忙しい日、雨続き
7 起床、身支度、朝食 9 キャンパス 10 Phyllis Curtin(声楽家)の公開レッスンで共演 12 レヴァイン指揮、研究生たち演奏の「ドン・ジョバンニ」のドレス・リハーサル見学 2;30 ムソルグスキーの歌曲、コーチング(Ken Griffith) 4;30 移動、友達と日曜雑貨の買い物 6 夕食、練習 8 昨晩演奏したピアニスト、Craig Rutenbergの公開レッスンでベルリオーズのアリア伴奏 今日は忙しい日だった。 昨日の様にきちんと練習ができる日はここで触れているすべてが私の音楽の滋養になっている実感ができるが こういう風に忙しいと、なんだか「こなす」だけになっているんじゃないか、不安になってくる。 ここ、タングルウッドでは実際に「つぶしの効く音楽家」へと育成するためなのか、 兎に角色々な変化球を投げてくる。 超現代曲、声楽家や器楽奏者との共演、オケのピアノ・パート、そしてソロ、と すべてをこなさなければいけないし、 演奏会・公開レッスンへの出演の依頼がいきなり前日に来たりもする。 今日はコーチングが終わってスタジオの外に出て行ったらば 事務の人が待ち受けていて 「明日、11時からマーク・モーリス(有名な舞踏家、振付家)のリハーサルで弾いてもらいます」 と、ドサっと楽譜を渡された。 え、もしかして、試されているの? ここに招待されてくる教授陣や、客演の人は事あるごとに 「私もかつて、タングルウッドの研究生でした」とか 「タングルウッドで見込まれて、最初の仕事をゲットしました」とか言う。 雨続きで、特に忙しかった日の夜は、そんなことをプレッシャーに感じてしまったりする。 作曲家のルームメートは、今週は一日一曲ずつ毎日曲を仕上げていかなければいけない。 こういう試練が、本当に勉強になっているのか。 それともこれはテストなのか。 「ここで出会ったお友達だけでも、もう凄い財産だし、いつかこれもいい思い出になるよ。 できるだけ楽しみながら、毎日こなそう」 と、励ましてみたが、そのままそっくりのことを自分にも言ってみよう。 大丈夫、今日の公開レッスンでもちゃんと褒めてもらったし、 ズルをしないで、投げやりにならないで、ちゃんと毎日誠実にベストを尽くしているつもりだ。 それ以上のことを自分に要求しても、かえって逆効果。 できることは、やっている。 一日一歩、千里の道も一歩から、ちりも積もれば山となる。