July 2010

栄養も助言も日光もモリモリ吸収!

今朝の朝食はワッフルが出ました。私は二年目のタングルウッドに参加するに当たり、楽しみな事は沢山会ったのですが、その一つは朝食です。ブルーベリーや、イチゴやオレンジ、グレープフルーツなど、果物とヨーグルトがふんだんに在り、シリアルも10種類くらい会って、ベーグル、目玉焼き、オートミール、などなど朝食に考え付く限りのメニューが並んでいます。特に週末は素晴らしくて、ワッフルマシーンが登場して、自分で好きな焼き加減でワッフルが食べられるのです!私はそこにヨーグルトと果物を沢山載せて食べるのが大好きです。今朝は今年初めてのワッフル・マシーンの登場で、私は大興奮してモリモリ食べました。そしたら今度のオペラ、アリアドネでバッカスの役をやるテナーに嫉妬されてしまいました。彼はオペラの最後で上半身裸にならなければいけないので、今頑張ってダイエットをしているのです。「マキコはどうしてそんなに食べてるのに太らないの?」と聞かれたので、「朝食は王様、昼食は女王様、夕食は小作人の様に食べるのが、健康に良いんだよ。だから朝食は食べられるだけ食べて良いの」と答えた所「いつも見ているけど、あんたは夕食だって王様見たいにボリュームたっぷり食べているじゃない!(この人はちょっとおかまさんなのです)」と凄い抗議をされてしまいました。彼が余り真剣に悲しそうに抗議しているので、テーブル中が大笑いでした。確かにアジア人は一般的に他の人種より太りにくいと思います。私が見ていても、可哀そうなくらいちょっぴりしか食べてなくても、20代後半からどんどん太りやすく成って行く友達が周りに沢山います。これは遺伝子の問題なのでしょうか?私はそうでなくて、良かった! 今日はピカピカの素晴らしい天気でした。朝は肌寒いくらいの13℃でしたが、日中は28度まで気温が上がりました。でも乾燥していて、風が気持ちよく、素晴らしい天気でした。その中を、NYから別荘を借りてこの付近に遊びに来ている友達と、近くのお店でサンドウィッチを買って一緒にピクニックをしました。ゆっくり食べながらしばらく会っていなかった分のおしゃべりを沢山しました。その内にお互いが出会った頃の話しになりましたが、彼女とは実に10年来の友達だ、と言うことに改めて二人でびっくりしました。この10年の間に彼女は癌になり、治療を経て完治し、私はNYでのフリーランス生活からコルバーンに入学してロスに移り、二人とも色々な人間関係や仕事の事を喋り在ったりしなかったりしながら10年間ずっと友達でいたのです。何だか、その事実がすでに愛おしく思えるような、そう言う午後の一時でした。それにしても今年は私を訪ねて色々な友達がタングルウッドまで足を運んでくれます。私がヒューストンに移住するからでしょうか?とても嬉しいです。 それから今日はメトロポリタン歌劇団など、世界で名だたるオペラのステージで大活躍中のメゾ・ソプラノ、Stephanie Blyth (ステファニー・ブライス) の公開レッスンが在りました。彼女はとても朗らかで、愉快で、でもメッセージのはっきりした素晴らしい音楽家で、皆で大笑いして講義を受けながら、沢山の事を学びました。彼女の一貫したメッセージは「自己満足の為の演奏をするな。音楽を通じて自分より大きなものにつながり、自分より大きなものに貢献する、という姿勢を常に持て。」と言うことがまず第一。例えば、自分の肉体の欠陥(背が低い、とか、太っている)とかのコンプレックスに甘えて自意識過剰になるのは、自己中である。本当に音楽につながればそんなことは全く関係なく成るはずで、どんな体型、登場人物にもなりえるはずだ。とか、発声法、外国語の歌詞の正しい発音などに集中する余り、目を閉じて自分の頭の中に閉じこもってしまうのも自己中である。そう言う下準備は出来るだけして、舞台では在るだけのものをさらしだして聴衆と、そして音楽とつながれ、とか。それから「楽しんでやれば、何でもより効率よく、効果的に出来る」と言う事。最後に「お互いを聞きあい、応援し合い、向上し合いなさい。自分の成功の為だけに音楽やっているなら、音楽なんて最終的に無意味」と言うことです。それを証明するかのようにどの研修生に対しても真剣に、汗をかきながら自分の全てを教えることに全力投球している様なレッスンでした。

