October 2015

起業家としての音楽家。

William Weberと言う学者が、私のリサーチに浮上してきた。 こういう人である。 http://www.h-up.com/bd/isbn978-4-588-41028-4.html 「音楽学者」ではなく、「歴史家」。 でも、音楽社会史を専門としている。 私がこの人の名前を最初に見つけたのは、 New Yorker Magazineの記事でこういう記述を発見したとき。 「ライプチヒの演奏曲目ですでに死去した作曲家の曲の演奏の統計。 1782 11パーセント、 1830 約50パーセント(ウィーンでは74パーセント) 1860年代から70年代 69パーセントから94パーセント」 この統計にWilliam Weberの名前がついていて、(面白い!)と思って調べたのだ。 今読んでいるのは、『起業家としての音楽家、1700-1914』と言う本。 この本は彼の著書では無く、彼が監修した、自分の記事も含む色々な学者の記事の総集なのだが、 「音楽産業に於ける女性起業家」と言うセクションまである。 クラシックで難しいのは、イメージ的に 「大衆受けしない、崇高な精神的極み」と言うのが売り、と言うこと。 大衆受けしないことを宣伝文句にしているのに、売る対象は大衆と言うジレンマ。 その中でどのように成功者が成功するか。 本人の努力だけではなく、社会背景などとの偶然の一致と言う場合もある。 例えば工業革命で、機械に人間性を奪われてしまうような危機感に見舞われている社会に対し、 機械(ピアノ)を自在に操って自己表現する戦士、と言う構図に上手く乗ったリスト。 貴族社会の崩壊後、新しく出現した中産階級に於いて、 いつ「ブルジョア」階級から追放、あるいは落ちぶれるか冷や冷やしている大衆に どこで拍手をするのか、どういう言動が演奏会の礼儀にかなっているのか、 演奏会の文化に精通することで、ブルジョア階級のメンバーシップが確認できたのである。 そして、ベートーヴェン。 発注されて曲を書くのでは無い。 貴族や権力者を喜ばせるためでは無い。 全く媚びない、自己表現。 しかし、その長―い交響曲を聴くことで、 聴衆はベートーヴェンが象徴する「自由な自己表現」の概念に賛同しながら、 自分は窮屈にそれを受け入れる側に回る。 またもや、ジレンマ。 面白い! 面白い! ワクワク。楽しいです。

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練習に論文ー素晴らしい日!

今朝、早めに目が覚めたので早めに登校したら 素晴らしい朝焼けのうろこ雲が空一面に広がっていた。 思わず写真を撮ってしまった。 写真を撮ったら更に嬉しくなってしまった。 「愛でる」と言うのはこういう気持ちの事を言うんだな、と思いながら どうやったらこのすがすがしさ、この広大さ、この気持ちよさを捕らえられるだろう、と 色々頑張ってみた。 そうやって気持ちよく始められたから、かな? 今日は練習も、論文執筆も本当にはかどった。 面白くてたまらなかった。 ああ、でもずっとそうだった訳では無い。 集中力を高めるために、私はYouTubeでホワイトノイズを探したりする。 大抵いつも「Nature Sound No Music」で検索する。 今日はこれを試してみた。 そしたら、ものすごい睡魔に襲われ、ついにのびた君状態で机で寝てしまった。 これはいかん! あわてて今度は「Energizing Nature Sound」で検索した。 そしたら引っかかったのが、こちら! これをヘッドフォンで聴きながら(ヘッドフォンでないと効果が無いと書いてある)リサーチしたら何だかすごい楽しくなってきたのである! 怖いくらいだ。 でも、これからはこれでイコッと。

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在外の日本人コミュニティー

戦争は反対だけれでも、でも戦友の絆の強さに憧れを抱く、と言う人は多いのでは? 音楽人生は挑戦が多い。だから、音楽仲間は一種の戦友である。 そして、外国生活もやはり同じく。 だから在外の日本人コミュニティーと言うのは素晴らしい結束だったりする。 両親が「ショートヒルズ会」なるものに週末参加したようである。 私たちがマンハッタン郊外はニュージャージー州のショートヒルズに住んだのは 90年代の話市である。 しかもショートヒルズは特に日本人がものすごく多いコミュニティーでは無かった。 一番多かった駐在組のほかにも、永住組も、国際結婚組もいたし。 でも、数が少なかったから余計、だったのかも。 週末にお互いの家に行き来してバーベキューなどのパーティーをしたり、 一緒に家族旅行に行ったりもした。 そして、帰国した元・ショートヒルズ在住の日本人たちは会を作って ゴルフやったり、お食事会やったり、楽しんでいるのである。 私も、NJ,NY,LA,そして今ヒューストンと色々と移り住んで、 それぞれの日本人会に色々関わらせていただいた。 しかし、ヒューストンの日本人会が特に素晴らしく、ありがたく思われるのは、 2010年に越してきてすぐの東日本大地震があったからかも。 ヒューストン日本人は本当に寄付金を集めるべく、頑張ったのである。 それが、私にとってはヒューストン日本人コミュニティーと協力・結託したきっかけだった。 ヒューストンの日本人コミュニティーは特に、 私たちのような芸術や、学問など、 一般的に資材に苦しむ分野の人々を特に積極的に応援してくれる。 良い仲間に巡り合えて、困難な時はサポートしあえて、 人生の節目は一緒に祝えて、 人生の苦しみも喜びも分かち合える。 家族が遠く海を隔てた人間にとっては、もう家族のようなものです。 引っ越しの時も手伝っていただきました。 ストーカー対処には、本当に勇気百倍の応援をいただきました。 眠れない夜の翌朝、電話で愚痴をこぼせして、心配していただいています。。 寂しいときは、一緒にご飯を食べていただいています。 そしてパーティーでは、大笑いしながらラインダンスしたり、 お酒を飲んでカラオケをして、お互いの熱唱をからかいあったり、上手くてびっくりしたり。 来週末は、美しいカントリークラブで 『ブランチ・ビュッフェとクラシックを楽しもう会』を開催していただきます。 詳しくはこちらで。 http://jagh.org/category/events/ 仲間がいるから、何があっても元気です。

