タングルウッドでの演奏その3 & トニー・ベネット、タングルウッドを訪れる。

トニー・ベネットの知名度が日本でどれくらいのものなのか知らないが、 フランク・シナトラが“業界一の歌い手”と言った、伝説的なアメリカの歌手である。 来週83になる、その超有名人トニー・ベネットがタングルウッドに来た。 今夜演奏会をしたのだが、その直前の午後に公開レッスンもした。 私は今日1時からの声楽デュエットのリサイタルの伴奏を終えてから、 共演者たちと大急ぎで2時半からの公開レッスンに向かった。 声楽家たちはデュエットの演奏会でオペラ的に歌ってから、 衣装もそのままで今度はジャズ系の曲を歌うのだ。 それがみんなすごく上手で、声域もずっと低く、声もハスキーや、可愛系に変え 見事にガーシュウィンや、カート・ワイルや、コール・ポーターを歌った。 もうその演技力、存在感、度胸に圧倒されて、涙と歓声が同時に出てきた。 トニー・ベネットもびっくりで、ひたすら褒めまくるだけの「レッスン」だった。 皆凄いなあ。 私はそのくらいの演技力、存在感、度胸と、歌詞があるくらいはっきりした音楽的意図をもって ピアノを弾けるピアニストになりたい。 夜のコンサート、私は練習したくてお休みしてしまったのだが、後で聞いたところによると、 ベネット氏の聴衆に語りかけるような歌いくちは、全然衰えておらず、 途中歌詞を忘れてしまったりもしたそうだが 「歌詞を忘れました~♪」 と朗朗と歌い大受けしたり、すごく楽しい音楽会だったそうだ。 今も作曲家のルームメートが韓国語なまりの英語で、昨日のプログラムの曲を口ずさんでいる。

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