October 2010

今日あった嬉しい事三つ

今日はスターバックスでヒンデミットのスコアを勉強していたら嬉しい事が三つも歩いてやって来た。 まず、ヒンデミットのオケで主席バスーンを担当しているマイケル君が同じスタバに偶然やって来た。 「おお!」「わあ!こんにちは」とあいさつを交わした後、普段は余り気軽に話しをした事が無いマイケル君とちょっとお話した。指揮している時に明らかに(ちゃんと見ていますよ! 私はあなたを好きですよ!頑張って指揮して下さい!)と言う信号を発信している人とそうでない人がいる。マイケル君はとても上手だし、どちらかと言うと「ちゃんと見てますよ」目線を送ってくれる奏者だが、でも同じクラスを取っている割にはあんまり親しくなれなくて(本当はどう思われているのかなあ)とちょっと不安に思っている奏者の上位の方にいる人だった。ところが今日は積極的に「ヒンデミットの後も何か指揮する予定あるの?凄く楽しんで弾いているよ、良い曲だしね。これからも指揮することが在ったら、いつでも声かけてね、喜んで参加するから!」と一気に言ってくれたのだ!何と、マイケル君。思わず声が潤んでしまった。本当に、本当に嬉しかった。同時に自分の猜疑心をとても反省するきっかけとなった。もっとポジティブに。 マイケル君がコーヒーを購入してスタバを退場すると、次はとてもハンサムな夫婦が可愛い一歳くらいのスーパーマンの仮装をした男の子を連れてスタバに入って来た。私の隣に座り、私が総譜を勉強しているのを見て「音楽家ですか」と夫の方が聞いて来た。本当はこういう質問はちょっと苦手だ。会話が上手く続かなくて途切れてしまうと気まずいし、デモ向こうの音楽知識がどの程度の物か分からないし。。。ちょっとしぶしぶ「そうですよ」「何を弾かれるんですか」「ピアノと、指揮を少々」。。。ここまではいつもと同じ。ところがそれからが面白くなったのだ。「私たちは二人とも、ヒューストン・グランド・オペラで歌手をしているんです」 え! オペラ談義、ヒューストンの音楽界について、などなど凄く楽しい会話ができた。これから無料券が手に入る時は連絡してくれるそう。わ~い! 3つ目に嬉しかったのは、やはりその上の夫婦と話している時。音楽の話題に花が咲いて、途中で突然「ところでお名前は?」と自己紹介と握手の連鎖になった。そして奥さんの方と名前を言い合って握手して、奥さんが「そしてこの子はガブリエル」と1歳半位の男の子を指した途端、その子が当然のごとく自分の右手を差し出して来たのだ。こんな小さな子と正式な握手をするのは初めて!とても嬉しくなって、その子が来ていたスーパーマンの仮装を指差して「スーパーマン!」と言ってみたところ、その子がサービス精神旺盛にこぶしを上に付きあげて、飛ぶ真似をしてくれたのだ! 「ブシュ―ん」と言う、音響付きで。凄く嬉しくなって大人3人で大笑いしてしまった。 楽しいスタバの一時でした。

今日あった嬉しい事三つ Read More »

赤信号、皆で渡れば怖く無い!

