January 2017

2017年日本での演奏活動!6月17日(土)と6月22日(木)!

17年目となる今年の夏の私の独奏会のお知らせを、今日は発信いたします。 初年からずっと見守って来てくださった方もいらっしゃる私の恒例の演奏会。 今年は色々な意味での節目の演奏会です。 現時点では予定ではございますが、私の博士論文『暗譜ピアノ演奏の起源』もいよいよラストスパートに入り、この5月には本当にお陰様で、卒業の予定です。   今まで見守って来てくださった皆さまへの感謝の気持ちを込めて、今年は私が特に思い入れの強い曲を弾きたいと思い、選曲をいたしました。   題して『天上の音楽vs.地上の英雄』。   前半にバッハのゴルトベルグ変奏曲。 後半はショパンの「英雄ポロネーズ」、リストのメフィストワルツ一番、そしてこの二人の対照的に抒情的な小品をお届けします。 私の今までの修行の総体性、 さらに今論文執筆を終えた私が西洋クラシックの価値を再評価する上で、 厳選した曲たちです。   天上の音楽とは、天球の音楽としても知られる古代ギリシャの音楽思想です。 ご存知の方も多いと思いますが、 「動きのあるものには音がある」と考えた彼らは 「天球も動いている=だから音がある」と考えました。 良い音楽とはこの天球の音楽に共鳴する音楽と言う思想は、 コペルニクスやガリレオが「実際には天上の音楽は在り得ない」と立証した後にも、 西洋音楽を19世紀まで影響し続けました。 私にとって究極の天球の音楽はバッハのゴルトベルグ変奏曲です。 2011年にお聴き頂いたゴルトベルグやCD収録した物とは、大きく変化したゴルトベルグをお届けできると自負して、またこの大曲に挑みます。   バッハの世界は数字や宗教に「絶対的な真実」を求めます。   これに対して後半で演奏させていただく19世紀の音楽は主観に徹底します。 工業革命や都市化やドイツ理想主義の哲学の結果、 「絶対的な真実」と言う考えに見切りをつけ、 「個性」と言う物を追い求めた19世紀の人々は勇敢に主観の表現を極め、 個性と言う物を確立して行きます。 その中でも特に、 ピアノ音楽の世界で英雄的な開拓をしたリストとショパンをお楽しみ頂こうと、 今から楽しみに練習しております。   日本での演奏を始めた2001年、私は舞台恐怖症と戦うスランプの時に在りました。 今こうして私が博士課程の終わりを間近に控え、幸せな結婚を果たし、 さらにこうして夏の演奏会を楽しみに毎日練習に励んでいられるのは、 17年間皆さまに暖かく見守って、励まして、そして応援して頂いてきたからです。   感謝の念に堪えません。 今年の演奏会場で皆さまと再会できることを今から大変楽しみにしております。 平田真希子。   演奏会#1 時:6月17日(土)13時開場、13時半開演~15時半終演 会場:品川きゅりあん(東京都品川区東大井5-18-1、最寄り駅は大井町駅)   演奏会#2 時:6月22日(木)13時開場、13時半開演~20時半終演 会場:美浜文化ホール、音楽ホール (千葉市美浜区真砂5-15-2、最寄り駅はJR京葉線検見川浜駅、JR総武線新検見川駅) どちらとも当日券は3,000円、前売りのみのペアチケットは5,000円、 そして高校生以下は2,000円でご案内させていただいています。 なお、恐縮ですが未就学児のご来場はご遠慮ください。 […]

2017年日本での演奏活動!6月17日(土)と6月22日(木)! Read More »

自分に正直に練習する=練習時間の効率向上!

3時間半、練習できる。土曜日の朝の贅沢。   今日やる曲は今年6月17日(品川きゅりあん)と6月22日(千葉美浜文化ホール)でやる 今年17年目のピアノ・トーク「天上の音楽・地上の英雄」の演目と、 2週間後に収録するフルートとの共演の2曲。   ゴルトベルグ変奏曲(難所のみ)(リピート無しで45分)、 リストのメフィスト・ワルツ一番(12分)、ハンガリー狂詩曲2番(10分)、 リスト編曲シューベルトの『アヴェ・マリア』(6分)、 ベートーヴェンの「エロイカ変奏曲」(22分) ショパンの「英雄ポロネーズ」(7分) そしてプロコフィエフのニ長調ソナタ4楽章(7分) Gaubertのフルート幻想曲(8分)。   カッコ内の演奏分数は合計で109分。 これを全部通していたら練習している暇がない。 効率よく練習する。 その為には自分に正直になる。   弾けているところは弾かない。気持ちよくても、弾きたくても、割愛。   自分にとって何が難しい箇所はどこなのか。どうして難しいのか。 難所を難しくしている要素を隔離してじっくり分析、対処する。   これは中々厳しい。 弾けているところを気持ちよく弾いて酔いたい。 (自分って上手い!)と思いたい。 でもそれは時間の無駄。 そして弾きにくい所を(難しい)と認めるのも、結構大変。 癪に障る。認めたくない。 でも、そこはグッと大人になって、チャレンジ精神で乗り越える。 そしてチャレンジをクリアする過程を貪欲に楽しむ。 自分を褒める。   音楽人生万歳!   練習しながら忘備録の書き足し。 エロイカ変奏曲の13番は、私が今最も「これは弾けるかな」と不安に思っているところ。 でも今日発見。 これは単純に集中力の問題。 この変奏曲は面白くない。なのに突発的に難所がちりばめてある。 この単純さの中の技術的なチャレンジが、頭が飛んでいるところで弾ききれない。 ゲーム感覚でとにかく正確に当てることに集中! それからどんなパッセージにも意味づけをし、音楽性を持たせる。 そうすることで意識(=集中力)を保つ。  

