Rice University

祝!ライス大学創立100周年

ライス大学は1912年に創立されました。今年は創立100周年記念に当たり、それを祝って今週は木曜日と金曜日のクラスは全てキャンセル、木曜日から日曜日にかけて沢山の催し物が企画されています。学校創立時代にKneiser Quartetが演奏したプログラムをそのまま再現した、音楽学校教授陣によるコンサートが企画されたり、政府・科学などの有名人の講義などが毎日沢山企画されています。 ちょっと手前味噌になってしまうのですが、ライス大学は「南部のハーヴァード」と言われ、アメリカの大学内でのランキングも高く (U.S.News and World Reportによると、アメリカ内の大学では17位、プリンストンによると「アメリカで一番高い生徒の幸福度」)、特に理数系で鳴らしている総合大学です。寄付も多く集まり、生徒と教授の数は5;1と、アイヴィーリーグも含めて、アメリカの中では一番高い方のようです。修士以上の生徒にはほとんどの学費が奨学金でまかなわれ、博士課程になると学費は全て保障されるほか、お小遣いももらえます。 と、言うことで100周年にあたって私も少しライス大学賛歌を唱えてみました。私は木曜日の夜に、100周年特別企画のオーケストラコンサートを聴きに行きました。シベリウスの交響曲2番、そしてピアノ教授のジョン・キムラ・パーカー氏のソロによるラフマニノフ作曲「パガニーニの主題による狂詩曲」そして目玉はこの100周年記念のために作曲された、アメリカ人作曲家でピュリツァー賞受賞者、William Bolcom氏の交響曲9番です。Bolcom氏はラグタイムと言うジャンルの再生のきっかけとなったことでも有名ですが、この交響曲9番は『人々がお互いに耳を傾けなくなって現代を危惧して』と作曲家自身がノートに記しているように、焦燥感募る速いセクションと瞑想するような静かな部分が交差する、色々な考えを即する一楽章から成る曲です。演奏会は満場総立ちで大変盛り上がって終わりました。この学校の一員としてとても誇らしいコンサートでした。 そして金曜日のお昼には学校を挙げての「生徒、教授、スタッフ、そして卒業生のためのピクニック」。キャンパス内いっぱいに地域のレストランや学校の食堂や、大きなチェーンから沢山の食べ物屋さんが出店を出店して、ハンバーガー、ピザ、サンドウィッチ、アイスクリーム、巻き寿司、クッキー、フレンチフライ、ガンボ(南部特有のシチューのような物)、などなど、沢山の食べ物を全て無料で配っています!凄い! とても楽しい100周年記念でした。ライス万歳!

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大統領選討論を見て、その他

私の教えている「非音楽学生のための音楽理論」は今、ジョーセフ・フークスと言う人が「Graddus ad Parnassum」と言う教則本にまとめた「Speceis Counterpoint」と言う主にパレストリーナなどの書いた16世紀の音楽に基づいた対位法を教えています。この方法はとてもルールがはっきりしていて、教則のメソッドとしては教えやすいのですが、実際の音楽への応用を疑問視する人も多く、今ではあまり教えられていません。私も学校で正規に勉強したことは無く、でもルールが細かく、選択肢が狭く、ほとんどゲーム感覚で次の音が決まっていくので、音楽学生じゃない学生に教えるのには手ごろ、と言うことでがんばって教えています。が、授業の前にこの細かいルールのリストを頭に叩き込むこと約2時間、そしてそれでも、授業中のデモンストレーションで皆でそれぞれの音を協議して書き進めていく時「先生、それはこれこれのルールを犯しているよ~」と生徒に指摘されて、「おお、確かにそうだ!良く覚えていたね~」と赤面ものです。 そしてルネッサンスの授業は天正遣欧少年使節の資料が面白くてたまりません。久しぶりに意欲的に読書をしている感じ。私は子供の頃は本の虫で、トイレでも練習中でも就寝時間でも登校中でも、授業中ですら、大人の目を盗んで(読みすぎて、他に何もしないのでいつも怒られていた)本にかじりついている子供でしたが、今その感覚がちょっと戻っている感じ。 それに比べて、音楽分析の70ページの読み物は斜め読みです。今読んでいるのは、ソナタ形式と言うのがいかに18世紀の貴族文化にマッチしていたか、しかしこれがロマン派に移行するにつれ、いかに作曲家の意図にそぐわなくなってきたか、そして作曲家がソナタ形式をいかに歪曲、課題解釈していったか、その中でも「保守的」とされたブラームスが、「クラッシク時代」から「ロマン派時代」の架け橋となったとされるシューベルトのソナタ形式書法(そしてその型破りさ)からいかに多くを学び、自分のソナタにそのまま応用しているか、と言う概要の長い、なが~い学術分。概要を書き出すと結構興味深いのですが、実際はえんえんと「このソナタのこの部分とこのソナタのこの部分を比べると、この調性があの調性に移行する前の準備が10小節にわたってこのように進められる方法において酷似している」とか、楽譜を引き合いに出さずにただ曲名だけれ例がバンバン出されて、そりゃあ、この宿題に一ヶ月書けるつもりならちゃんと楽譜を引っ張り出してきて(フムフム)と調べますけど、そんな3日でそんな時間はありません!全部読み飛ばして、要点だけとりあえずつまみ食いです。 そしてアパートは今、ルームメート探しで大変!メール、電話、そして実際部屋を見てもらってお互いのインタビュー。中々楽しく興味深い作業ですが、時間がかかります。 そんな中、昨日はこの大統領選初の討論を見ました。オバマとロムニ―、一時間半にわたる討論です。二人ともノートも見ずにお互いの方針について、統計や過去の業績や、事実をバンバン出してきます。 凄いなあ、同じ人間とは思えないよ、と思いつつ、しかし二人の言うことにあまりに食い違いがあるので、どこかで誰かが間違えているか、うそをついているな、と思ったら今朝の新聞で、ちゃんと二人の犯した事実引き合いの間違えのリストが発表されていました。よかった~、皆間違えるんだ!

