October 2010

上手く行った日

効率よく一日をフルに有効利用出来た日は、気持ちが良い。 昨日はとても上手く行ったと思うので、書き出してこれからの参考にしたいと思う。 6時半 起床、ブログとメール、洗面、朝食(トースト、ハマス、アボガド、チーズ、野菜ジュース) 8時 登校、メトロノーム60に設定して①ゆっくりストレッチ、②指揮と③ピアノ、それぞれ準備練習。     朝一の練習はいつもバッハ。この頃はゴールドべルグ変奏曲。     ヒンデミット「白鳥を焼く男」ピアノ伴奏譜の練習と指揮の練習交互に。 12時 図書館に行く。調べ物。メール。 12時半。 持参したお握りに副菜を買い足し(インゲンと玉ねぎの炒め物ー2ドル)昼食。 1時 ピアノ教授法のクラス「練習法の伝授の仕方」 2時。ジムでひと汗かいて、シャワー。医療リサーチの為にボバ茶を売っていたので、おやつ(4ドル)。 3時 ちょっと練習。ゴールドべルグとヒンデミット 3時半。オケのリハーサル見学「ツァラツーストらはかく語りき」 4時半。「白鳥を焼く男」のヴィオラ独奏者、モリーと打ち合わせ 5時。夕食お握りとカロリーメート系の物。図書館。 6時。 練習。バーバー 7時。 録音。博士課程セミナーの模擬教授職応募の為の録音プロジェクト。 ベンの録音を担当し、自分もベンの作曲を録音する。 10時半帰宅。   昨日上手く言ったのは、まず朝の練習をストレッチから始めた事。一昨日のお医者さんの話に触発されてやってみた新しい試みなのだが、瞑想の効果が在り、特にメトロノームを聴きながら(ストレッチは20秒ずつやって初めて意味が在る、と読んだ事が在るので)、これからの練習の準備になり、その後の練習がはかどった。   それから炭水化物系をお弁当に持って行って、野菜を書い足してお昼にする、と言うのはヒット・アイディアだった。お家に帰ってご飯食べるとどうしても一時間以上取られてしまうし、お弁当はちゃんと作ると朝の一番頭が冴えている時に時間がもったいない。でもお握りとかサンドウィッチだけのお昼は栄養が心配だし、なんか物足りない。かと言って、学校で全て買うと高いし、まずいし、不健康。と、言う事でこれはとても上手く行った。   細かい時間でもあきらめずにちょっとずつ練習。私は午前中一杯とか、時には半日、一日丸々練習に没頭するのが好きなタイプなのだけれど、この頃思うのは10分でも練習すれば練習の前後は練習の予習と復習を頭がいやでもしているし、小さな時間の有効利用と言うのはとても大事。   午後の半ばに運動したのは良かった。さらにおやつを食べたのも。一日の最後まで集中が途切れること無く、楽しく頑張れた。 今日も頑張る!

上手く行った日 Read More »

