2017

ドガー展で演奏しました。

今週末はヒューストン美術館(Museum of Fine Arts Houston)のドガー展で演奏しました。 ドガー展は物凄い人気で、今日が展示最終日のはずでしたが来週末まで延期になったほど。 昨日は美術館付きの駐車場が全て満杯で、かなり離れたところに駐車してヒールで走って ちょっと泣く思いでした。   でも会場についてびっくり! 演奏開始までまだ30分以上あると言うのに、もうすでに半数以上の席が埋まっているのです。 ドガーの絵に囲まれて、ドビュッシーやラヴェルを弾くと言うのはまた乙な物です。 そして、聴いている人々が本当にかぶりつくように聴いてくれるのです。 やはり絵を見てインスピレーションを得てから音楽を聴いているので 聴衆もより集中力があるのでしょうか? かなり小さなお子さんも沢山沢山いたのですが、 皆本当にじーっと一生懸命聞いてくれ、質問も沢山出ました。 演奏後には聴衆が私やオーボエ奏者を囲んで楽器についての質問をしたり 色々感想を聞かせたりしてくれて、普通の演奏会とは一味違った まさしく交流、と言った感じでした。 私はこういうカジュアルな短い演奏会で子供連れの家族が沢山来てくれた事が 本当に、本当に嬉しくて、子供たちにピアノの構造の説明などをして 大サービスをしてしまいました。 子供は本当に素直に喜んでくれるからスっごく好きです。   私も演奏の前後にインスピレーションを沢山もらいました。 美を愛でると言う行為はそのまま、自分を愛でる、周りの人間を愛でる そして世界を愛でると言う事に直接つながる。 だから、大事なんだと実感できた週末でした。 幸せでした。 音楽人生万歳!

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カフェで幸せ。

久しぶりにゆったりとした気持ちです。 一人でゆっくりとお昼をした後、大好きなカフェに来てラッテを飲みながら書いています。 最近はお砂糖を極力控えているのだけれど、今日は色々頑張ったご褒美。 ラッテの上にサラサラとザラメをかけたので、表面が光っているのがご覧いただけますか? こうやって飲むと、上のホワホワのスチームミルクに甘いじゃりじゃり感が加わって 私はとっても幸せです。   今朝は早起きして練習した後、今週末土日のリハーサルに行きました。 土曜日と日曜日は3時からと4時半からそれぞれ30分ずつ、 ヒューストン美術館(Museum of Fine Arts Houston)のドガー展で ドガーと同時代の作曲家の作品をオーボエ奏者のAlecia Lawyerと演奏します。 素敵な企画でしょ? 詳細はこちらでどうぞ。 https://www.mfah.org/calendar/not-your-typical-impressionist-music/   私が今来ているのはInversionと言うカフェです。 http://www.inversioncoffeehouse.com/location.html Art League Houstonと言う視覚芸術を教えたり展示したりする所と 絵画・工芸用品を扱うお店の隣にあって、 お店の壁にかかる展示物も定期的に変わる、ギャラリーの様なカフェです。 来る人はArt League Houstonの関係の方が多いのか、 彼らのファッションを観察するのも楽しいです。 ここに来て一人ひとりを盗み見て、その人生や今日なんでこのカフェに居るのか、 想像を繰り広げて、優しい気持ちになります。 皆一生懸命、出来るだけ良い人生、良い一日を送ろうと思って工夫して頑張っている。 最近は朝から晩まで一歩も外に出ないで論文に没頭する日々が数日続いたり、 ちょっと論文から距離を置くときは練習室にこもってピアノとひたすら向き合ったり、 そういう時間が多かった。 クリスマス・年末年始の会合と言うのはそれなりにあって 全て楽しく参加させていただいていたのですが、 でもこうやって一人で外でゆったりする時間と言うのは全く違います。 私はあんまりこう言う事をしないのですが、でもたまにすると命の洗濯になります。 私の座っている机の真横の壁はこんな感じ。   幸せな気持ちの理由は沢山、沢山ありますが、一番直接的なのはこれかな? 昨日の夜、ドアに貼ってあるのに気が付きました。 「Piano sounds awesome!(ピアノすっごく良い!)」と書いてあります。 あんまり嬉しかったので「ありがとう!ご自由にお取りください」とCDを3枚出して置いたら お昼までにはみんな無くなっていました。   もう一つ幸せな理由は1月19日に大好きなゴールドベルグ変奏曲を演奏できること。 練習していても毎日この曲の偉大さに一瞬一瞬が「開眼!」と言う感じ。 この曲は本当に底知れない深さと広がりがあるのですが、 同時に信じられないミクロの世界もあります。

