September 2014

演奏旅行

月曜日の夜、パリに向けて出発する。 約一年の間に三度目のパリである。 ナンだかちょっと『パリに帰る』、と言う感じ。 一回目は2013年の夏、国際比較文学研究会の学会での研究発表と 学会開会前夜に演奏させていただいた。 二回目はその直後の10月。 と、言うことで約1年ぶりのパリ。 今回は28日(日)の夜19時開演で第4区にあるアルメニア教会での演奏もさせて頂く。 音楽の世界は狭い。 世界中に音楽仲間が散らばっている。 今回パリに行くと世間話を何気なくしたら 昔しの学友が今はパリと聞いてびっくり。 早速連絡を取ってランチの約束をする。 友達の友達も多い。 さらに異国で会う同郷人と言う、繋がりも生まれる。 去年の秋にパリでたまたま言葉を交わした日本人留学生の方々が Facebookで今回の来訪を楽しみにしてくださっている。 ありがたい。 「音楽は世界の共通語」だなあ、とこう言う時にも思う。 と、言うことで場所や環境は変われど、 私はする事はいつもと同じなので 楽しみなだけで「大変」ではない。 行ってきます!

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ほっこりする話し

ライス大学は大きな大学である。 キャンパスには色々なビジネスが在る。 スチューデント・センターと言う、飲食店や本屋や、バーやコーヒー店が入っている、 生徒がくつろいだり、たむろしたり、勉強したりするビルがあって その中にコピー・印刷専門店がある。 そこのおじさんはひょうひょうとした、人当たりの良い、だれにでも挨拶をする気さくな人だ。 ライス大学の一年目に、指揮をするためにどうしても必要な総譜のコピーを頼んだら、 それがきっかけで覚えてくれていて、 どこですれ違っても、かなり距離があっても、必ず挨拶をしてくれる。 忙しい時にはそれがうるさく感じられる時もある程、 どこに居ても「ヘ~イ」と声高らかに、腕を高く上げてニコニコと私の存在を確認してくれている。 私も(古き良きアメリカとはこういうことかな~)とか思いつつ、 ストレスを感じていても、半徹明けでも、挨拶されれば、挨拶を返していた。 そのおじさんがこの間、初めて私を呼び止めたのだ。 「ねえ、ちょっと」 初めてのことで、ちょっとびっくりした。 はっきり言って、仕事を依頼してからこっち、挨拶以上の会話を交わすことは無かったのだ。 「この頃また幸せになったんだね。 しばらくずっと元気がなかったでしょ。 また笑えるようになったんだね。本当に良かった。嬉しいよ。」 …物凄くびっくりして、どう応えて良いか分からなくなった。 どうして分かったんだろう… 見守っていてくれたんだ… ありがとう、としか言いようが無いけれど、 私がどれだけ感謝しているか、ちゃんと伝わるように言えたかしら。 感動のおすそ分けをしたくて、 親しい友達数人に電話をして、このエピソードを聞いてもらった。 事情を知っている皆が、私と一緒に喜んでくれた。 ありがとう。 …その元気の無かったころ。 その中でも一番やるせなかったある日。 泣きたい気持ちで高速を運転していたら、 隣の車の運転手がなんだかしきりにこちらに手を振る。 おんぼろの車。 運転手はとても若い男性。もしかしたら10代かも。 それがナンだか横の車線で私の車の横にぴったりくっつけて、 一生懸命手を振って、顔を覗き込むのである。 (え?私のタイヤ、パンクしている?車、煙出てる?) でも、手を振るおにいちゃんはニコニコしている。 警告でも無さそうである。 (もしかして、どっかで会った知り合い?) 私は実は良く、全く見覚えの無い人に「マキコ~」と親しげに挨拶され、 どぎまぎすることが良くあるのである。 しかし、この若い、若~いおんぼろ車のお兄ちゃんに限って言えば、 そう言う可能性も少なさそうである。 どう見ても、クラシックの音楽会に行くタイプには見えない。 (も、もしや、こ、これは…ナンパ!?しかし、高速で??) なんだか良く分からない。 どうやって応対して良いかも分からない。 取りあえず、手を振り替えして見た。 向こうは満面の笑み。 ナンだか手話のようなことをしている。 (わからないよ~、道路に集中しておくれ~) と、一生懸命テを振っていたが、 しかし何分かそうやって交信を試みた後、

