タングルウッドでの演奏、その7

7;30  起床、身支度、朝食、キャンパスに移動 9;40  練習、図書館で総譜の勉強、 10;30 オケのリハーサル 11;30 練習、昼食、演奏会に向けて昼寝・瞑想、ウォーム・アップ 3  会場入り、演奏、聴衆との歓談、 5  寮に戻る、夕食、そしてまたキャンパスに戻る 7  練習、ドレス・リハーサル(Singing Sepia) 9  ボストン交響楽団の演奏会後半を聴く(カルミナ・ブラーナ) Festival of Contemporary Music at Tanglewood、二日目。 今日はJudd Greenstein (ジャッド・グリーンスタイン)作曲の、ピアノ独奏曲"Boulez is Alive"を演奏した。 物議をかもしたBoulezの有名なエッセー「Shoenberg is Dead」 をもじった題名を持ったこの曲は 作曲家によるとBoulezのピアノ・ソナタ2番に着想を得ているそうだが、 かなりはっきりと嬰ハ短調で、ジャズっぽく、 Boulezよりもずっと聴きやすい。 初めて聞いた時私は、この曲に当たったことが嬉しかった。 しかし楽譜を見た瞬間、あまりのリズムの複雑さにげんなりした。 難しさは、1を「初見可能」で10を「ほとんど不可能」とすると、まあ8か、8.5位。 リズムを取得さえすれば、弾くのは簡単では無いが、まあ無理でもない。 でも、譜読みがやたらと面倒くさい。 忙しいスケジュールの中で、譜読みが遅遅として進まず、私は時に曲の意義に疑問を感じてしまった。 その上「リズムも、ペダルもなるたけ楽譜の指示に従って下さい」、と言う作曲家からのメールでの要望に 私はかなりすねてしまった。 私の芸術性、自己表現、思考の居場所はどこ? へそを曲げて、わざと作曲家のメールには返信しなかった。 でも、昨日の夜のドレス・リハーサルで作曲家に会って、べた褒めしてもらい、 ついでに私のメールから受け取った印象をすべて打ち消して謝ってもらってから、 私は完全に機嫌が直ってしまった。 今日の演奏は、自分では完全に満足とは言えないけれど、聴衆も作曲家もとても喜んでくれたし、 とりあえず、無事に終わって良かったことにしたいと思う。 もっといろいろ書きたいけれど、明日の朝10時の演奏会でまた弾くので、 今日はもう寝ます。

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