音楽家の健康管理

昨日のマインド・ボディーのクラスにはお医者さんが来てくれた。 彼女はPAMA(Performing Arts Mdeicine Association)と言うのに登録していて、毎月第一木曜日10~2時まで(受付)のperforming artists(演技芸術家―音楽家、ダンサー、役者、など)専用の無料のクリニックを開いている。こう言う無料クリニックとか、performing artists専門のお医者さんと言うのはどんどん増えていて、今ではアメリカ主要都市にはこういうクリニックが絶対あるそう。 なぜperforming aritsts専用のクリニックが必要かと言う理由はいくつかある。 #1 こう言う人はお金も保険も無い事が多い。 #2 こう言う人特有の怪我、問題がある。例えば腱鞘炎とか、ジストニアとか、ダンサーや役者の場合、摂食障害とか。そういう専門知識を持っている医者が一般的に少ない。 #3 医者の中には医者になるまで楽器を本格的に勉強していた、とかアーティスト系が多く、医者になってもそう言う世界と何らかの形でつながっていたい、と願う人が多い。 この人はカイロプラクティスも東洋医学も勉強した、何だか凄い人なのだが、ジョークを交えながら説明してくれた一番大事な事二つ。 #1 音楽家と言うのはsmall muscle athletes (小さな筋肉の運動選手)であると言う事。 #2 オリンピック運動選手が一番気を使う事を、音楽家ももっと気をつけるべきだと言う事。それは①栄養摂取と、②自分の競技に直接関係無い筋肉のトレーニング。 ①に関して、まずとても科学的な説明が在った。細胞レヴェルで、以下に酸素と栄養が身体の中に伝達され、それが以下に健康な反射神経、脳みその働き、そして筋肉の働きに必要不可欠か、と言う事。それからいかに演奏と言うものがカロリー消費が激しいもので、定期的な健康な食事摂取がより良い演奏の為に大事か、と言う事。 ②に関しては、筋肉と言うのは収縮だけしかし無い物だ、と言う事。そしてある一定の筋肉を使い続けていると、次第にその筋肉は収縮しっぱなしで固くなってしまう、と言う事。筋肉を伸ばす事が出来るのは他の筋肉を使ってそこを収縮させる事だけによって。だから上半身だけしか使わない人でも、下半身も鍛えなければいけないし、前半身も同じだし、etc. 夜はpiano pedagogy(ピアノ教授法)のクラスの為に、大学より若い生徒(小、中、高校生)の公開レッスンを見学しに行きました。とても熱心な先生だったけれど、年齢相応の話し方をするのは難しいな、と思いました。

音楽家の健康管理 Read More »

ヒンデミットの「白鳥を焼く男」

来る11月9日に指揮をするヒンデミット作曲「白鳥を焼く男」を猛勉強中。自身も超絶技巧のヴィオラ奏者だったヒンデミットが書いた三つ目のヴィオラ協奏曲である。 一曲指揮するのに、こんなに時間かけて勉強してるなんて、本業の指揮者は一体どうやって2時間のプログラムの曲目の勉強を毎週こなすんだろう、とちょっと自分が歯がゆい気もするが、こうやって一生懸命勉強するのは中々楽しいものである。 この曲は歴史的背景も中々面白い。 1935年に書かれているのだが、これはヒンデミットがナチスに糾弾され(知らなかったのだが、ナチスもスターリンと同じ様に『音楽は不協和音を少なく、一般人に心地よい様に ―前衛的なものは取り締まる』と言うスタンスを取っていた模様)、ドイツでの演奏会がどんどん減らされてやむなく外国に演奏の場を求め始めている時に当たる。1936年にヒンデミットの曲はドイツでは演奏禁止になり、彼は最終的にアメリカに移住するのだが、この曲はその前の話。 35年にJoseph Goebbelsと言うナチスの一員が公共で行ったスピーチの中でヒンデミットを糾弾している物が今私の手元に在る。「ヒンデミットはドイツ人であるが、だからなおさらユダヤ人のエリートがいかにドイツ国民の思想をむしばんでいるか、と言う証拠になると言えよう」。さらに、ヒンデミットの妻はユダヤ人だったという事情もヒンデミットの立場を難しくしただろう。 「白鳥を焼く男」と言うのは何だかショッキングなタイトルだが、由来はヒンデミットがこの曲に取り入れた四つのドイツの中世時代の歌のタイトルである。一楽章には「山と深い谷の合間に」、二楽章には「緑に育て、菩提樹の木」とそれからフーガの主題として「垣根に座ったかっこう鳥」、そして三楽章にタイトルトなる「白鳥を焼く男」と言う歌を使っているのだ。ヒンデミットが選んだこの4つの歌の歌詞にこの時のヒンデミットの心情を反映して読み込む人は多い。例えば、「緑に育て、菩提樹の木」と言うのは別れなければいけない恋人の歌だが、その歌詞に在る「もう耐えられない」と言う所のメロディーと、「悲嘆にくれる日」と言う所だけが、楽章の最後にヴィオラのソロで思わせぶりに出てくる。それから一楽章の「山と深い谷の合間に」は恋人を後に残して、山と深い谷間の合間にある「自由の道」を歩いて行く、と言う歌である。この恋人を「祖国」と読むのだ。 さらに、ヒンデミットが残した短い「前書き」も意味深である。「中世時代に沢山いた旅周りの音楽家が、異国から来て幸せにたむろす町の人々の前で演奏する。彼の出身地の歌は悲しい物も在れば、楽しい物もある。彼は技の限りを尽くして、このメロディーに装飾をして演奏して聴かせる」と言う前書きである。 勉強し過ぎると頭がくるくるしてくる。私はどうも根詰め過ぎな様な気がする。もっと色々なものを一定の時間ずつやれば、気分転換になって効率が良い様な気もするのが、一つの事を始めるとどんどん掘り下げたくなってしまう。そして最後にぐったりくたびれて、一つのプロジェクトは必要以上に仕上げても、他のプロジェクトが手つかず、と言う状態になってしまうのだ。それに一つのプロジェクトに集中し過ぎると、細部にとらわれ過ぎて全体像が見えなくなってしまったりする。 反省、反省。

