July 2012

韓国2日目。

今日は今回の私の韓国旅行発起人である支援者が手配して下さったおかげで、朝3時間練習することが出来た。韓国国会議事堂まん前のとても近代的なオフィスビルのロビーの一角がガラスで区切られて簡単な講義や演奏会が出来るようになっています。毎日12時から1時までは「ランチ・ブレーク」と称して、映画上映や小さなライヴが行われているようです。始めは外からもオフィスのロビーからも丸見えのそのスペースにちょっとびびりました。それから、小型のスタインウェイのグランドだったのですが、真ん中のドの音から一オクターブちょっと下のミの音が弦が無く、まったく音が出ない、と言う状況なのもびっくりしました。「何か問題があったら」と頂いていた電話番号に電話したところ、係りの方が完全に英語が通じない!こんなに英語が通じない人も珍しいほどです。しかし、何か言いたいことが在るらしい、と言うことは伝わったようで、その1時間後くらいあとに、英語がしゃべれる人が様子を伺いに来てくれました。「私は練習をさせていただけてとても感謝しているし、文句を言っているわけではない。今日明日で直すのは難しい問題だと思うので、次の演奏者のために伝えておくべきだと思っただけですが。。。」と前置きをして弦のことをお話したところ、丁寧に謝ってくださり、「問題指摘がこんなに的確なのは、やはりプロですね」となんだか褒めてまで下さり、その上社員食堂のただ券を私に下さったのです!とても嬉しい!!社員食堂でなんて世界のどこでも食事したことありません!そこはとてもおしゃれな、日当たりのいいスペースで、ビュッフェ形式でサラダが中心の、でもポテト・グラタンとチキンのドライカレーと言う二つの暖かいメインも在る、と言う昼食でした。とても健康的、新鮮、そして味は80点(悪くない)、サービス満点!しかしみんなの食事のスピーディーなのにはびっくり。私は一人で会話をする相手無く、集中して食べていたのに、私より後に座って会話をしながら食べていたグループで来た社員たちは私を置いてどんどん仕事に戻って行く!すごい。。 午後は韓国の武満徹的存在とも言える著名な作曲家であられるK・Sさまがお時間を作って下さったので、午後の紅茶とその後の早めのお昼(韓国一おいしいと在る雑誌の読者投票で決まった冷麺!本当においしかった!その麺をゆでた蕎麦湯のような物も非常に美味でした)をご馳走になりました。先生が「音楽と言うのは、作曲も演奏も理性でやる物だ。感情は邪魔だ。出来るだけ廃止するに限る!」と言うのに対し、「音楽の最初のモチベーションはいつも感情であるべきだと思うし、作曲の作業が理性が勝つのは分かるとしても、それを感情をこめて再現し、聴衆に共鳴が出来るような音楽にするのが演奏家の立場だと思う。」と演劇に例えて反論したところ「君は面白いことを言うねえ」とちょっと気に入られたようで、私も嬉しかった。その後場所を変えて、いろいろな交友談をうかがったのですが、これがすごい!岩瀬、武満、一柳、ペンデレッキ、ゼノキス、ルートスラスキー、ストックハウゼン、リゲッティ、こういう人たちを全部知っていたのです!ストックハウゼンはすごく変わっていたそうです。でもペンでレッキもゼノキスもルートスラスキーもみんな普通の、おとなしい人だった、と言っていました。 ちなみにこの作曲家の先生と私が交わした言語は日本語です。1934年生まれですから、日本の統治時代に小学校に言っていたわけです。先生はそのことに関して直接は言及なさいませんでしたが、とても流暢な日本語でした。複雑ですね。