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猛勉強で分かったこと。

演奏一筋で来た私は寝食・遊び・世情・私生活など 普通の人が「人生」とするほとんどの全てを練習と演奏活動の二の次にして来た。 もちろん、勉強もそうである。 演奏に直接関係ある勉強はしてきたが、それも限られた物だった。 今回、ルネッサンス音楽の試験勉強をほとんど始めて本気でして見て、分かったことがある。 私は今まで音楽と演奏以外のなんにも本気でしたことが無かった、と言うことだ。 今まで私は一瞬で分からないこと、脳にインプットされない情報は 自分に向かない、あるいは興味がない、あるいは関係ない、としてあきらめて来た。 でも、本を読む、何かを学ぶ、と言う事は練習と同じくらいの努力が必要だと言うことが ここに来て初めて分かった。 私は練習する時は信じられないほど同じことを何度も繰り返して、それが当たり前だと思っている。 難しい文章を一度読んで(分からない)といつもあきらめてきたことは、なんともったいなかったか! 難しい本を読むことは難しい曲を学ぶのと全く同じだ! 曲を暗譜することを思えば、歴史や地理を覚えることなんて、何でも無い! (勉強は私には向かない)と決めつけて来たけど、 私だって練習するつもりで勉強すれば結構出来るのかも知れない。 マニュアル車の運転だって同じだ。 料理だって、家事だって! 健康管理だって、運動だって! と、寝不足の頭で前向きに考えてみました。

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試験勉強、開始!

来週の火曜日、ルネッサンス音楽の試験勉強がある。 中世の終わり(Guillaume de Machaut1300-1377やFrancesco Landini、1325-97)から始まってとりあえずJosquin Des Prez(1440-1521)やHeinrich Issac(1450-1517)まで。 ところが引越しや、車購入や、先週末のリサイタルなどのもろもろで追われていた私は、今学期ほとんど勉強を最低限でここまで来ているのである。このままでは落第かも! 来年の秋に博士課程の最大の難関である筆記・口頭試験がある。音楽理論4時間、音楽史4時間、そしてピアノ演奏4時間、それぞれ何を聞かれても答えられなければいけない、非常に厳しい試験である。それに向けて、いまから猛勉強の仕方を身に付けておかなければ。 今夜、火曜の夜、現在7時40分。これから就寝(深夜)まで勉強します。夕飯は今、食べ終えました。これから私がすることは全て勉強のためです。 1.集中が続かなくなってきたら、まず独り言を言ってみましょう。本を音読するも良し、考えを声にするも良し。兎に角、声を出し、自分の発声した言葉を聴くことで、勉強に集中。 2.それでも集中が途切れてきたら、今度は体を動かしながら勉強。夕飯の後片付け、歯磨き、洗顔、着替え、就寝、簡単なストレッチ。そう言うことをしながらも、記憶するべきことを声にしたり、読み物をしながら。 3.そして、自分が取得した知識を少しずつ、読者の皆さんに楽しく、分かりやすいよういブログでこまめに更新していきましょう。これは自分の復習にもなるし、記録にもなるし、楽しい! よ~い、ドン!