自分に正直に練習する=練習時間の効率向上! Read More »

人生模索中に「美人」に出会う。

論文がどんどん形が整ってきて、同時に自分の中で色々な事が整理が付き、 長い、なが~い冬眠から目が覚めて来ているような感じです。。 全てが新鮮で刺激的で、色々吸収したい! 練習や社交や人生勉強に積極的になっている自分を、嬉しく達観して見ていたりもします。   火曜日の夜はAsia Society Texas CenterのWomen Leadership Seriesに参加して来ました。 Big Data and Social Extremismと言うタイトルで”Linking the World”と言うNPOのCEO、 Mina Changが話しをする、と言う事で、良く分からなかあったけど、 チケットをくださる方があったので「これも縁!」と思っていくことにしました。 Linking the Worldと言うNPOは元々自然災害や難民キャンプなどに行って救済を行う、 と言う事をやっていたようです。 でも、災害が起こってから救済に行くのでは遅い、と言う事で 色々なデータを集めてそれを分析することにより、 どこに投資すれば大災害が防げるか、と言う方法に変えた、と言うお話しでした。 今一番の問題は過激主義です。 貧困にあえいでいる区域では、思想とかの問題の前に救援物資が欲しくて テロリストでも何でも、仕事や物資支援をオファーするグループに付いて行きます。 テロリストもデータを駆使して、自分たちについて来そうな貧窮区域をチェックしています。 しかしこれらの地域は結果的に自分たちが加害者になってしまったり、 見捨てられたり、殺されたりしてしまいます。 これを防ぐためには、テロリストよりも強いデータ力でどこに物資支援を投資すれば 人害を最小限に食い止められるか、計算するのだそうです。 そのようなデータがどこから来るかと言えば、GoogleやFacebookなどのソーシャルメディア。 避難民は、情報源や情報交換の貴重な道具として、スマホを手放さいそうです。 彼らが何を調べ、何を挙げるか、これらでデータが取れるのだそうです。   この日お話しをしたのは、この人です。     この人は、普通の容姿では無い。 出てきた瞬間「宝塚!」と思いました。 何しろ背が高い。足が細くて長い。顔の堀が深い。鼻筋が非常に通っている。 この人は元々韓国でアイドル歌手をやっていたそうです。 私は野の君と、ご存知私の心の友、佐々木麻衣子さんと一緒に行ったのですが、 3人とも同じような印象を圧倒的に受けた事が講義のあとで分かりました。 「美人の方がお金を集めやすいよね~」と笑い合いましたが、 でも家に帰ってからこれは本当か?とちょっと自省してみました。 この人はこのヴィデオでもそうですが、すごくしっかりと、つっかえることなく、 自分の体験と観察に基づいた、世界の一番窮している場所の状況を冷静に甘えることなく 淡々とお話しをしています。 しかも、聴衆に魅せるビデオでは自ら迷彩服とヘルメットを着け、

人生模索中に「美人」に出会う。 Read More »

