October 2010

コンピューター命!

無理である。 今日一日頑張ってみたが、 コンピューターと絶縁するのは無理なのだ。 勉強をするのも、情報源のほとんどはインターネットである。 図書館に行っても、まず読む本、そして本の居場所を探すのがインターネットなのだ。 教授とのコミュニケーションも電子メール。 ペーパーを送るのも電子メール。 そしてペーパーも勿論コンピューターで書くのである。 音楽を聴くのだってインターネットである事が多い。 もうコンピューターと死ぬまで付き合うしかない。 と、言う事でブログも今まで通り更新しますので、よろしくお願いします。

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コンピューターの時間

ヒューストンに来る直前に読んだニューヨーク・タイムズで、心理学者、神経科学者、社会学者などが集まって5日間ほどキャンプをし、携帯やインターネット無しの生活がどういう影響を及ぼすか『実験』すると言う記事が一面に写真入りで載った。何だかのんびりした記事に思えたが、デモ実は結構深刻なトピックなのかも知れない。 この実験に参加した学者たちは皆一日に何度となくメールや携帯をチェックする「電波常用者」たちだったが、特にその中の一人は実験の主旨を理解し、同意して参加しているにも関わらず掟を破って「今大事な研究費用が下りたかどうかの瀬戸際だから」と言って、移動中も電波が届く限り際限なくメールをチェックした。そして電波が届かなくなったら何とか電波が届く場所を見つけようと努力した。しかし5日間の電波無しのキャンプ生活を終えて最後に振り返った彼は「別に研究費用が下りたか下りないか、知った所で旅の途中でどうする事も出来ないし、メールを何度もチェックする必要は無かった」と反省している。この『実験』に参加した全員が「電波無し」の五日間を経てより精神的に健康的、のびやかになった、と良い、まるで電波に支配されるかのような現代人の生活を「病的」として、定期的な電波からの休憩を奨励している。 メールを出すと、瞬時置かずに返信が来る場合がある。そうするとこちらもすぐ返信しなければ失礼な気持ちになってしまう。私はfacebook(ミクシ―に似た、ソーシャル・ネットワークのサイト)と二つのメール・アドレスを持っているので、一度コンピューターの前に座るとその三つをぐるぐるしてしまったりする。facebookに来たメッセージに返信したり、遠距離友人とのチャットに深入りしてしまったりしている間に、(ホットメールにメールが来ているかも知れない)、(一時間前に先生に出したレッスンの時間変更のメールに返信が来ているかも知れない)、とホットメールもチェックし、そうしているうちにまたfacebookが気になって(友達から今度の夕飯の時間に付いての返信が来ているかも知れない)ぐるぐるしてしまうのだ。一日何度となくメールをチェックしてしまったりする。こうなるとどっちが本業か分からない。コンピューターか、音楽か。 インターネットには感謝しているのだ。アメリカに単独で住んでいる日本人としては、家族や日本の知人・友人と簡単に連絡が取れるのは実に嬉しいし、メールが来るのは毎回嬉しい。ただ、どうやって一番有効に、かつ自分の他の活動に食い込む事無くこのテクノロジーを使いこなすか、ちょっと思考錯誤しているのだ。コンピュータによる眼の疲労、そして神経の覚醒作用と言うのも、馬鹿にならない日常的影響を私たちに及ぼしていると思う。 この何年か、夜寝る前に必ずメールをチェックし、朝起きて一番にコンピューターの電源を入れていた。それを辞めようと思うのだ。コンピューターは一日一時間半に制限してみよう。どうだろうか?出来るだろうか? と、インターネットで声を大にするのは、可笑しいだろうか?

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"Traces"の録音、無料一般公開!

