June 2010

タングルウッド一日目。

タングルウッドの招待研修生は毎年約150人(オケの楽器全て+ピアノ+指揮+作曲+声楽)。その大半がMiss Hall’s と言う寮付きのエリート女子高校のキャンパスに泊まる。去年初めて来た時は、思っていたよりずっと素敵な所でびっくりした。広々とした芝生が広がり、サッカー場、テニス・コート、かなり大きな池まで在って、中庭には花が咲き乱れてベンチが点在している。ステージ付きの多目的集会場にはシャンデリアがぶら下がっているし、食堂は大きな飾り窓に囲まれて、とても気持ちが良いしメニューも肉、魚、菜食のメイン・ディッシュと副菜として温野菜、サラダ・バーが付き、さらにデザートが在って朝食、夕食と食べ放題。居間にはロッキング・チェアと大きなソファがいくつも点在し、暖炉まで在る。遊戯部屋にはビリヤード・テーブル、大きなテレビ、その他様々なゲーム・ボードが在る。二つだけ難点は、シャワー・トイレが共同だと言う事と、タングルウッド・キャンパス(演奏会、リハーサル、コーチングや講義・クラスが在るところ)から遠い(車で20分弱)事だが、この寮について文句を言う研修生は少ない。 (Miss Hall’sのHPはこちら; http://www.misshalls.org/podium/default.aspx?t=115332) 去年は私は二人部屋で、韓国人の作曲家とルーム・シェアをした。それはそれで素晴らしい経験だった。彼女とはとても親しく成って、タングルウッド終了後もNYから5時間電車に乗って二泊遊びに行ったりしたし、タングルウッド中も彼女のおかげで作曲家の為のクラスを聴講したり、演奏家と作曲家と言う立場から色々議論し合ったり、彼女のおかげで去年のタングルウッドは私にとってより良い者になったと思う。でも、今年、一人部屋をあてがわれた時はやはりとっても嬉しかった。しかも、非常に眺めの良い、窓がつたに囲われた本当に洒落た部屋なのだ。去年はいつもブログを書くのがルームメート就寝後になってしまい、ルームメートに気を使って廊下にしゃがんで書いていた。昼寝の時間もルームメートのスケジュールと照らし合わせて、二人で考える。今年は自分の好きな時にブログが書けるし、昼寝もできるし、それに秋から始まる博士課程の勉強に備えて、色々この夏はお勉強をしようと思うのです!一人部屋、嬉しい!!! タングルウッドは一年目で特に気に行った研修生を二年目、オーディション無しで招待する。その「二年生」はちょっと特権が在って、例えばタングルウッド中に演奏する為に振り分けられる曲に在る程度希望が出せるし、それから一人部屋数に限りが在るので2年生に優先的にあてがわれる。嬉しいい!!

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荷造り

NYでは沢山のお友達と本当に素晴らしい一時ずつを過ごすことが出来ました。 ダンサー、ピアノ調律師、昔の私の先生、絵描き、そして沢山のピアニストのお友達。 それぞれが皆一生懸命、真剣に人生取り組んでいて、私は本当に彼らの人生を友達として体験させてもらえることを光栄に感じました。 さて、例によって荷造りは最後の最後まで待ってからやります。 NYから帰って来たのが6時半。それから軽く夕飯を食べて、タングルウッドはシャワーしかなく、しかも共同なので「風呂つかり溜め」をし、荷造りを始めたのが夜の9時。でも、大丈夫。只今、午前1時ですが、後は一か所に集めたものをスーツケースに詰めていくだけ! 私の荷造り、他野暮用に関する哲学はこれです。 「野暮用は、こちらが与えた時間分だけかかる。 沢山時間を割けば、その分全部かかるし、始めからちょっとしか時間を予定しなければ、短時間で済む。」 私の荷造りは毎回、背水の陣! さて、荷物を詰めてきます。