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月・水・金のスケジュール

月曜日、水曜日、金曜日は私が「非音楽専攻のための音楽理論」を教える日です。 クラスは1時から1時50分まで。 毎朝7時くらいからクラスの準備を始めます。 一応、なんらかの形での音楽経験を踏まえた人が取るクラスなので、 基本(音符とリズム、スケールと調性)は駆け足で終わり、今は和音の授業です。 今日は属7について話します。 クラスの準備は生徒が使用する教科書をちゃんと読んで、 それと違った視点から説明しないように準備します。 自分が知ったつもりで居る音楽の基本を他の人の言葉で読むのは面白いです。 そしてそれを、とても知りたがっている人たちに、 出来るだけ簡潔に、しかし将来のために色々な解釈・発展の余地を残して、 工夫して喋るのもとても楽しいです。 私は音楽に関すること、特に音楽を人と分かち合う、と言う行為は何でも好きですが、 こういう風にクラスを教えるのはとても、とても楽しい! 10時20分には、出発して、学校に着くのは11時半頃です。 着いたら、図書館や色々のオフィスで用事を済ませたり、クラスのプリントを印刷したりして、 早めに教室に着くと、いつも生徒が2、3人早めに来ていて、質問を抱えて待っています。 この前は中国人のエンジニア専攻の女の子に 「エンジニアは女の子が専攻するもんじゃ無い。就職活動をしているけれど、肉体的にきついものや、出張を多く強いられる物が多くていやだ。自分は音楽専攻になりたい。」と言われて、ちょっと困りました。中国人の女の子でかなりピアノは弾けるようなのですが、音楽の理論的な理解はほぼ皆無で、不思議に思っていた子だったのです。それに「女だから」とか、「男だから」と言う考え方は私は個人的に避けるようにしているので(まあ、アメリカでは一般の風潮がそうですが)、まっすぐにそう言う言い方をされると、反感を覚えるより先に戸惑ってしまい、一瞬言葉に詰まりました。でも、信頼されてそう言う相談を持ちかけられるんだ、と言うことは嬉しいので、出来る限り正直に応えるようにしています。 この前の水曜日のクラスは音楽理論の主任教授が偵察に来て、 一時間の授業をしっかり最初から最後まで見てコメントをくれました。 「君の熱意は素晴らしい!教科書の例をピアノで弾いて見せることが出来るのも素晴らしい!クラス全体が君の事を好きなのが、良くわかるよ」と褒められて、凄くうれしかった。 でも、「もっと生徒たちの音楽体験に、クラスの内容を近づけて。彼らが知っていると思われる曲を例に使うとか、工夫の余地があり!」と言われました。がんばるぞ! 週3回のうち、2回は宿題が出ます。 採点には結構時間がかかります。 スマイル・マークとか、コメントとかを減らせばもう少し早くできるかも知れませんが、 でも、登校・下校時のバスや電車の中とか、色々な待ち時間などを利用して、 どんな細かい時間でも採点をする様にしていると、この朝の準備時間を採点に費やさなくて済みます。 採点も結構楽しい。 生徒がどうして間違えるのか考えると、次の授業の工夫へのアイディアが沸いてきます。 とても集中して、たまに自分がバスに乗っているのか電車に乗っているのか忘れてしまいます。 採点をしていると、一人一人の生徒の顔が思い浮かびます。 皆、それぞれ正直にがんばっていると思います。えらいな~ クラスが終わったら、自分の練習をします。このごろは練習時間がとても減っていて、一日2時間出来れば良いほうです。引越しが完了して、登校時間が半減以下になったら、もっと出来ると思います。 午後はオーケストラのリハーサルが5時から7時まであります。 今、私はレスピーギのTrittico Botticellianoと言う曲のピアノパートを担当しています。この曲は画家、ボッティチェーリの三枚の絵に触発された3楽章の曲から成る交響詩です。結構弾きっぱなしのピアノパートで、楽しいです。指揮はトーマス・ホング氏。ダラス交響楽団のアシスタントとライス大学のオケのアシスタントを掛け持ちしています。時間のやりくりが大変そう!でも大汗をかきながら、楽しそうに指揮をする、3枚目です。中国系かな?レスピーギは聖歌や、ルネッサンスなどの音楽に興味を持ち、その影響を自分の作曲に多いに取り入れた人です。去年中世音楽、そして今ルネッサンス音楽の授業を受けているので、前よりも如実に彼が取り入れた音楽の要素が分かります。 7時から、電車とバスを乗り継ぐと、帰宅は8時半ごろになります。それからお夕飯を食べて居ると、もうその後DVDとかを見て憩いの時間を作ろうと思っても、大抵DVDの最初の10分で熟睡してしまいます。

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