March 2015

情熱:北欧vs。南欧

今年の夏は日本に帰る前にマドリッドとイタリアに行く。 それも在って、今年の夏の日本でのリサイタルは『南欧の愛と幻想』と題し、 スペインとイタリアに関する曲を幾つか弾く。 イタリアは面白い国だ。 豊かな文化に恵まれ、実に音楽的な言語を持つ国なのだけれど、 イタリア出身の作曲家の大物はオペラに集中している。 (ヴェルディ、プッチーニ、ロッシーニ、ベリーニ…) 現代曲にはダラピッコラとかべリオとかも居るけれど、 そして19世紀にはブゾーニも居るけれど 現代曲は私の日本でのリサイタルにはいささかそぐわないし、 ブゾーニはイタリア人と言うより国際人。 取りあえずスカルラッティのソナタを3曲ほど組んで、 あとはバッハ作曲『イタリア協奏曲』?リストの『巡礼の年』? ああ、そういえば! レスピーギが居ました!! スペインは19世紀からピアノ曲の作曲家が結構いる。 アルベニス、グラナドス、ファリャ… 面白いのは、一般的に『情熱的』とされるこれらの国のピアノ曲は 超絶技巧を要するものが多いのだけれど、私が思う『情熱的』とは少し違う、と言うこと。 私が思う『情熱』はドイツ的な、概念や哲学の観念に基づいた、 熟考された、一見わからないレヴェルの複雑さを含んだものだ。 まあ、要するに、ベートーヴェン、です。 そしてロシア的な『情熱』と言うのもピアニストには良く知られている。 ラフマニノフ、スクリャービン、メトネル… でも、南欧の『情熱』と言うのは、 クラシックで良く知られているドイツ的・ロシア的情熱とはかなり違う。 遊びがいつまでもある。 どこか、余裕がある。 「失恋して悲しい~!!!!」と叫んでいても、 自分がかっこよく見えるアングルをすごく意識しているような愛嬌がある。 この余裕は気候が温暖だから? 分からないけど、おもしろい。 とってもチャーミング。 楽しんで練習している。

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音楽業界でのパワハラ

今、この映画が話題になっている。 この映画がきっかけになって音楽学校での師弟関係の難しさの話題が多い。 レッスン室と言うのは防音加工をされた密室だ。 そこに閉じこもって行われるレッスンはしばしば先生と生徒、1:1。 パワハラだけでは無い。 セクハラも大きな問題だ。 しかし、とても狭い業界。 そして、将来の狭き門をくぐれるかくぐれないかの瀬戸際に在って、 声高に権力者を糾弾する人はほぼ皆無。 私、本を書こうかな...

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近況報告

すっかりご無沙汰してしまいました。 2月13日から24日までの日本滞在中は 着いて翌日の『スカぴあ』オーディション審査、 O学園での学校演奏、 2日がかりで大々的に行われた 横須賀芸術劇場文化祭に『スカぴあ』メンバーとしてゲスト出演、 そしてヴァイオリニスト、硲美穂さんとの旧園田高弘邸での共演など、 おかげ様で大変刺激の多い、充実したものとなりました。 同時に、今年15年目となる私の日本での活動に色々な形で関わって来て下さっている方々の多くと 例え電話の会話一本でも心温まる交流のきっかけを作ってくれる ありがたい機会でした。 その中で多くの方々に「ブログ、見てるから」とおっしゃっていただきました。 もう7年近く書き続けているブログです。 色々あって、滞りがちになる時期もあるブログですが、 でも「読んでるよ」「見てるから」と言っていただくとやっぱり嬉しい。 ちょっと多忙にて、滞っていましたが、また続けます。 これからもよろしくお願いいたします。

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