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韓国、一日目

韓国は日本にとても良く似ているけれど、ハングル文字を無視しても、絶対日本と間違えようが無い。 しかし、その微妙な違いははっきりと定義するのがとても難しい。もちろん、私の韓国初体験の第一日目のあくまで印象なのだが、敢えて言えば例えば。。。 1.使ってある色が、日本のものよりはっきりとした色。例えば電車の中のつり革が片方はショッキング・ピンクに少しだけブルーを加えたような色で、同じ社内のもう片方はほとんど蛍光色系の黄緑。 2.日本より少しだけゆったりしている感じがする。ちょっとサザエさん的な、「おお、マス男くん!」「お父さん、偶然ですね~」「そうだなあ、それじゃあ家に帰る前にちょっとだけ駅前でいっぱいやるか」的な光景が結構見られる。例えば地下鉄を上り下がりするエスカレーターを歩いている人がほとんどいない。みんな、当たり前のように突っ立っている。と、思ったら「危ないので、エスカレーターでは手すりにつかまり、歩いたり、走ったりしないでください」との表示があった。しかし、例えば日本でこういう表示があってもみんな従うだろうか?町を歩く人々のペースも日本よりゆったりしている気がする。 3.堂々としている。逆に言えば、見知らぬ他人への遠慮が少ない。例えば、車のクラクションが日本の100倍くらい鳴らされていると思う。それから、電車の中で日本人が本を読んだり、寝たり、そうでなくとも絶対目を伏せて(私はあなたのスペースを尊重しています!)と静かに強く主張しているのに対し、韓国人は大きく腰掛けて足を組んだりして、興味があるものはきょろきょろ見ている。 4.整形クリニックの宣伝がありとあらゆるところにある。目を大きくする手術の宣伝の「Before」と「After」の写真の「After」は全て、私には猫女にしか見えない。それから、足をまっすぐにする手術。顔を小さくする手術、手の指の長さを変えて、スラッときれいな手にする手術、なんていうのも宣伝されている。久しぶりに会った友達が「ねえ、私の顔、変化したと思う?」と嬉しそうに聞く。そういわれてみれば、鼻の形が変わっている。シリコンを入れて、0.3ミリだけ高くしたのだそうだ。それからレーザーで、顔のほくろなどもとっているらしい。つい最近、韓国人女性の整形のやりすぎを批判的に話していたばかりだったのでからかったところ、彼女いわく『整形』と言うのはメスを入れる物のみをさし、彼女がしたような「プチ整形」は彼女自身の批判の対象にはならないそうな。 5.スーパーでクラシック音楽が流れている!私が二日続けていったのは安売り専門スーパーで、ホテルの近くにある「イーマート」と言うところだが、昨日最初に入った時にベートーベンの難解とされる、一番最後のピアノ・ソナタが流れていてびっくりした。その後もゴールドベルグ(変奏曲第一番だけ、なぜか)、アルベニス、など割と通好みのものばかりかかっている。時々管弦楽曲も混ざるがピアノ曲が多い。なぜ!?私の母が通うスーパーでは「おっさかなおっさかな、今夜はおっさかな~♪」と言う魚介類コーナーのテーマソングがいつもかかっていると言うのに。。。 6.なんだかちょっと日本よりも雑然としている。これは町並みのことだけではなくて、人の流れとか、全て。日本の整然さに比べてもっと人間味がある、とも言える。やはりサザエさん的。 アメリカに居る、私が日ごろ接している音楽留学生の韓国人はほぼみんなすごくおしゃれできれい。でもこういう娘さんたちは特権階級の例外で、韓国にも庶民的な人はいっぱいいる、と言うことが今日分かってちょっと安心した。なぜか、何度もサザエさんと比べてしまう。私にはとても好ましい、ちょっと不思議と懐かしい感じです。 一つだけホームシック。今日はお昼をかなり遅く、しっかり食べたので、夕飯はスキップしようかなあ、と思うぐらいだったのですが、突然丸いしょうゆせんべいが一枚だけ食べたくなったのです!駅からホテルうにつくまでの徒歩5分の道のりで目につくコンビに全て(4つありました)と、昨日入った「イーマート」に入り、血眼になって探したのですが、不思議なことにかっぱえびせんや「コアラのマーチ」はあるのに、しょうゆせんべいが無い!しょうゆせんべいが食べたい…