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多忙中の食事

昨日は怒涛のように忙しかった。 朝7時起床。 洗面と朝食とお昼のお弁当の準備を超特急で行う。 朝食は定番。 ヨーグルトにバナナ半分とブルーベリー一掴み、 黒ゴマ黄な粉大匙一杯と麻の実大匙一杯、最後にプルーン2個。 これに粉上青汁を大匙一杯溶かしてライム半分を搾った水をコップ一杯飲んで、 お茶を一杯飲んで終わり。 麻の実は菜食主義の先輩に教えてもらった。 植物性たんぱく質が多く取れる食材。 プチプチして面白い食感。気に入っている。 これを用意したらば、食べながら昼食のお弁当の用意をする。 発芽全粒紛のパンに ヤギのチーズを挟んだサンドウィッチと詰めて ピーナッツバターをはさんだサンドウィッチ。 そしてパプリカを洗って、オレンジをごろんと袋に入れて、おしまい。 簡単、かつ健康! 朝8時までに登校しないと、自分の好きなピアノの入っている練習室で練習が出来ない! 8時までに練習室入りするためには7時半に家を出なければいけない。 くるくる 練習室は無事ゲット! コンピューターでメールチェックと行った後、練習。 10時に図書館で論文アドヴァイザーと面接。 今週末は結構書いたので、15ページ目に到達! それでも、本当はもう少し書いて見せるつもりだったので 「毎日書くのは不可能でした。やはり色々忙しくって…」 と弁解すると 「早いほうよ!」 と励まされて、救われる。 一時間で面会終わり。 物凄く色々指摘をもらったので、忘れないうちに論文手直し、一時間。 お腹はすでにグーグー鳴っているのだが、取りあえず無視! それどころではない! 12時からヨーガ! ヨーガは凄い! ルームメートが風邪引き気味で日曜日の夜は私もやばかったのだが、 月曜日のヨーガのあとはすっきり! 欠かせない。 病み付き。 もうお腹はあきらめて、グーグー元気さえ無くなってしまった様だが、 もう少し無視! ヨーガが終わったら、Lone Star College(最近教え始めた短大)に直行。 ジムから駐車場まで徒歩役10分。 歩きながら用意した『お弁当』を食べる。 まず、洗ったパプリカマルかじり。 …なんて甘いんだ!…なんて美味いんだ!感動。 そしてサンドウィッチ。 車について、急いでオレンジの皮剝いて、オレンジも一個丸ごと完食。 そしてその後、間違えて入れてしまった、 何も挟んでいない発芽全粒紛パンを食べると! なんと、オレンジの皮を剝いた手の香りがパンに移って まるで上質マーマレードが付いたパンを食べているよう! 美味!

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熱い練習

いかに効率よく練習ができるか。 いかに体の負担を少なくして、効果的に難所を弾きこなせるか。 演奏者の永遠の課題である。 ヨーガの影響もあるのだが、私は最近 いかに体の中心から弾くか、と言う事を意識して練習している。 例えば、単なるスケールやアルペッジオでも 指先だけに集中してパラパラと弾くよりも 軸を手首よりも、肘よりも、肩よりも奥に、 背中にイメージするのである。 背中から鍵盤に向かって半円を描くイメージで 鍵盤を上下する。 その時に体の軸をしっかりとするため、重心を下げるべく丹田も意識する。 そうすると、不思議なことに熱くなってくるのである。 ポカポカ。 何故だろう。 指揮者や良く、汗をかく。 管楽器奏者も良く汗をかく。 最近、我が心の友、Mさん(クラリネット奏者)とのCD録音のため 何時間もリハーサルや録音作業をしたが、 彼女の鼻の頭が汗の玉で光っているのに 私は全然。 まあ、普通ピアニストは座っていることもあるのか、他の奏者より発汗は少ないのだが、 補佐役で大活躍をしたMさんのBFに 「マキコはきっとうまいから汗をかかないんだね(=⌒▽⌒=)」 とおだてられたが、 実はその反対だったのかも… 最近では練習室の体感温度が練習の効率のバロメーターである。