ヒンデミットの「白鳥を焼く男」 Read More »

社交に措けるお酒、コーヒー、タバコ

今週末は私にしては珍しく、かなり夜更かしをして遊んだ。 木曜日、金曜日、土曜日とも午前様をした。 私は自称して「一匹狼」だが、その私がこんな行動に走ったのは、博士課程セミナーで皆で取った性格診断のテストの結果が一つにある。Myers and Briggs と言う「コミュニケーション」「決断力」「変化に対応する能力」「困難にな状況に対応する能力」を図る性格診断(私はタイプINFP)、Strong Interest Inventoryと言う職務適応を図る性格診断(私はタイプAIR;Artistic/芸術、Investigative/調査、Realistic/実際),そして最後に社交に置ける行動を図るFiro-Bテスト。 まず最初のMyers and Briggsで私が「内気」と出たのに驚愕する人(特に家族)は多いと思うが、面白かったのはこのテストの解釈を一人一人に丁寧にしてくれるのだが、私の場合「表現力」と「想像力」が平均をはるかに超えて多く、この「表現力」の為に私を「外交的」と思う人が多い、と言われた。…ドンぴしゃり、当たっている…ただ、私を「友好的」と判断して近寄ってくる人の多くは私が余り積極的に喋らないので拒絶された様な気持になってしまう事がある、とも注意された。 もう一つ社交に置ける行動を診断するFiro-Bでさらにショッキングな事が在ったのである。これは、「仲間入り」、「コントロール」、そして「愛情」と言う三つのカテゴリーで自分がいかに積極的にこの3つを表現するか、そして一方内心どれくらいこの3つを欲しいと思っているか、図るのである。博士号の他の3人、そして一般にはこの「積極的に表現」と「内心どれだけ欲しいと思っているか」と言う数値は大体同じである。(仲間に入れて欲しい)と言う気持ちが「3」在るとしたら、大体それくらいそのことについて周りに働きかける。ところが私の場合、仲間に入れて欲しいと密かに思う気持ち、そして愛情を欲しいと密かに思う気持ちはそれぞれ7なのだが、大してそれに付いて働きかけるのは1、そして2なのである。何だこれは!私が「一匹狼」と大声で(ブログでも)宣伝しているのは、実は強がり、と言う事ですか??そしてそういう風にはっきり数値に出されて言われてしまうと、何だか自分でも「実は長年そうだったんです。。。」と泣いてしまいたい様な気持にもなって来る。カウンセラーの人には「あなたはこのままでは欲求不満になってしまうから、もう少し意識して働きかけるようにしてみたら。。。」とアドヴァイスを受けた。ふ~ん。。。 と言うわけで、午前様なのである。このテストは、これから博士課程を一緒に学んで行く同じクラスの4人がそれぞれどういう性格で、一緒にプロジェクトなどで協力しなければいけない時、お互いどう言う傾向を持っていて、どう言うフォローを必要としているか、と言う事を学ぶ、と言う意味も在ったので、結果はクラスで公表された。そして私の1、7に妙に感心してくれたクラスメートが今週末は何だか積極的に私をパーティーに誘ってくれたのです。そして私は積極的に宣伝するのは「私は一匹狼!」でも、内心密かに「仲間に入れてもらいたい」と思う気持ちは7だから、誘われれば付いて行くのである。特にカウンセラーに「もっと積極的に愛情や、社交を求めて働きかけてみては」とアドヴァイスされてしまった暁には3晩続けてデモ、行くのである! 私は普段余りお酒の場には出ないので、お酒を飲む場所の文化と言うのが妙に目新しく、物珍しく、それがまず楽しかった。それからお酒を飲んだ人たちが割と豹変して、突然ずっと素直に正直に感情露出を始めるのにも感心した。また、夜が更けて来てから飲むお酒と言うのは、疲れていても気分を高揚させてくれるものなんだ、と言う事も実感した。そして一緒にお酒の場を共にした人、と言うのはお互いに何となく親近感が湧くものである。 ところがここで問題が在るのである。夜遅く、疲れているのに気が付かない程お酒を飲んで盛り上がった次の日はコーヒーを飲まなければ使い物にならない。ところが、コーヒー屋と言うのもまた社交の場なのである。 さらにさらに、タバコを吸うグループと言うのも同じような社交の役割を果たしている事を最近発見した。「え?この人とこの人がなんで友達なの?」と言う様な二人が結構親密だったりして、それは皆「タバコサークル」のおかげなのである。アメリカでは喫煙に関する法律がどんどん厳しく成って来ていて、「入口から何メートル以上離れた場所で喫煙するように」とか「開け閉めが可能な窓からは何メートル以上離れて喫煙するように」とか色々なルールがいたるところに張り紙されている。炎天下でも、零下でも、このルールを守って凍えたり、汗だくになりながら喫煙している少数派の彼らはそれこそ親近感が湧くわけである。 面白い。。。 私はこれからも積極的に仲間入りを求めて行くべきだろうか?それと、練習・勉強・仕事はどうやれば上手くバランス出来るのだろうか…?