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韓国からこんにちは

本当にお久しぶりです。 6月26日に帰国して参りました。 6月24日の深夜帰国予定だったのですが、天候不順やNY(から来ました)での管制塔の火事などにより、飛行機が遅れに遅れて、26日の早朝の到着となり、それもあって帰国直後からずいぶんとあわただしい日々をすごしました。 6月27日 帰国の翌日はいつも美容室に行きます。今回は東戸塚のShantiと言う所にお邪魔しました。 美容師さんにお願いして思い切って短くしてもらい、縮毛矯正もして、とってもすっきりとして嬉しくなりました。 6月28日 7月1日と7日の演奏会で共演した、ラチェザール・コストフの奥様、チエコさんのご実家(お母様がソプラノでいらして、立派な防音の練習室があるんです。)にお邪魔して、リハーサル合宿を始めました。夜は時差ですごく早く眠くなってしまったのですが、ラチェザールに映画をあてがわれ、「これを見終えるまで寝るな!」と言われてしまいました。結構面白く見ましたけど。 6月29日 リハーサル合宿の続き!一日みっちりやりました。夜は前半のチェロ・アンサンブルで出演される3人のチェリストさんたちとお夕食会!ちえこさんが腕を振るわれた、ラチェザールのお母様のレシピのブルガリア料理のオンパレード!ブルガリアはヨーグルト菌で有名ですが、お料理にもいっぱいヨーグルトをかけるんですよ! 6月30日 朝の新幹線で静岡の金屋へ!翌日の本番に備えて、ホールの方との打ち合わせや、ちょっと練習、そして主催者の『純ちゃん』さまのご自宅でおいしいおでんをいただいたり、大歓迎されました。 7月1日 金屋の「夢づくり会館」580席がもう数日前から売り切れで当日券なし!その満場のお客様がとても喜んでくださって、拍手がやまず、アンコールを2曲とも弾ききって、最後はしょうがないからもう一度プログラムの中から一曲弾いたほどでした。打ち上げも大変盛り上がり、私は素晴らしい出会いの沢山に感謝しながら、音楽化冥利に尽きるひと時をすごしました。ボランティア・スタッフの皆さん、純ちゃん、純ちゃんのご家族、そしてご来場に成った皆様、本当にありがとう!熱心に支援してくださっているお友達のご紹介で浜松からも音楽関係の方がいろいろお見えになってくださいました。 7月2日、金屋から電車で40分ほどのピアノのメッカ、浜松にお邪魔し、楽器博物館を拝見。本当に初期のピアノから始まり、いろいろな試行錯誤を経て現代のピアノに至るまでの過程が、楽器博物館の貴重なコレクションや、レプリカの展示で如実に分かるように成っていました。もちろん歴史的楽器自体には触れないのですが、そのピアノの仕組みの模型が触れるように成っていたり、その楽器の前でその楽器の演奏の録音を聞けたり、また毎時間10分ほど行われるツアーでは博物館の係りの方がちょっとだけ弾いてくださったりします。他にも世界のいろいろなところの民族楽器などが展示してあったり、ヴィデオや録音も豊富でとても楽しみました。月曜日の朝だったにもかかわらず、意外と見学者が多いのも印象的でした。お昼は浜松の文化芸術大学と言うところをお邪魔し、そこの芸術文化学科(実技は無いのですが、アート・マネージャーの立場からどのようにアートを実社会に役立てて行くのか、と言う興味深い学科です)の生徒さんと先生からお話を伺う貴重な機会をいただきました。 7月3日、7月21日に開催される「すかピア(横須賀ゆかりのピアニストグループ」のコンサートの2台のピアノのリハーサルを武蔵野音大でやりました。『のだめカンタービレ』の舞台って、武蔵野だったのですね!そしてすかピアメンバーの小泉君はなんと「のだめ」の実モデルの同級生とか! リハーサルは息せきって途中で失礼させていただき、その後みなとみらいへ直行!MMCJ(Music Masters Course Japan)と言うのは、NYフィル総監督のアラン・ギルバートと大友直人と言う二人の指揮者が始めた小規模な若手音楽家のための講習会です。これに今年参加している私の友達のオーボエ奏者が招待券を用意してくれたので、室内楽コンサートを聴きに!火曜日のお昼2時のコンサートとあって、半分ほどの入りでしたが、演奏は上々。そしてなにより、アラン・ギルバート自らが忙しいスケジュールの合間を縫ってちゃんと聞きに来ていたのには脱帽!その後「日本的なことがしたい」と言うヒューストンからの友達。雨が降っているし、場所はみなとみらい。。。結局とらやに行って、お抹茶と和菓子を食べました。 7月4日 オフの日。練習とテレビと、ちょっとお昼のお出かけ。 7月5日 すかピアのリハーサルを朝に武蔵野でまたしました。その後私の憧れの『学食』と言うものをいただきました。確かにあまりおいしくは無かったけれど、そのお値段も、割烹着のキッチンスタッフの方々も、全てがなんとなく『学食』と言う昭和的な雰囲気で、私は満足でした。そしてその足でラチェザールの家に再びお泊りリハーサルに。本邦初演の作曲家も交えてのリハーサル。 7月6日 ラチェザール宅でリハーサルの続き。この時になって翌日の譜めくりがまだ見つかっていないことが判明!まっつぁおで電話をかけまくり、フェースブックで公募したところ、学部生来の友達が応答してくれ、友情とフェースブックの威力に感謝! 7月7日 王子ホールにて「ラチェザールと仲間たち」に出演。一時半からのゲネプロ、そして待機、調律師さんとの会話、調律の後のピアノの具合を見たり。そして6時会場、6時半開演。ほぼ満員のお客様にやはり2回のアンコールで答え、その後の打ち上げは多いに盛り上がりました! 7月8日、午後からすかピアの合わせ。1時から6時半まで 7月9日、韓国に来ました!

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