Houston Women's Marchに参加しました。

ドナルド・トランプ就任翌日は、 世界各地でWomen’s Marchと呼ばれるデモ集会が行われました。 私の友達の多くはワシントンで開かれたWomen’s Marchに参加しました。 The New York Timesによると、ワシントンD.C.のマーチ参加人数は トランプの就任式の3倍の人数がデモに参加した、と推測されるようです。 https://www.nytimes.com/interactive/2017/01/22/us/politics/womens-march-trump-crowd-estimates.html?_r=0   私は今まで芸術家が政治的発言をすることをあまり良く思っていなかったので敢えて控えていました。でもトランプ氏の場合は政治と言うより倫理の問題だと思い、多いに発言をしようと決意しました。同じような理由で、今まではデモ集会に出たりするよりは練習を優先させてきましたが、土曜日は生まれて初めて、デモに参加しました。ヒューストンで行われた集会の過去最高の参加数だったそうです。22,000人の参加者と言う推測が出ています。 http://www.chron.com/houston/article/Sister-women-s-march-to-protest-election-of-10872857.php   デモ集会と言うのは、エネルギーに満ちています。 「Love Trumps Hate(愛は憎しみを打倒(動詞:trump)する!)」 「People United will never be Devided(結束した人は相違しない!)」 「This is what Democracy Looks Like!(民主主義を見せつける!)」 などと言ったチャントが人々の間を行き交い、 全くの他人でも、声を合わせてチャントを唱えればなんとなく親近感が湧き、 さらに『同志!』と言ったような連帯感で、みんな笑みを交わし、 結構楽しい物です。   Facebookでは私の友達が世界中で同じような集会に参加している写真を挙げました。 フランクフルト、ロンドン、NY、ワシントン、LA、サンフランシスコ、ホノルル…   私と野の君は、デモの周辺は混雑が予想されたため、歩いて現地まで行き、 デモの後は歩いて帰ったので、15,000歩も歩いてしまいました! 距離にして10キロちょっと。 その後菜食ビュッフェに行って、モリモリ食べました。   夜は、特にこの日を記念して「Hidden Figures」と言う映画を映画館で観ました。 1960年代、アメリカ初の宇宙計画の縁の下の力持ちとなった黒人女性の数学者、エンジニア、エアロスペース・エンジニアの3人組のお話しです。涙が出るような人種差別の中、Martin Luther King Jr.の非暴力の社会抵抗と同時期に、3人とも子供を育てながら黙々とNASAが3人が無くてはならない存在と認めるまで、頑張っていくお話し。 http://originalmobs.jp/sands/2017/01/03/hidden-figures/   トランプの大きな問題の一つは白人男性優勢主義的な発言を多くしていることです。 さらに、白人男性の中でもお金持ち優勢。 このNASAの黒人女性たちは、黒人で、さらに女性である、と言う事で、 白人男性よりもずっと必要なお仕事をしながら、

Houston Women's Marchに参加しました。 Read More »

トランプの就任式の日に多様性を見直す。

トランプの就任式である今日、 ライス大学は大学を挙げて移民法や人種差別の歴史などを見直したり、 新しい政権に現実的にどのように対処して自分たちの知性や教育や選択の権利を守るか、 パネル協議や講義、そしてディスカッショングループを大々的に開催しました。   私は「ビジネス界に於ける人種の多様性」の一日学会を聴講しました。 アジア商工会、黒人商工会、南米出身者商工会 LGBTQ(多様な性指向や性別アイデンティティーの権利を主張するグループ)商工会、 人種の多様性の必要性を大企業に説き、 どのように多様性を作り出すか人員派遣やアドヴァイスをする会社を創立して 大成功をおさめた黒人女性の社長、 その他沢山の人々の講義やパネル協議を聞き、多いに勇気づけられました。   「人種の多様性を『企画プロジェクト』としている間はダメだ。 人種の多様性が会社や社会の文化の一部とならなければ。 『企画プロジェクト』なんて言う物は付け焼刃でしかない。 そんな物は文化には絶対太刀打ちできない」   「自分がその木陰を楽しむことがないであろう苗木を植える、と言う事を 私たち一人ひとりが少しずつでもやることで、社会は良くなる」   「多様な視点を統合しなければ、世界に対する正しい視点は得られない」   「有色人種の権利を主張することで、 白人が自分の権利を剥奪されるような危機感を覚えるのはおかしい。 全体的に、みんなで幸せレヴェルをアップして相乗効果を醸し出そうと提案しているのだ」   今日の学会では講義をする人やパネルの人々、参加者の40パーセントが黒人でした。 そして次に多い人種がアジア人、そしてラテン系、白人と言う順で、 女性もとても多かった。 そしてライスの卒業生や教授など本当に多様な参加者で でも年齢や人種や立場に関わらず本当に平等感が在り、 質問者も講義をする教授と同じくらいしっかりと意見があり、 それがしっかりと聞かれ、本当に素晴らしい会でした。 私はアメリカ在住の自分が有色人種の移民女性である、と言う事に希望を見出しました。   トランプはイスラム系のアメリカ移民の全てを登録させる、と言っています。 テロ対策と言う大義名分の基ですが、 これは日系人を第二次世界大戦中に収容所に入れた時の状況と似ているそうです。 日系人(Japanese-American Citizen’s League)は戦後、 アメリカ政府を裁判で訴え勝利をおさめた過去があるので、 今、イスラム系の人々を支援しようと頑張っています。 それからラテン系の移民の強制送還もほのめかしています。 さらに、移民法の取り締まりも厳しくなるそうで、私の友人の多くは戦々恐々としています。   さらにトランプは就任前日の昨日 全米芸術基金と全米人文科学基金をカットする、と発表しました。 それを受けて就任式の今日、NYでは美術館や博物館が入場料を無料にし 「アメリカの多様性と開放性を体験してもらう」と決断しました。 全米芸術基金はアメリカの政府の予算の0.02パーセントしかありません。 これは年収が500万円の人が一年に千円芸術に寄付するのと同じです。 この0.02パーセントの予算削減はだから、象徴的なモノです。 そして、これは非常に悲しい、けちな、象徴です。

トランプの就任式の日に多様性を見直す。 Read More »