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ピアニストで良かった。ありがとう。

今回の博士論文のリサーチで分かったこと。 私は無知なので、新情報を得ると(ウォー)とすぐ思って自分の見解に影響を受けてしまう。 でもこれは危ない。自分がデマで動かされる群衆の一人になってしまう危険性がある。 一つの情報に関して自分が責任を持てる見解を提示できるに至るまでには 沢山の人の多様な見解をまず出来るだけ中立な視点で吸収し、 情報がどこまで、どのような証拠を持って「真実」なのかを自分で決めるしかない。 その上でその情報が自分の歴史や人間性に関する見解にどのように影響させるか決める。   最終的には歴史はそれぞれの歴史の語り部の「信念」に物凄くバイアスをかけられた物語。 そして本当は「真実」は物語では語れない、もしかしたら言葉では語れない、 そう言う物なんだと思います。   特に私がそう感じたのは、音楽史に於いて、演奏家の視点がほとんどない事からです。 音楽史は作曲家の作品と見解、そして評論家や音楽理論家の書いたものを基にして 基本的に今まで書かれてきました。 でも演奏家の音楽の体験と言うのはそれとはまったく別なもので、 これは私は自分の人生体験を持って実感として分かるのです。   そして勿論、女性の視点と言うのも今までの歴史の理解からは大きく欠落しています。   私はやっぱりリアルタイムでの実体験と言う物を強調する演奏と言う職業で良かった。 そして私がピアニストになるためには 多くの人が沢山の時間と労力と資材と気持ちを投資してくれました。 この人達の事は私が公に表明しないと、やはり歴史と言う物語からは欠落してしまいます。 特に欠落しやすいのは幼少期の母親の影響だと思います。   私の母は、私が子供の頃私のレッスンには全て同席して細かくノートを取り、 練習の時は必ずとなりに座ってノートを見ながら私の練習の手助けをしてくれました。 私より丁度3歳年下の妹が大声で泣いている中 「あやの泣き声より大きな音で~!」と、 これも大きな声の母が声を張り上げて言っていたのを良く覚えています。 (二人に負けるまい!)と私も一生懸命弾きました。 レッスンの道中はいつも飴を二個用意してくれていました。 行きに一個、帰りに一個、なめるのです。 サクマのドロップとか、ミカンの形の飴とか色々あって、毎回楽しみでした。   私の生徒にも(この子は才能があるな)と思う子がたまにいます。 でも大抵環境が悪くて、ダメなのです。 例えばNちゃん。 ピアノが大好きでレッスン室に入ると飛びつくようにピアノにかじりついて弾き始めます。 本当に大好きなんです。 でも練習して来ない。 聞くと「家の電子ピアノが引越しの際に壊れて、蓋も開かないし音も出ない」と言う事。 始めは信じていましたが、これが何週間も続いたので、 (もしかしたら練習したくないので言い訳しているのかな)と言う半信半疑も在って お家にメールしてみました。 「電子ピアノが壊れているそうですが、Nちゃんは練習をしたがっています。 修理に関して私がお手伝いできることがあったら教えてください」 そしたら「修理は簡単なんです。」と言うお返事。 「引越し業者が壊したので、弁償のための査定を受けるのを待っているだけです。」 …結局その状態が3か月続きました。 9歳の3か月は長いです。 (私の両親だったら在り得なかったな~)、と改めて両親に感謝の念を覚えました。   歴史の検証は大事だと思います。

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お正月=ワニ24匹+亀4匹+蛇一匹+鳥約400羽

明けましておめでとうございます。 2017年もよろしくお願いいたします。   アメリカのお正月は日本とは違い、宗教観や家族の行事とは切り離された感があります。 お店もクリスマスよりは通常運営の所が多く、 今年はたまたま月曜日が振替休日ですが普段は2日から仕事始めなので 皆1日はその準備と言うか、ホリデー期間からの回復に充てる日と言う感じで 大晦日のどんちゃん騒ぎとは打って変わった静かな休日です。   私は2010年の秋にヒューストンに越してきて以来 初めて年末年始をヒューストンで過ごしています。 大晦日ぎりぎりまで論文の手直しをしていましたが、それも無事終わり、 木曽蕎麦で年越しそば。 真夜中には屋上で遠くに数多く上がる花火を野の君と鑑賞。   元旦は家で簡単な朝食の後(でも父の実家の伝統の干し柿は頂きました) Brazo Bend州立公園に行きました。 ヒューストンの我が家から車で一時間位です。 ワニが見れるので有名な主に沼地の公園で 4000エーカー以上(東京ドーム350個分)の広さ! そこで12.5キロ、17802歩歩き回りました。 まず最初に案内所で、 蛇の抜け殻やアルマディロや亀の甲羅、色々な動物のはく製や 「公園でこの蛇を観たら要注意!」の毒蛇の展示などを見て回りました。 そこでは係りの方々が生後4か月と16か月の赤ちゃんワニを抱えていらして 撫でさせてくれます。 生後4か月のワニは本当に柔らかい!それに比べて16か月はしっかりとした肌触りです。 おとなしく抱かれているワニはとても可愛いです。 「今日はワニ、観れますかね~」と私が質問をすると 「今日は日が出ているから一匹は見れるんじゃないの?湖の周りが要注意ね」 と教えてくれます。 ま、観れなくて当然、と思って歩き始めました。   最初にその自然の雄大さに驚きました。 鳥が多い!そして堂々と水面からバタバタと飛び立ったり大きな声で鳴いたり、 都会の鳥とは全然違う、生き生きとした存在感です。 始めは「論文執筆でなまった身体を、一杯歩いてリスタートしたい!」と言う気持ちで シャカシャカ歩いていましたが、 ふと立ち止まって耳を傾けると自然の営みが壮大で、いつまでも聞きほれていられます。   そして私たちはすぐにワニに遭遇しました! 「ラッキーだね。2017年は幸先が良いね~」などと始めは言っていましたが、 その後次から次へと赤ちゃんからかなり大きい物まで 時には怖いくらいの超側近で観ることが出来ました。     この写真はワニが微笑んでいるように見えるので好きです。   案内所での赤ちゃん2匹を数えずとも私は24匹のワニ、4匹の亀、一匹の蛇(黄色と黒) そして多分400羽位の鳥たちと遭遇する事が出来ました。 そして歩きながら、今までの事、これからの事、くだらない事、沢山話しました。   今年は我を忘れる位夢中になれる瞬間を沢山持てるような 自分を打ち込める仕事(演奏・執筆・研究・社会貢献)を沢山開拓する年にしたいです。

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