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コミュニティーカレッジで教え始めました。

これは本当に一週間ぐらいで急遽まとまった話しなのですが... ヒューストンの北部に巨大なキャンパスを5つも持つ Lone Star Collegeと言うコミュニティーカレッジで非常勤として教えることになりました。 課目は非・音楽専攻学生のためのMusic Fundamentals. 音楽の基礎知識(楽譜の読み方、鍵盤・音階・和声進行の基礎知識、簡単な聴音)のクラスです。 コミュニティーカレッジと言うのは公立の2年制大学です。 公共資金(税金、寄付など)で経営され、地域出身の学生を対象としています。 ここから4年制の大学に転校することが出来るシステムに成っていますが、 職業訓練校、正規の大学に入る前の補習が必要な学生のための学校など、 その他に色々な役割をも、果たします。 正直に言って、始めにお話しを頂いた時には躊躇しました。 火曜日、木曜日と週二日、3時10分から4時50分までのクラスです。 家から片道40分の通勤。帰りは渋滞が予測されます。 頂くお給料は、通勤時間と準備時間を計算して時間で割ると、 最低賃金を切りそう... そして、コミュニティーカレッジと言うのは私が今まで縁の無かった世界です。 ライス大学の博士課程の学生の多くがそこで教えますが、 彼らの話しのいくつかから、私が偏見を持っていたことを否めません。 「母親から『息子が牢屋に入ってしまった。 すぐ出られると思うし、絶対単位を取らせたい。お願いだから欠席を見逃してくれ』 とメールが来た」とか 「生徒の多くがフル・タイムで働いている。すでに子供が居る生徒もいる。 皆単位が欲しいだけで、授業には興味が無い。疲労困憊して座っているだけ」など。 このお話しを受ける決意をしたのも、かなり自己中な考え方でした。 これから就活をするに当たって、少しでも経験が多いほうが良い。 Lone Starはヒューストンでは非常に大きな存在。 地域のラジオ番組のスポンサーをやったり、大きな演奏会場を持っていたり、 キャンパスも非常に立派で(何故そんなにお金があるんだ!?)と いつも疑問で、(コネが出来たら、ホールの使用など、特典があるかも!)とか。 昨日は初めての授業でした。 結論から言うと、私は傲慢な偏見に満ちた大ばか者でした。 私はこの仕事を受けて、本当に良かった。 巨大なシステム化された大学だけあって、 確かに、生徒の人種、体型、国籍、年齢などは、 私が行った教育機関に比べるとずっと多様です。 (下層階級のほうが肥満が多い、と言うのはすでに立証されている事実です。 これは食育が行き届いていないことの他に、文化的なもの、 そして経済困難に在る人が安い物(=加工食品)を食べると結果肥満になる、など 理由が複雑なようです) 英語が不自由な移民の生徒も、居ます。 しかし、人はやっぱり人でした。 なんでこんな基本的なことを私は忘れていたのだろう。 音楽を通じて、言葉を超えたコミュニケーションを目指している、 私のような音楽家こそが、そう言う偏見を超越していなければ行けないはずなのに。 私が、取りあえず授業の最初に自己紹介のつもりで教室にあるアップライトを弾くと、 わざわざ移動して、私の周りに集まってきて、 「何でそんなに指が動くの!?」 「今のは何!?ショパン?」 と、私が忘れていたような、本当に新鮮な、素直な反応をしてくれました。 そして、私が自分の「Poco Piano」を宿題にする話しをすると

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