November 2015

今夜も本番!

蒸し暑い夏が先月まで続くようなヒューストンでしたが、 最近すがすがしい秋晴れが晴れ渡り、肌が引き締まる気候になってきました。 気持ちが良いです。 今夜も演奏会で弾ける!うれしい気持ちで目が覚めます。 今夜の演目は先週土曜日に演奏したピアノ独奏会と同じ。 テキサス出身の5人の作曲家のピアノのための5作品をまとめた 現代ピアノ曲のリサイタルです。 お陰様で前回は聴衆の皆さまが本当に一生懸命聞いてくださって 反応が手に取るように判る大変楽しい演奏経験となりましたので、 今回も張り切って楽しみにして演奏会場に向かいます。 今回の会場はLone Star College University Park. http://events.lonestar.edu/site/universitypark/event/makiko-hirata/ 日本で言う短期大学に当たる、二年生のコミュニティーカレッジです。 Lone Star Collegeはヒューストンから北に言った方向に5つのキャンパスを持つ アメリカ国内でも最大級の大学機関で、 私も別のキャンパスではありますが、非常勤講師として教えたこともありました。 その時は大学の利益を大きくするために 教授職を最低限にして、非常勤を安値で大量に雇い、 しかも生徒には学校主催の音楽イベントの入場料さえも無料にしない、 ビジネスとして運営されている教育機関に憤りを感じていましたが、 今回の私の演奏会は生徒に無料公開されています。 しかも、これから音楽科を設けようとしているキャンパスの、 今日は新しく購入されたピアノの弾き下ろし! しかもストーカー対策でキャンパスで私と始終行動を共にしてくれる、 大学付きの警察官は電話での打ち合わせの際 「芸術家と一緒に時間を過ごせるなんて、この仕事をやっていて良かった!」 とまで言ってくれました。嬉しいです。 音楽が世の中に広まっていくのは、音楽家としては本望です。 音楽の持つパワーを信じて、善意が蔓延することを期待して、今日も音楽を発信します。 スターウォーズが大好きな父が 「May the Force be with you!」と言ってくれているのが聞こえる気持ちです。 さあ~、音楽万歳!

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私の人生の覚書。人間みな兄弟。

生きていて実感したことがいくつかあります。 僭越に聞こえるかもしれませんが、 書き出すことで今の私の自分のための覚書にさせてください。 人は、どんな状況の人でも、多少は寂しい。 自分の寂しさは自分では解消できないことがあるけれど、 周りの人の寂しさには手を差し伸べてあげることができる。 多くの人は「助けて欲しい」「救われたい」と思っているけれど、 実は救いと言うのは、 自分が他の人を助けさせて頂くことで見出せることが多いと言うことを忘れやすい。 考えて分かることには限りがある。 分からなくても行動していれば、見えてくるものがある。 考えることは行動しながらでも、できる。 人が本当に何を考えているかは自分には絶対に知り得ない。 だから、一番楽観的な、一番優しい見方をするのが、 自分のためにも相手のためにも、そしてお互いの関係のためにも一番良い。 自分に何が起こるか、と言うことは自分にコントロールできないこともあるけれど、 起こったことにどう反応するか、何をどう記憶するか、と言うことは自分で決められる。 自分にコントロール出来ない事は考えてもしょうがない。 自分にコントロール出来ることに集中して、心を込めて自分のベストを尽くす。 私の最近のお気に入りは、周りの人を褒めることです。 道で通りすがりの人とか、トイレで並んで手を洗っている間とかに 「スカート、素敵ですね」 とか「その色合い、周りが明るくなりますね、ありがとう」 とか、言ってみるのです。 皆顔がぱっと明るくなり、たいていの人はお礼を言ってくれます。 私もとっても嬉しい気分になります。 今日の午後もそうですが、 11月の毎週水曜日はヒューストンから南にちょっと行ったHobby空港でピアノを弾いています。 通りすがる人の多くが難しい顔をしてセカセカと歩いています。 その人たちの顔を一人ひとり(笑顔になったらどんな顔の人だろう)と想像しながら 音を発信するつもりで心を込めて、皆の顔を見ています。 そうすると、必然的に多くの人と目が合います。 私がにっこりすると、たいていの人がほほ笑み返してくれます。 そうすると皆驚くほど顔が変わります。 とっても嬉しい気持ちになります。 昨日の朝はどう言う訳か物凄い倦怠感で、自分にどう対処したら良いか分からなかった。 そしたら学校からSOSのメールが来ました。 今度のオーケストラの演奏会でピアノ・パートを担当の子が 難しいパートに苦難して、指揮者にリハーサル中怒られてしまった。 私が代わりに弾いてやってくれないか。 難しくて、速くて、そしてすごく目立つことで有名なピアノ・パートです。 私は弾いた事がある、でも私が代行したらその子のメンツは? 「私が代行するよりも、私に指導させてください!」 と言って、学校に直行しました。 練習室で1時間。 リハーサル中に名指しで指揮者に色々言われたその子は 心理的にも凝り固まっていました。 (宮沢賢治の『チェロ弾きのゴーシュ』を思い出してください) その子と指揮者やオケパートに関する冗談を言って笑いあって、 それで指使いや練習法など細かく指導して行きました。 気が付いたら、その子を上達させることに一生懸命になって 自分の問題は完全に忘れていました。 (助けさせてくれて本当にありがとう!)という感じでした。

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演奏会の後遺症…?