昨日は、「Critical Mass Bicycle Ride(クリティカル・マス・ライド)」とと呼ばれる自転車のイベントに参加した。前にもちょっと書いた事があるが、ここには詳しくは書かないが、要するに自転車に乗る人が沢山集まって一緒に道路で乗りまわし、自転車の道路に置ける権利、自転車の良さ(エコ、経済的、など)を訴え、さらに車社会を批判しよう!と言う企画で、1997年にサンフランシスコで始まり、今では世界主要都市の多くで定期的に行われているらしい。(クリティカルマスに関して、詳しくはこちらで:http://www.geocities.co.jp/Colosseum/3641/cms/critical_mass0.html) 昨日はハロウィーン特別企画のクリティカル・マスで、私はクリティカル・マスは全く初めての参加だったが実に400人ほどの参加が在り、物凄かった。(普段は30人程度から100人程度まで、マチマチらしい)私は例によって自転車はセミ・プロのルームメートのリードに従って、彼女のコスチュームを借りて参加したが、キャット・ウーマン、ワンダー・ウーマン、バットマン、など色々面白いコステュームが沢山在って、それだけでも本当に楽しかった。 しかし、本当に本当にすごかったのは「クリティカル・マス」そのものである。7時集合、7時半出発で実に10時くらいまで乗り回すのだが、400人も自転車ライダーが集まるともう社会現象である。日本の装飾トラックの様に沢山ライトをつけてる自転車も在るし、ただの照明用のライトだけでも、400集まると本当に奇麗。そしてそれが道路を占領すれば、「赤信号、皆(400人)で渡れば(全然)怖く無い!」なのである。車も黙って待つしかない。クラクションをぶーぶー鳴らし始める車もあるが、400人と一緒だと全部只の応援に聞こえる。(実際には応援のクラクションと抗議のクラクションと両方在ったと思う。)交通規制のお巡りさんも2回ほど通り越したが、彼らも全くのあきらめ顔で「どうぞ」と言う感じである。(ヒューストンではクリティカルマスは毎週金曜行われているらしいので、割と定着している模様。)昨日は皆仮装していたし、自転車そのものに沢山装飾を施している人もいて、道端に見物人が沢山並んでいた。子供とかは指をさして、大喜びして行た。 ヒューストンのクリティカル・マスにはリーダーがいる。毎回しきっている様でマシューと言う名前の感じの良い男の人だった。道案内をしたり、クリティカルマスベテランのサイクリストに「次の信号の所で車をブロックして危険の無いようににして、皆を誘導して」とか、役割分担をしたりする。初めは「羊の群れを誘導する犬みたいだな、楽しいだろうな」と思っていたが、皆がその日たどるコースとかも前もって決めているらしく、物凄い責任だな、と思った。今回のはハロウィーン特別企画だったので、最後にコスチューム・コンクールが在り、彼はM.Cもしたのだが、大変楽しい司会で皆を湧かせていた。しかしコンクールに負けた人が彼を冗談で蹴ったらしく「僕は全く無料でこう言う奉仕をしているのに、蹴られるなんて割に合わない」と半分本気でマイクを通して訴えていた。 不思議なのは経費に関してである。このクリティカル・マス、参加費が無いのである。それなのに、昨日は終着点のバーではバーベキューが無料でふるまわれたし、コスチューム・コンクールの優勝者は25ドルもらえるのである。なんでこう言う事が可能なんだろう。社会運動とみなして寄付する人でもいるのだろうか? 2時間半ぶっ続けで乗り回すわけではなく、途中数回休憩が在る。昨日の休憩は一回目が結構町から離れた所にポツネンとあるギャラリーのオープニングだった。動かして遊ぶオブジェが沢山置いてあって中々面白かった。例えば靴が何足も置いてあって、その横に置いてあるハンドルをぐるぐる回すと、その靴が操り人形の様に歩き出すオブジェとか、じょうろみたいな物に細かいビーズが沢山入れて在って、そのぶら下げてある角度をちょっと変えるとサラサラと真っ青なビーズが降り始めるとか。もう一つとても印象に残ったのだけれど私がとても気持ち悪いと思ったオブジェは、大きな車輪に先っボが黒で段々紫になって行くベロンとした物がくっついていて、車輪をハンドルで回すとそのベロンとした物がベロリン、ベロリンと動く、と言うもの。初めから(気持ち悪いな)と思っていたのだが、一緒に見ていた人が「う~ん、これは牛の舌だね~、しかも本物だねえ~」と言ったので、びっくりして余計気持ち悪くなってしまった。次の休憩は大きな食料品店の前。食事を取らずに仕事から直接来ていた人も多かったらしく、しかも自転車を漕ぎっぱなしだったので(お腹が空いた~)と言う気持ちが蔓延しており、沢山の人がバイクを捨てて、店に走り込んだ。私は何となくぼけ~っと店の前で待っていたのだが、ルームメートが「ほら!サンドウィッチを2個ゲットしたよ、食べなよ!」と閉店直前で75%セールのサンドウィッチを分けてくれた他、ビールをケースで買ってきて見知らぬバイク仲間に手当たり次第配り始めた人にビールを一カンふるまってもらった。 物凄く楽しかった。凄い解放感、そして何だか社会運動に参加している様な自己満足。最高のストレス発散法だと思う。特にヒューストンは坂が無いから、もう最高である!急にこの頃涼しく秋めいてきたし。これからも参加したいと思う。

赤信号、皆で渡れば怖く無い! Read More »