先々週末にシカゴまで出向いて編集セッションに参加し、ついに完成した Augusta Read Thomasの5楽章からなるソロのピアノの為の"Traces"。 タングルウッドで7月上旬からAugustaと一緒に色々会合と談義を重ね、 8月1日に初演、8月11日の深夜に録音、8月14日にタングルウッドの現代曲フェスティバルで演奏、 9月25日にライス大学の自分の博士課程最初のリサイタルでまた演奏、と一緒に歩んで来て リサイタルの次の週末にシカゴでAugustaのお家に二泊させてもらって 一緒に編集作業をしました。 いずれはアルバムの含まれるはずですが、とりあえずAugustaのHPで無料一般公開です。 音質は、ファイルのサイズが縮小されていますので、妥協されてしまっていますが、 やはりとても嬉しい気持ちです。 良かったら聴いてください。 今日はヒューストンは爽やかに晴れ渡っています。 昨日はぐっすり寝て、今朝は早朝からびっしり練習し、午後も精力的に色々取り組んでいます。 すがすがしい!   http://public.me.com/augustareadthomas  上をクリックするとAugusta のHPの録音の一覧のページに行きます。 その中から"01 ART TRACES…II TANGLEWOOD”を選んでお聞きください。

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文武両道…!?

昨日のブログに書いている様に、ストラヴィンスキー、August Read Thomas、Bernard Randsと言った 「私は旅先でも、移動日でも、日課の作曲(とか練習とか)は絶対に欠かさない!」 と胸を張っているグループが居る一方、私の同下宿人のソフィアの様な人もいる。 彼女はポスドク(博士課程を修了した後、リサーチ・アシスタントとかインターンとして経験を重ねる)で 生物学のデータをコンピューターで幅広く分析する専門家だが、同時に凄く積極的なサイクリストで、 ヒューストンをくまなく自転車で探検している。 あそこの動物園、ここの植物園、ここのバー、海岸、美術館と、次から次へ私に報告してくれる。 それからcritical massと呼ばれる社会運動にもせっせと参加している。 これは車社会に対抗して自転車ライダーたちが大勢集まって道路を堂々と走り、 自転車の良さをアピールし、自転車の道路上での権利を主張をする、と言う運動で、 私はソフィアの話から初めてこの運動の事を知ったが 実は1992年から世界中300都市で定期的に行われているらしい。 私はこの頃調子が出ずに、何だかうつうつとしていて(ソフィアは良いなあ、楽しそうだなあ)と思っていた所、ソフィアが昨日「私は週末になるたびに『本当はここで勉強するべきかも、リサーチをもっと深くしておくべきかも』と言う迷いを振り切って2日間丸々休む。そうすることによって月曜日から金曜日まで110%の力を発揮できると信じているから」と言ったのに触発されて、今日は丸一日音楽から離れてソフィアと一緒に行動する事にした。 まず、朝の7時半から自転車競技のグループに参加。 ソフィアから「このグループは私でも追いつけない程速いからね」と念を押されたが、 私は「成せばなる、成さねばならぬ、何事も」と静かに応え(うそ) ソフィアの金魚のフンとなって付いて行った。 。。。が、出発点に付いてびっくり。 皆ランス・アームストロングの様な、ぴったりとした「自転車ウェア」を着用し、 いかにも競争用の自転車にまたがり、さらに筋肉ムキムキの太ももとふくらはぎで しかも参加者の95%が男性なのである。 私はT-シャツに半ズボンで、またがっているのは60ドルで購入したママチャリである。 ソフィアもちゃんと、「自転車ウェア」を着用し、彼女の自転車はそれ用のきちんとしたものである。 帰ろうか、と思ったが、「なるようになるさ」と思い、とりあえず一緒に出発した。 彼らが漕ぐのを見ていると、 「自転車と言うのは自分で勝手にスイスイと進んでくれるから『自転車』と言うのだなあ」 と言う感じがする。 対して私のママチャリは「他転車」なのである。 外からの力(―この場合、わたくしマキコ―)が必死に転がしてやっと動く車。 周りが「ツイ~~、ツイ~~」と優雅に漕いで行く横で、 私は彼らの倍の速さで「フンコ、フンコ、フンコ、フンコ」とペダルを踏んでも まだ全然追いつかないのである。 まず、私のタイヤは円周が彼らのタイヤの3分の2位しか無い。 そしてタイヤの幅も車体その物も彼らの自転車に比べてずっと無駄が多く、 自転車そのものが重い。 私の筋力の無さを計算に入れずとも、これは無理な競争なのである。 それでも私は頑張った。 ソフィアが口をアングリ開けるくらいの勢いで漕ぎまくり、 赤信号で皆が足止めを食らう度に遅れを取り戻し、 一時間半の行程の45分までは何とかくっついて行ったのである。 それだけでもう物凄い達成感。 後はソフィアが私を置き去りにする前に情けで投げてくれた地図を頼りに 気ままにゆっくりお家まで漕いで帰りました。 汗をシャワーで流してからはソフィアと美術館巡りをしました。 今度Da Camera of Houstonのプログラムの一環として演奏する会場は De Menil Collectionと言う美術館です。

