指して、子供の時は食事の度に母と妹と一緒に「きゅうり、ごぼう、ごはん、ニンジン。。。」と指を折りながら食材の品目を数えていたのを懐かしく思い出します。そうやって育ててもらったから、今一人暮らしの苦学生でも、割と楽しみながらこうやって健康食に手間暇をかける事が出来るんだろうなあ、と思います。 おかあさん、ありがとう。

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予告編

私はヒューストンに移住する前、4年間ロサンジェルスにいたのだが、そこの日本人・日系人コミュニティーに思いがけないほどの手厚い支援を受けた。ロサンジェルスの日本人・日系人と言うのはニューヨークのそれとはまったく異なって、アメリカにしっかり根をおろして、ロスを故郷と思っている人達が多い。ニューヨークの日本人がいかにも日本から来て日本に帰って行く一時滞在者たちなのとは正反対である。そのせいか、結束も強い。そして日本語新聞、日本人・日系人用サービス、イベントなども数多く、ロスで放映する日本語テレビチャンネルは何と2つもあるのである。 そのうちの一つ、NTB(Newfield Television Broadcasting)と言うチャンネルに私は特にひいきにして頂いた。2009年の12月13日には私と私のロスでの学校コルバーンを取り上げた特別番組まで放映してくださったほどである。(ご興味がお在りの方はこちらのURLをご覧ください。http://www.soto-ntb.com/program/program-2009-12-13/ 私の出番は30分の番組の16分20秒からです。)そしてロスを去る直前、社長から「5分くらいずつの番組で、短い曲の演奏と音楽に関するシリーズを作ってみないか」と言うお話を頂いたのである。私は恥ずかしいほどの機械音痴なので、有難いお話しにも関わらず躊躇していたのだが、ライスの素晴らしいディジタル・メディア・センター(録音・録画機械の無料レンタルや、使い方のサポートなどを行っている)の存在を知って、やってみる気持ちになった。さらに「何でも良いから自分のキャリア促進の為のプロジェクトを一つやって発表する」と言う今学期最後の博士課程の自由研究の締め切りが迫るにあたり、今週末とりあえず一、二本、製作してみるつもりである。 学校に提出する、と言う事もあるし、Youtube にも載せたい、と思っているので、日本語と英語で同じ内容の物をそれぞれ二本づつ作って行きたい、と思っている。そうすればより多くの人々に見てもらえるのではないか、と言う狙いである。例えば英語を学びたい日本人、日本語を学びたい英語人。それから国際結婚や、移民の家族などでバイリンガルの家族にも一緒に楽しんで頂けるのでは。。。と願っている。 最初のエピソードは「音楽の生態」。脈=拍、息=フレーズと言うのを実際に弾いてデモンストレーション。 お楽しみに!

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秋の匂い

昨日、携帯が壊れてしまいました。 私の電話はロサンジェルスに移住した2006年、友達の古くなった携帯を譲り受けたものです。 だからもう8年以上経っている携帯で、傷も多く、今まで持ったのが不思議なくらいです。 でも携帯無しでは色々大変なので、色々用事は立て込んでいましたが、一念発起して近くのAT&Tへ。 唯一、プロモーションで無料でもらえる携帯のモデルが在庫切れ。 さらに自転車を漕いで遠いAT&Tへ。 購入して、学校に戻ってきたらパッケージの中に当の携帯が入っていない! もう一度遠いAT&Tに自転車で。。。 そうこうしているうちにどっぷり日が暮れてしまいました。 でも新しい電話を購入して嬉しい。ピカピカだし。 そしてそれから図書館で勉強、そして学校でリハーサル、それから夜遅くまで自分の練習。 トやってやっと帰途に着くため学校のビルを出たら、秋の匂いがしました。 「小さい秋」を大きな声で歌いながら、自転車を漕いで帰りました。 ちなみに遠いAT&Tに行く時は景気づけに「イザ行けよ、仲間たち」を歌っていました。 「みんなのうた」からのセレクションです。 私はつくづく日本人だなあ、と思います。

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