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マンハッタンに行ってきます。

午後から約24時間強、マンハッタンに行ってきます。買い物などの野暮用も在りますが、ほとんどは社交です。7,8人の友達に立て続けに会います。ずっと在っていない友達がほとんどなので、本当は一人ひとりと24時間ずつ過ごしたい様な気持なのですが、そこが現実と理想の食い違いです。それから、アジア食(日本食、ベトナム料理、インドカレー)などタングルウッドでは絶対食べられない種類の食べ物の食い溜め!タングルウッドの寮の食事はかなり素晴らしいと思うけれど、やはりアジア食は…ちょっと無理なので。 出発前に練習を何とかするべく、これから大急ぎでシャワーを浴びます。

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ホタル

私が13の時、私の家族はアメリカのニュージャージー州に越してきました。 父のニューヨーク赴任に伴っての引っ越し先はニュージャージーのショートヒルズと言う街で、車でマンハッタンから40分、電車で50分のアメリカの郊外を絵に描いたような町です。越してきたのは今からほぼぴったり21年前の6月9日。日本では想像できない様な、幼稚園の運動場くらいある広々とした芝生の裏庭には、昼間は野兎やりす、夜にはごみあさりの狸や狐がでる自然が残っていました。庭には野イチゴがなり、木曽育ちの父はそれを進んで食べて見せて、「汚い」と尻込みする私と妹を「大丈夫だよ、こんなの蝶のおしっことか蜂の糞くらいしかかかっていないから」と頓珍漢な励まし方をしました。そして一番びっくりしたのがホタルです。日本では水の汚染により、かなりの田舎でも「ホタルを呼び戻そう」と住民が努力をしているくらいですが、ここではクリスマス・ツリーかと思うくらい、ペカペカペカペカ、一杯居るのです。多分水の汚染に強い、全く別の種類のホタルだと思います。日本のものより光も強くて大きいし、それに何より、マンハッタンのセントラル・パークにも居ますから。 21年経って、ここら辺の生態も結構変わりました。野兎は昔の様には見かけません。リスも少し数が減った感が在ります。その代わり、自然の天敵がいなくなって鹿がこの10年で急増し、食べ物が無くなって庭の花や草を食べ散らかしてしまい、住民の悩みの種となっています。その為に限定期間の決まった時間、行政がプロの猟師を雇っているほどです。鹿は大きいので、車と衝突すれば車だけでなく、時には人にも大きなダメージを与えます。でも、裏庭を早朝、家族連れの鹿がゆっくりと横切るのを見るのはやはり美しいものです。 ニュージャージーは今、一年で一番気持ちの良い季節です。 空気はからっとしているし、太陽の光は優しく、木漏れ日と風がとても心地良いです。 刈られたばかりの芝生があらゆる所で物凄い草の匂いをそこらじゅうに元気よく撒き散らしています。

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蘭学事始

杉田玄白と言う人は、本当にエライ!アルファベット26文字を何とか知っている程度の所で40歳でオランダ語の医学書を訳そうと仲間と一緒に思い立って、4年かけて成し遂げたんだから、本当に凄い! 。。。と今、私が絶賛するのは、タングルウッドで演奏予定の現代曲を譜読み中だからです。 何が何だかわからん!きっと今の私の気持ちは杉田玄白と同じはず。 指示が細かい!(一つ一つの音ほとんど全てに強弱、速度、時には「ジャズっぽく」などの指示が在る) そしてテンポ指定が速い! そして和音が分からん! あ~~~~~!!! この曲にはもう二日半かかりっきりですが、(本当に弾くことが可能なのか、この曲?)と言う様なパッセージも在ります。一小節ずつ、一和音ずつ解読しよう、と頑張っているのですが... でも、だめだめ、ポジティブ思考、ポジティブ思考。 段々パターンが見えて来ては居ます。(あ、この和音、前にも出てきたぞ) (あ、ここの音形は二小節前と同じだ) (ああ、この和音進行は割と奇麗だ) (ああ、ここはこの指使いで弾けば簡単)。 そして、信じられないことに一、二楽章は段々音楽に成って来ていることを今、発見。 大丈夫、大丈夫。

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