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作曲家Bernard Randsが回想するストラヴィンスキー

またまた眼が覚めてしまった。朝の3時40分―こうなるともう悪循環の長丁場。 明日は一日音楽を離れてみようか、と思う。 昨日ああ書いてちょっと反省したので、 今夜はワルシャワで行われているショパン・コンクールをバックにメールを書いたりしている。 皆ミスタッチが凄い少ない。弾き込んである。とても上手。 忙しくてきちんとメールを書けなかった時も色々書き留めておきたい事は次々と起きている。 例えば私がこの頃一緒にお仕事させて頂いている作曲家Augusta Read Thomasの夫で やはり作曲家のBernard Randsは ベリオやダラピッコラに師事したり、 ブーレッズやバレンボエム、シカゴ交響楽団やニューヨーク・フィルハーモニックなどと 定期的に仕事をしている人だけど、 その人がまだ駆け出しの時パーティ―で遠くから見る機会の在ったストラヴィンスキーの 自ら語る自分の作曲の毎日の口調の物真似。 ロシア語とフランス語の発音の混じった奇妙な英語で 「私は毎日、旅の途中でも(彼は飛行機を嫌い毎回船で移動したらしい)朝起きたらすぐに作曲を始める。 在る程度書いて昼食を食べたらウィスキーのボトルを開ける。 それをゆっくり飲みながらその日の残りを過ごす。 ボトルが空になったら眠る。 その時間はその日によってまちまち。 デモ絶対いつも酔っぱらって眠る」 睡眠障害は音楽家にとっては割と普通の事らしい。 私は大抵いつも凄く健康に安眠するし、物凄く寝付きが早いので たまにこうして夜中に目が覚めると「世も末」と言う風にワーワー騒ぐが、 もっと深刻な睡眠障害で悩んでいる人は沢山いるらしい。 例えばAugusta Read Thomasは「音楽で頭がいっぱいになって良く眠れない」と良くこぼしている。 彼女は毎朝4時起きしてどんなに忙しい日でも8時までは作曲に専念するそうだ。 その代わり夜はとても早い。 物凄く大事な音楽界が在る時以外は10時には寝てしまう。 演奏家も、普通演奏会は聴きに行くにしろ、自分が演奏するにしろ大抵夜の8時から10時までだから そのまま会場から家に直行しても寝付くのはかなり遅くなってしまうし、 大抵片づけや挨拶や打ち上げやらで、家に直行出来る事は少ない。 そして特に自分が演奏した後と言うのは興奮で直行帰宅しても中々寝付けないものである。 色々な人が健康な睡眠の為に色々努力をする。 お酒は伝統的な解決法だ。 私はアルコールは弱いので、これは問題外だが、 強い人は日常の精神安定剤、催眠剤、そして社交の大事な生活の一部になっている。 その他運動、瞑想、ヨーガ、などなど。 インターネットは良く無い。 画面の明るさが何だか神経を不自然に覚醒するし、 何だかちょっとだけ気を紛らわせてもう一度眠りなおするつもりがどんどん時間が過ぎてしまう。 もう終わりにして、もう一度眠るように頑張ります。

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