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タイマーとストップウォッチの使い方

何をしてよいかわからない空白の時間に慣れからついしてしまう行動。 英語ではDefaultと言うのだが、日本語訳を今グーグルしても分からなかった。 この一時間(午前中、一日)が空いている。 何しよう―じゃ、練習しよう、とこうなるのである。 今まではこれで問題なかったのだが、 そろそろ論文に本腰を入れないと、と言うプレッシャーを感じながら、 これはもう脱出しないと、と思い始めている。 練習もしなきゃいけないのだ。 11月7日に始まるテキサス州の作曲家5人の曲を取り上げる独奏会の譜読みが まだまだ気を抜ける段階ではない。 と、言うかかなり拍車をかけないと。 でも、論文も、私の車が破損され、ストーカーが刑事問題にまで発展した 6月12日の夜から、ほとんど何も書いていない。 勿論、演奏旅行で2か月、 NY-スペイン―イタリアー日本ーハワイとずっと動き回っていたほか、 ストーカー対処で警察や検事や社会福祉の人々とのミーティングに1日取られたり、 ヒューストンに帰ってきてからすでに4回、 イベントに音楽を添えさせていただいたり、オケの鍵盤パートを担当したり、 その打ち合わせやリハーサルがあったり、 またストーカー関連の被害損失額を埋めるために教える時間を増やしたり、 言い訳はいくらでもできるのだけれど、 でも、最終的には書いたか、書かなかったの問題。 文化革命の際にも、紙に書いた鍵盤で練習を続けたピアニストもいる。 紙も与えられない牢屋でトイレットペーパーに物書く人もいる。 要するにするか、しないかの問題だ。 と、言うことで宣言。 これからは練習にも、論文にも、タイマーとストップウォッチを導入。 1日3時間ずつを目標に、でも頭がお留守になり始めたらその時間は数えないで、 自分に厳しく、見張りを入れるためのタイマーとストップウォッチ。 両方とも、だらだら捗らない時間を削るための工夫です。 今日から開始。 確かにストップウォッチを付けるといつもより集中して、気合が入る。

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朝8時から夕方6時まで教えて。

教えるのは、楽しみだ。 子供ってリアクションが本当に面白い。 4歳の時から教えているF君は、先週風邪でレッスンをお休みした。 治って出てきたと思ったら、今日はお兄ちゃんのA君が風邪でレッスンをお休みとか。 元気にレッスンを始めたのだけれど、途中からふにゃふにゃ泣き始めた。 もう6歳になったF君だけど、泣くのを見たのは初めてである。 「どうしたのかな~」 できるだけ、ゆったりと聞いてみた。 すると 「お家に帰りたい」 と言って泣いているのである。 良く聞いてみると、5日間学校をお休みして、今日初めて登校して、 風邪でお休みのお兄ちゃんが心配だし、なにしろママが恋しいのだそうだ。 しゃくりあげて泣いている。 う~ん、面白い。 いつも嘘をつく子がいる。 練習できなかった理由のウソ。 楽譜を忘れた理由のウソ。 まだ8歳だから、ちょっと尋問すれば嘘か本当かすぐわかる。 この子は実に楽譜を持ってくるのはレッスン4回に一回くらいの確率。 まあ、親にも問題があると思うけれど。 ところが、全く練習しないと思われるこの子が、 教えたことはすべて見事に覚えているのだ。 夏休み2か月を挟んでもなんのその。 リズムの数え方、音符の読み方、拍子のとり方。 するすると理解も記憶もずば抜けている。 どう言うことなんだ。 物凄い美人もいる。 まだ9歳だけれど、信じられない目の大きさ、まつげの長さ。 髪のカールも完璧。 何だかいつもぶかぶかの服をだらしなく着ているのだけれど、 それまで意図的にファッションとしてしているように見えてくる。 この子、自分がどれだけの美人か全く気が付いていない。 そして、ピアノの飲み込みを見ていると、かなり頭が良いのである。 内気で、社交的とはお世辞にも言えない。 いつも夢見がちで、自分の想像の世界で楽しんでいる感じ。 その容貌が、彼女の夢と野望の妨げにならないことをただ、ただ祈るのみである。 そうやって、木曜日は朝の8時から夜の6時までほぼぶっ続けで教える。 楽しいから、気にならない。 お家に帰っても元気いっぱいで(さあ、今から論文のリサーチでも)と思う勢い。 でも、一旦夕飯を準備して、パジャマに着替えて、コンピューターを開くともうだめ。 どっと出てきたリラックス感と言うか達成感と言うか、要するに疲労で、 もう放心状態である。 でも、「じゃあブログは書けるけれど、論文は書けないのですか」と言われると、 ちょっと言葉に詰まるのだけれど。。。 そう言えば、アマチュアピアニストコンクールの優勝者にはお医者さんとかがいるとか。 一日働いて、帰ってきて子供と夕食をとり、 子供が就寝した後3時間毎晩練習するのだそうだ。 おおおお。私も頑張らねば。

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