July 2012

本番続き

今日の夜は千葉の稲毛でJazz Spot 「Candy]でのリサイタルです。 おとといも千葉でやりました。 本番当日はドレス、売るためのCD、化粧品一式、髪飾りやアクセサリー、楽譜、などなど、 全部合わせると小さなスーツケース、プラス、ショルダーバッグになります。 それらを担いでえっちらおっちら。 片道2時間、通常開演2時間前には到着して、ご挨拶、ピアノの試し弾きと会場のサウンドチェック、 開場後は着替え、化粧直し、そしてひたすら、待つ、待つ、待つ… やはり本番は一日がかりです。 でもそれぞれの会場でかけがえの無い出会い、そして交流があります。 音楽を通じて、時空を共有する。 そう言う場を提供できる幸せをありがたい、と思いつつ今日も千葉まで行ってきます。

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日本のサロン

ピアノ楽曲の多くはサロンで演奏されるべく書かれている。サロンとは特権階級の邸宅に主人が芸術家や文化人、学者などを招いて知的対話の舞台として提供した、社交の場である。私は日本で演奏活動をするようになって日本でもこう言う場が多く存在することを知り、とても嬉しい、誇らしい気持ちになっている。 例えば昨日私の演奏会を主催してくださった三鷹市にあるギャラリー「静」。もうそこでの演奏会は5年目になるか。12人でもう座る場所が無いほどいっぱいになってしまう小さな会場だけれど、染物や焼き物などの日本的伝統工芸を沢山扱っているとてもお洒落なお店。そこのアップライトでトークを交えながら演奏するのですが、毎年来てくださる近所の常連さん方が、もうこのごろはお料理やお酒を持ち寄りで、演奏の後のディスカッションを楽しみに、笑顔でいらしてくださる。そして演奏中は私にも伝わるほどの緊張感と集中力を持って聞いてくださり、出る質問も鋭い! 音楽を共にして、熱くなって、汗をかきながら討論して、私は本当に幸せ物だな~と感じる、至福のとき。

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ドビュッシー、音楽と美術

明日ある三鷹にあるギャラリー「静」でのサロン・コンサートを皮切りに6回の独奏会「ドビュッシー対ムソルグスキー ~視覚を刺激するピアノ曲」を行う。 今日はそのインスピレーションを求めてブリヂストン美術館が開催している 「ドビュッシー、音楽と美術~印象派と象徴派のあいだで」を見てきた。 18世紀後半頃、まさにピアノと言う楽器が作曲家の念頭に上り始めた頃から、著しくなった音楽の流れに置けるドイツの多大な影響力。それに反抗しようと欧米各地でいろいろな作曲家が模索を始めたのが19世紀後半。ムソルグスキーとドビュッシーの接点はそこにある。彼らは主にドイツを主流とした伝統・慣習・常識・固定観念といったものから自由になるべく、自国の美術、文学、舞台芸術、民族芸術、歴史、そしてドイツ以外の何でも「エキゾチック」とされたものに目を向ける。 今回の展覧会ではブリヂストン美術館がオルセー美術館とオランジュリー美術館と提供してやっているもので、ドビュッシーが身の回りに置いていた絵画や小さな置物(日本のものが非常に多い)、彼と交友のあった芸術家たちや彼らの作品、彼自身の肖像画など。そして500円でオーディオ・ガイドを借りるとドビュッシー自身が(日本語)で自分の作品を影響した作品の紹介や背景の説明をしてくれ、また彼自身の曲も聞くことが出来る。 とても充実した企画だった。そしてジャポニズムの影響の強さにも改めて感銘を受けた。 明日からの独奏会、目を閉じて、出来るだけイメージ鮮明に、固定観念に囚われず出来るだけ自由に正直に、素直に、弾きます。

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今年のプログラム

今年はドビュッシーの生誕150周年に当たります。 ドビュッシーと言うのは西洋音楽の歴史の中で大きな進展に貢献した作曲家の一人です。 19世紀の終わりから20世紀の始めにかけて、とても不思議なことに世界のいろいろな場所で 全く交流の無い作曲家がほぼ同時に調性(いわば音楽に置ける文法)からの離脱、 と言う事を検討し始めました。 アメリカ人音楽評論家であるアレックス・ロスの 「20世紀を語る音楽(原題The Rest is Noise)」の受け売りになりますが、 ドイツではワーグナーがそれまでの調性の極端、そして限界への挑戦を始め、 それを引き継いだストラウス、そしてショーンベルグがついに調性を全く超越した 「無調性音楽」を提唱します。 ロシアを始めとする北欧、東欧ではドイツを中心に発展してきた調整を無視し、 自分の国民性アイデンティティーと言うものに注目して、それまでの調整、そしてリズムと言うものから 離れ始め、民族音楽やその土地固有の美的感覚に基づいて新しい音楽の模索を始めます。 その頃のフランスでは、象徴派、印象派などの模索により、 人工的なルールに反発して、理屈を超え、感性によって受け止めた自然に基づいた美術と言うものが 考えられ始めます。 今回のプログラムは「視覚を刺激する音楽」と言う模索をしたドビュッシーの 特にその特徴が強い作品-例えば有名なところでは「月の光」「亜麻色の髪の少女」「沈める寺」ー を前半に並べ、 後半にはそのドビュッシーがインスピレーションの一人として挙げたロシア人作曲家ムソルグスキーの 曲集の中の曲一つ一つが実在する絵に基づいている「展覧会の絵」。 練習しながら、文献を読みながら、私自身も毎日発見の多い、我ながら中々面白い企画です。 8月5日(日)13時半開演。すみだトリフォニー小ホールにて。(最寄り駅、錦糸町駅) 8月10日(金)18時半開演。美浜文化ホール (最寄り駅、京葉線、検見川浜駅) ぜひ、お友達をお誘いになってご出席くださいませ。

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演奏会当日のカロリー消費

昨日の『すかピア』の演奏会は長丁場だった。 朝10時半にリハーサルのために会場入り、退出は22時近く。 開演14時半、終演21時  -半ばで2時間の夕食休憩が在ったものの、 出演者は写真撮影と夜の部のリハーサルで夕食は着替えながら20分でかきこむ感じ。 しかしなぜか本番当日と言うのは非日常的に食べてしまう物。 朝食は(スタミナつけなきゃ!)と言う自発的な気持ちと、母の愛が一緒になって いつものメニューに付け足して、ご飯一膳! 昼は母が握ってくれた長特大玄米おにぎり2個! に、加えて、共演者の小泉君の「東大発表であんこともちのコンビネーションは脳の活動を活発にする」 と言う助言のもと、草餅のあんころもちをファミマでゲット! 夕飯には出前のハンバーグ弁当、そしてデザートに差し入れのカステラ、さらにブルーベリーおにぎり! そして深夜近くの帰宅後、過労のためがなぜか空腹感に負けて、えのきの味噌汁、きゅうりと梅酒。 う~ん、凄いカロリー消費量だ。。。 ちなみにすかピアは大成功でした! 会場いっぱいのお客さんがアンコールでは手拍子で大盛り上がり! 楽しい演奏会でした。 すかピアの共演者のみなさま、スタッフ、ボランティアの皆様、そしてご来場くださったみなさま、 ありがとうございました!

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