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お握りと、良い言葉。

今日はタングルウッドで同じ日本人のYさんがおにぎりをくれました。鳥そぼろのふりかけの混ぜご飯のおにぎりで、チャンと海苔が巻いてある奴です。Yさんは何とタングルウッドに炊飯器と米を持ってきたのです!(それからふりかけも)何と云う素晴らしい日本人でしょう!私はどんな食事でも美味しく食べれると言うことを誇りに思っていますが、久しぶりに食べるご飯はお腹に本当に自然に収まる感じで、癒された一時でした。ありがとう、Yさん!そう言えば、私とYさんが日本語で喋るのを興味深く聞いていたアメリカ人の友達が「マキコ、日本語で喋ると楽しい?楽ちん?」と聞いてきました。私が「う~ん、英語からすぐに日本語に変える時はぎくしゃくする時も在るけど。。。」と考え込んでいたら、Yさんが「でも、マキコの日本語はタングルウッドに来てから随分自然になったよ!始めはちょっと変な感じがしたけど。。。」とフォローしてくれました。でも、Yさん。。。それはただ単に、Yさんが私の奇妙な日本語に慣れただけじゃ。。。 今日の歌の公開レッスンは昨日に増して素晴らしいものでした。皆、唸るほど上手いし、先生の言うことも的を得ていて、その度に皆がぐんぐんと上手く成るのを見るのも、触発されました。それから去年一緒に来ていた研修生の声が成長して、より深み、厚み、色、そして場合によっては音域を増しているのを目の当たりにするのは本当に感動しました。ハイディ・グラント―マーフィーと言う素晴らしいソプラノ歌手と、ケヴン・マーフィーと言うピアニストの夫婦のペアで教えていたのですが、歌の内容と、音楽的である、と言うことのバランス(美しさを追求するあまり、メッセージが曖昧になってはいけないし、またメッセージを追求するあまり美しく無く成っても行けないと言うこと)、それからLESS IS MORE(抑えることによって表現効果を上げる)と言うことを繰り返していました。特に"Starve the sound of air(音が空気に飢えるまで、息を節約しなさい)”と言う表現が心に残りました。要するに、最小限の体力で最大限の音楽的効果を上げるために工夫を怠るな、と言うことなのですが、それ以上に「頑張る事で自己満足をするな!」と言う戒めにも聞こえました。 今日は二つのとても心の琴線に触れる言葉に出会うことが出来ました。二つとも英語なのですが、訳す努力をしてみます。一つは譜読みを始めた歌の歌詞です。スターウォーズや、E.T.などの映画音楽で有名なジョン・ウィリアムズの"Seven For Luck"と言う歌曲を8月に演奏するのですが、その5番目「セレナーデ」と言う曲の歌詞にこんなのが在りました。”Heart-break lives on when memory’s died (記憶が亡くなっても別れの傷は生き残る)” ―読んで、何だかしみじみと共感してしまいました。これだけだとちょっととてもネガティブなので、英語で全部書きます。Rita Doveと言うアメリカの女流詩人の詩です。 Look for me under a rose Look for me Look wherever love grows There you’ll find a drop of dew It is a tear I’ve left for you Look for me beyond the skies Look for me

