文武両道…!?

昨日のブログに書いている様に、ストラヴィンスキー、August Read Thomas、Bernard Randsと言った 「私は旅先でも、移動日でも、日課の作曲(とか練習とか)は絶対に欠かさない!」 と胸を張っているグループが居る一方、私の同下宿人のソフィアの様な人もいる。 彼女はポスドク(博士課程を修了した後、リサーチ・アシスタントとかインターンとして経験を重ねる)で 生物学のデータをコンピューターで幅広く分析する専門家だが、同時に凄く積極的なサイクリストで、 ヒューストンをくまなく自転車で探検している。 あそこの動物園、ここの植物園、ここのバー、海岸、美術館と、次から次へ私に報告してくれる。 それからcritical massと呼ばれる社会運動にもせっせと参加している。 これは車社会に対抗して自転車ライダーたちが大勢集まって道路を堂々と走り、 自転車の良さをアピールし、自転車の道路上での権利を主張をする、と言う運動で、 私はソフィアの話から初めてこの運動の事を知ったが 実は1992年から世界中300都市で定期的に行われているらしい。 私はこの頃調子が出ずに、何だかうつうつとしていて(ソフィアは良いなあ、楽しそうだなあ)と思っていた所、ソフィアが昨日「私は週末になるたびに『本当はここで勉強するべきかも、リサーチをもっと深くしておくべきかも』と言う迷いを振り切って2日間丸々休む。そうすることによって月曜日から金曜日まで110%の力を発揮できると信じているから」と言ったのに触発されて、今日は丸一日音楽から離れてソフィアと一緒に行動する事にした。 まず、朝の7時半から自転車競技のグループに参加。 ソフィアから「このグループは私でも追いつけない程速いからね」と念を押されたが、 私は「成せばなる、成さねばならぬ、何事も」と静かに応え(うそ) ソフィアの金魚のフンとなって付いて行った。 。。。が、出発点に付いてびっくり。 皆ランス・アームストロングの様な、ぴったりとした「自転車ウェア」を着用し、 いかにも競争用の自転車にまたがり、さらに筋肉ムキムキの太ももとふくらはぎで しかも参加者の95%が男性なのである。 私はT-シャツに半ズボンで、またがっているのは60ドルで購入したママチャリである。 ソフィアもちゃんと、「自転車ウェア」を着用し、彼女の自転車はそれ用のきちんとしたものである。 帰ろうか、と思ったが、「なるようになるさ」と思い、とりあえず一緒に出発した。 彼らが漕ぐのを見ていると、 「自転車と言うのは自分で勝手にスイスイと進んでくれるから『自転車』と言うのだなあ」 と言う感じがする。 対して私のママチャリは「他転車」なのである。 外からの力(―この場合、わたくしマキコ―)が必死に転がしてやっと動く車。 周りが「ツイ~~、ツイ~~」と優雅に漕いで行く横で、 私は彼らの倍の速さで「フンコ、フンコ、フンコ、フンコ」とペダルを踏んでも まだ全然追いつかないのである。 まず、私のタイヤは円周が彼らのタイヤの3分の2位しか無い。 そしてタイヤの幅も車体その物も彼らの自転車に比べてずっと無駄が多く、 自転車そのものが重い。 私の筋力の無さを計算に入れずとも、これは無理な競争なのである。 それでも私は頑張った。 ソフィアが口をアングリ開けるくらいの勢いで漕ぎまくり、 赤信号で皆が足止めを食らう度に遅れを取り戻し、 一時間半の行程の45分までは何とかくっついて行ったのである。 それだけでもう物凄い達成感。 後はソフィアが私を置き去りにする前に情けで投げてくれた地図を頼りに 気ままにゆっくりお家まで漕いで帰りました。 汗をシャワーで流してからはソフィアと美術館巡りをしました。 今度Da Camera of Houstonのプログラムの一環として演奏する会場は De Menil Collectionと言う美術館です。 […]

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