社交に措けるお酒、コーヒー、タバコ Read More »

Kurt Schwittersと言う画家と「ダダイスム」について

来る11月20日にヒューストンのDe Menil Collectionと言う美術館で行われる「Stop, Look, and Listen」と言うイベントで私はKurt Schwitters と言う画家の特別展示室で彼の作品に関係ある演奏を提供する事になっています。他に一人打楽器奏者と作曲家が同じDa Camera of Houston Young Artist Programから参加することになっています。昨日は3人で初めての打ち合わせが在り、その準備で私は図書館で色々下調べをしました。Kurt Schwittersはドイツ出身の視覚芸術化でダダイスムの代表的な芸術家でもあります。彼が「音楽・作曲」と称して書いた詩は言葉ではなく、音声が発音として書いてあるものです。 知らなかったのですが、「ダダイスム」と言うのは第一次世界大戦勃発に反発して起きた芸術運動の様です。人間の論理と思想がこう言う破壊への道につながるなら、論理と思想を放棄した芸術作品でその方向へ対抗しよう、と言う事で始まったようです。只のでたらめみたいに思っていましたが、そう言う理想を持って始まったとは初めて知りました。ダダイスムが主に視覚芸術が中心になって発展した運動ですが、音楽ではサティ、ジョン・ケージなどが良く一緒にされます。ところがインターネットで調べてみると、私の今まで知らなかったErwin Schulhoff と言う人がとても面白いピアノのソロ作品を沢山書いている事を知りました。視覚芸術のダダよりは、ずっとしっかり「音楽」ですが、音楽としてとても気に入ったのです。これならこう言うプロジェクトじゃなくても弾いてみたい、と思うような曲風です。 こんな事、自分一人では調べてみようと思うきっかけも無かったけれど、面白いなあ、こう言うのも縁だなあ、と思います。そして3人で行ったミーティングはとても楽しい物でした。皆とても意欲的に積極的にアイディアを沢山準備して来ていたので、とても楽しいディスカッションとなりました。楽しみです。

Kurt Schwittersと言う画家と「ダダイスム」について Read More »