異様な倦怠感… 昨日はよっこらしょこなした練習後の15分の徒歩下校が億劫になるくらいだった。 今日は練習中にピアノの上に突っ伏して前後不覚に寝てしまった。 昨日は「精神的なモノかな。。。」と思って、メラトニンを寝て早寝した。 今日は「風邪の弾き始めかな。困る!これからどんどん忙しいのに!」と思い スープを飲んで、ビタミンC を服用した。 でもただ単に演奏後の疲れ、なのかも。。。 弾いた本人でも(2時間弾いただけでなぜ!?)と思うくらい、 本番演奏はどおおおおっと疲れることがある。 クラゲになったみたいな虚脱状態になってしまうのである。 自分でも歯がゆい。 気力で何とかできるもなのか。 無視して、もっともっと色々行動的にやるべきなのか。 ああああ、でもこんなに眠たい。。 ちょっと寝ます。 午後の5時。

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本番翌日、気分転換の仕方。

私は本番直後は興奮状態で眠れないことが多く、次の日をぼーっと過ごしてしまうことが多い。 最近メラトニンを上手く利用することを覚え、 時差だけでなく、本番直後にも服用することで睡眠確保は出来るようになったのだが、 やっぱり大きな本番の直後は恍惚状態と言うか 生産的に過ごすのが難しい。 そんな私の話しを聞いた友達が、私を本番翌日の日曜日、ジョギングに誘ってくれた。 土曜日は生憎の雨だったが(それなのに会場はほぼ満席でした!うれしい!) 日曜日はこれ以上無いほどの夢のような快晴! そしてぐっと気温が落ちて、身が引き締まるような新鮮な空気。 そんな中で「私はすぐ息が上がるから」 としり込みをする私に「会話ができる速度で」と ゆっくり気楽なジョギングを一緒にさせていただきました。 気持ちよかった! 私は結構ヨーガにはまったりするのですが、 マイブームが終わるとぱったりやめてしまう。 そして最近はそういう余裕が無くって (うううう。パソコンの叩きすぎで腕が痛い。演奏への支障が心配…)とか思いながらも、 運動をあんまりしていませんでした。 ジョギングで血行を良くし、 その後久しぶりに入念なストレッチをして、 本当に気持ちよかった!! そして夜はヒューストンの日本人の方々の飲み会に参加させていただきました。 私はアメリカがもう人生の3分の2くらいになりましたし、 今まではアメリカ人と社交することの方がむしろ多かったのですが、 最近日本人と日本語で日本食を囲みながら歓談することに本当に心の拠り所を覚えています。 それからお掃除の快感! 天気の良い日に衣替えをして、お掃除をして、集中していると 本当に何もかも忘れてしまいます。 さあ!気持ちを切り替えて。 次は13日にまたリサイタル。 そして22日は「時の終わりのための四重奏」!! 万能の私の心の友、麻衣子さんが、今度の22日に共演するメシアン作曲の 「時の終わりのための四重奏」の予告編ヴィデオを宣伝用に作成してくれました。 この曲についてはまた後でブログにも書きますが、 第二次世界大戦中にドイツの捕虜収容所の劣悪な環境の中で書かれた 20世紀を代表する傑作です。

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本番大成功!-演奏家と作曲家

昨晩の演奏会は色々な意味で「大成功!」と言えたと思う! とっても嬉しい、(音楽家でよかったな~)と思える演奏会でした。 まず、お客さんが一杯入ってくださった。 私のお友達も沢山来てくださったし、主催者と会場が頑張って一杯広報してくれて 老若男女の多様な方々がホールを一杯にしてくださった。 それから現代曲にも関わらず、お客さんが本当に一生懸命聞いてくれた。 静かなところでは緊張が「ぴーーーん!」という感じで、私を助けてくれた。 興奮したクライマックスで「ババババン!」と終る曲では お客様が「わああ!」と湧いてくださって一体感を醸し出してくださった。 最年少は6歳の女の子が二時間のかなり難しいプログラムを喜んで最後まで聞いてくださった。 沢山の大学生が皆きちんとお洒落をして来てくれて、 演奏後に皆でピアノの前で写真を撮りたい!と言ってくれた。 そして作曲家も皆とっても喜んでくださった。 5人弾いた作曲家の中で、現在イタリアに居る一人以外は4人全員そろってくださった。 そしてみんな手放しで私の演奏を褒めてくださった。 特に嬉しかったのは、一人の作曲家の方が演奏直前にある女性を紹介してくださった事だ。 私が昨晩弾いた彼の曲は、死去した父のために娘が委嘱した曲だった。 アイルランドの民謡が好きだった父のために民謡に基づいた変奏曲になっていた。 娘さんはピアニストでいらして、修士の勉強中にお父様がお亡くなりになり、 その修士の最後のリサイタルでこの曲を弾かれたのだった。 その娘さんが、作曲家と一緒に来られていたのだ! 19世紀の最初まで自作自演が多かったピアノ演奏。 でもその後、演奏と作曲の分業が進み、今ではピアノを弾かない作曲家も多い。 そうすると書き方が理不尽になったり、 「ユニークであろう」と言う追及が分かりにくい音楽と言う結果になったり、 現代曲は課題が多い。 でも、昨日の現代曲リサイタルは、本当に交流だった。 奏者と、作曲家と、聴衆と、主催者が 同じ音楽を通じて一つになった。 幸せ!

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