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太極拳掃除、その他

タングルウッドではピアニストは優先的に練習室を予約できます。タングルウッドのキャンパスで2時間、寮で3時間予約が出来ることになっていますが、色々予期できない事態が起きて折角の練習室の予約もおじゃんになる事も在ります。そう言う事態を見込んで、毎朝クラスの前とか、出来る時にちょっとでも開いている練習室で練習しよう、と皆頑張ります。私は今日は朝一でキャンパスに着いて、クラス用の良いピアノが置いてある部屋に直行したら、何だか工事の人の作業道具が沢山置いて在ります。(ああ~、ここでは練習出来ないかなあ)とちょっぴり残念に思っていたら「もう作業は終わりましたから、どうぞ使って下さい」と工事の人に言われました。わ~い、と思って練習を始めたら、一番若いいかにもアルバイト学生の人が一人残って作業の後の掃除をしています。ほうきを使ってやっているのですが、私が弾いているので気を使ってソロ~り、ソロ~り、とまるで太極拳をやるようなゆっくりとした動きです。「只のウォーム・アップで準備体操の様なものですから、音を立てても大丈夫ですよ」と余程言おうかと思いましたが、その人が余りにも真剣に「太極拳掃除」に集中していて、むしろ言ってしまったらその人が傷つくような気もしたし、またその心遣いが私も嬉しくって、何も言わないで終わってしまいました。その人がいかにも「悪」そうな、無骨な感じのルックスの人だったので、余計にホロリとしました。だから、ウォーム・アップを早めに終えて、その人の為にシューマンの「子供の情景」を弾いてあげました。でも、余りにも太極拳掃除に集中して、聞こえなかったかな? そんなことをしていたら、10時の歌の公開レッスンのギリギリの時間になってしまいました。私は今日は弾かないけれど、ピアニストは歌の公開レッスンは必修なのです。タングルウッドは遅刻に厳しいので、息せきって走って行きましたが、走りながら(もう絶対間に合わないなあ)、と思っていました。でも力を抜かずに全力疾走して行ったら、私が着いた正にその瞬間に先生が「皆さん、おはようございます。今日の講師を紹介します」と始めたのです。間にあった~。力を抜かなくて、良かった。 8月1日に私はAugsta Read Thomasと言う女流作曲家の書いたソロ・ピアノの曲「Traces」を弾きます。その為に色々な打ち合わせで、メールのやり取りをしていました。今日、彼女からインタビュー記事が送られてきました。彼女の作曲家としての人生に対する心構え、音楽に託す思い、とかそう言った事が書かれていました。「毎朝起きて、白紙に音楽を書きつけて行く。こんな事、気違いか、余程の楽天家で無ければできない。そして、私は敢えて楽天家である事を選ぶ人間です。私は音楽が好きでたまらないし、作曲をしない人生なんて考えられない。音楽に自分を託す」。私はとても共感して、触発されて、夜の練習は倍気合いが入ってしまいました。この人と一緒に曲を仕上げて行くのが楽しみです。

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素晴らしい天気!

しばらく27度くらいで湿度の高い、蒸し暑い日々が続いていましたが、今日は一転してカラリと晴れ上がり、気温も15度くらいの涼しい、素晴らしい日でした。日光が柔らかく、木漏れ日が美しく、風邪が肌に少し寒いくらいの気候で、私たちは練習の合間に凧揚げをしました。凧を持参して来たピアニストが居るのです!凧揚げなんて子供の時のお正月以来だけれど、タングルウッドの芝生はとても広々としているし、今日は適当な風がやむこと無く吹いている日で、凧揚げには最適で、ぐんぐん、ぐんぐん飛んで行きました。赤いイカの形をした凧で、足がビロリ、ビロリと風になびくのがとてもひょうきんな感じのする凧です。 それから今年初めてタングルウッド名物の湖に行ってきました。キャンパスから徒歩で10分くらいの所にあるとても大きな湖で、人口の砂浜も在って、研修生が良くボーっとしたり、おしゃべりにたむろしたり、ピクニックしたり、泳いだりする場所です。今日は水着は準備して行かなかったけれど、湖の周りを歩き回って、とても楽しかった。 今日は朝ご飯にブルベリーが出ました。タングルウッドの寮のお食事はとてもバランス良く、素晴らしいと思うのですが、中でも凄いのは朝ご飯にバケツに一杯イチゴや、ブルーベリーなどの果物が出て来て、食べ放題な事です。私は去年、このブルーベリーの山に狂喜して、毎日お椀に山盛りにして食べていました。ブルーベリー、大好き!! 明日の予定はこんな。 10時から1時まで、歌の公開レッスン聴講 2時から4時までキャンパスで練習。 7時半から9時半まで寮で練習。 明日楽しみなのは、「ナクソス島のアリアドネ」のDVDを最後まで見ること!友達が下準備の為に貸してくれたのですが、メトロポリタン歌劇団、ジェームス・レヴァインの指揮で、ジェッシー・ノルマンとキャスリーン・バトルが出演しています。とても面白い!ちょっとずつ見ていたのですが、明日で多分全部見切れます!

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