この冬の予定

私は日本には年に一、二度は帰国する。大抵、演奏の為である。 いつも冬は学校や、年末年始クリスマス・モードの演奏などで忙しく、帰国演奏は夏の初めか終わりが多かった。 最後に正月を日本で過ごしたのはもう何年も前の話だ。 今年は、色々な理由で日本に正月に帰国する予定で、とっても楽しみにしていた。 私の母は料理がとっても上手で毎年恒例でリンゴきんとんを作ってくれるし、お雑煮も凄く美味しいし、日本の布団の温かさは、部屋の寒さに反比例して本当に嬉しい物だ。石油ストーブの音やにおいまでが懐かしかった。ところが、なんだかんだしている内に年末年始の飛行機代が急上昇してしまい、とうとう高嶺の花になってしまった。仕事無しでは帰るのが勿体ないし、練習の事情や色々考慮して自分で決断して家族に伝えたのだが、実は、とてもとても悲しかった。自分で理不尽と思えるほど1週間ほど落ち込んでしまった。 でも、運命と言うのはあるんだなあ、と思う。 そうやって落ち込んでいた先週、学校からメールが来た。「ここ数年、毎年恒例で博士課程の音楽学生を数人、ワシントンD.C.にあるLibrary of Congress(米国の国会図書館)にリサーチと演奏の為に学校がスポンサーして送り出しています。今年は貴方が選ばれました。おめでとう」この企画、冬休みの最初と春休みとさらに3月、3回にわたって出かけるのだが、最初の旅行が12月上旬、丁度私が日本に出発しようと思っていた頃なのである。まだティケットに何とかぎりぎり手が届く頃、それでも(もしかしたら値段が下がるかも知れない)とか、(日程がきっちり決められない)などの理由で優柔不断にぐずぐずしていた自分を頭の片隅で不思議に思っていたが、あそこで買ってしまっていたら、ワシントンへの旅行を棒に振っていたかも知れない。何とこういう展開になるとは! まるで私には超能力で未来を予測する事が出来るようでは無いですか! と、言うことで12月はワシントンD.C.に行きます! 学校が取ってくれたのは国会図書館に隣接したホテルでHPを見たら、とってもゴージャス!今から凄く楽しみです。

この冬の予定 Read More »

今日はテストが在りました。

今日は、Mind/Bodyのクラスのテストが在りました。演奏家が健康に高齢まで演奏を続けていくための健康管理法、医療の利用法、運動方、食事方などに関するテストです。 クラス中に配られた参考書類やノートを自由に使って良いテストだったので昨日の晩ざっと復習はしましたが、それほど心配せずに行きました。クラスに着いたら、先生が「じゃあ、テストの前に皆でしっかり復習をしましょう。これから私が黒板に書く事は皆きちんとノートに取るように」と真面目な顔をして、言います。皆、思わずぎょっとしてお互い顔を見合わせました。それぞれのゲストの講義から印象に残っている事を生徒から聞きだし、「じゃあ、この事に関しては何と云われましたか?」「注意点は?」などと質問して行きます。皆ノートをめくりながら答えていくと、先生はそれをどんどん箇条書きにして、「皆、ちゃんとノートに取っていますか?このノートはテストで使っていいんですからね。」と念押しします。 テストが配られました。ほとんど復習通りのテスト内容です。皆、楽勝で、すらすら回答して、今日のクラスは終わりでした。私は少し居残りの用事が在ったので、先生と話す機会が在りました。 「このテストでそれぞれの生徒が何点取るか、と言うのは全く関係ない。どれくらいそれぞれの生徒が吸収しているか、どう言う態度でクラスに臨んでいるか、私は観察から把握しているつもりです。それよりも私は皆に少しでもこれからの音楽人生で役に立つ情報を吸収して欲しいんです。ゲストにお越しいただいて講義してもらって耳から聞いて、さらに参考物件を宿題で読んで目から吸収し、そしてこうして皆で復習、最後に『テスト』と言う形で書き出させて、何度も同じ情報を違った方法で繰り返させれば、少しでも多く記憶に残るでしょう。」と語ってくれました。何て良い先生なんだろう、と感動しました。

今日はテストが在りました。 Read More »

再び、指揮反省

今日は3回目にして最後のリハーサルが在りました。 後は11月3日と9日に二回の本番が在るのみです。 反省点を幾つか記録して、これからの糧にしたいと思います。 ① リハーサルの技術について その一) 何かを繰り返す場合は、何を上達したくてその部分を繰り返しているのか、奏者に明確にコミュニケートする事。今回の場合、独奏者がいたので、独奏者の意向に気を使う余り、オケ奏者に対してこう言う心遣いがとても足りなかったと思う。 その二) 振る行為に一生懸命になる余り、聴けていない。注意点を思い出せない。一生懸命振っても音は出ない。音を出すのは奏者。こちらは冷静に振って「仕事」をし、一番大きな仕事は客観的に聴く、と言う事だともっとちゃんとわきまえる。 その三) もっと褒めなきゃ。自分の能力の無さにを痛感することに一生懸命になって、自分の足りない指揮の技術にも一生懸命付いて来てくれて、最高の演奏をしてくれようとしている奏者の苦労をねぎらい、演奏を褒め称える気持ちを忘れちゃいけない! ② 指揮の技術 その一) 特に大事な所で振る事に一生懸命になる余り、頭まで振ってる。頭の動きが手の動きより大きく、それに比例して遅いので、手の動きが読みにくくなる。 その二) 管楽器になったつもりでもっと息をしよう。特に管に入りの合図を出す時は、一緒に準備の息をしよう。 その三) もっと奏者の目をはっきりと見よう。 ③ リハーサル中の情報伝達 その一)もっと簡潔に。言葉を少なく。明瞭に喋る。堂々巡りをしない。 その二)言いたい事が頭の中ではっきりさせてから喋り始める。

再び、指揮反省 Read More »