July 2009

演奏家の仕事を企業に例えると

演奏旅行の為に不在のアックス氏に代わって、 今日はチェリストのノルマン・フィッシャー氏によるメンデルスゾーンのコーチングがあった。 中西部で見かけそうな、古き良きアメリカ人、と言う感じの人だが、 始業式でシューベルトのチェロ五重奏で表現豊かな、エネルギッシュな演奏をして、 印象深かった人だ。 この人が面白いことを言っていた。 演奏家は三つの役割をこなす:音楽家、運動家、そして演奏家 これは企業に例えると、音楽家=企画・研究、運動家=工場・製作、演奏家=マーケティング 音楽家としては、アイディアを豊富に出し、そのためのリサーチや会議を行う。 運動家としては、練習をする。 しかし、コンサートでは、できた商品を兎に角売らなければいけない。 だから、出来上がった商品がなんであろうと、とりあえず良く見せろ! なんという実際的なアドヴァイス。 そういう風に考えたことはなかったし、ずいぶん俗っぽい言い方だが、 結構納得した。

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ジェームス・レヴァイン、春祭のリハーサル

日曜日の午後、ボストン交響楽団が春祭とブラームスのヴァイオリン協奏曲の演奏会をする。 今日、ジェームス・レヴァインが春祭の稽古を行うところを見学した。 自分の練習とリハーサルの合間のわずか30分だけの見学だったが とっても面白かった。 ジェームス・レヴァインはスター・ウォーズの第二に出てくる カエルのお化けみたいな悪者(ハン・ソロを冷凍してしまう奴)にちょっと容姿が似ているが、 今日、しゃべり方と声もちょっと似ていることがまず第一の発見だった。 そして、ボストン交響楽団も彼自身も、もう何回も演奏したであろう、 この有名な曲に、実に実に緻密に稽古をつけていくので、本当にびっくりした。 一瞬一瞬の音色から、曲を創り上げていく、と言う感じ。 「そこのところ、もう少しチューバ控え目に、高音を浮かせる感じで」 「ピッコロとフルートとクラリネット、他の木管の細かい音の邪魔にならないで、 ダウン・ビートで入る前に彼らのパッセージを聴いてあげて」 など、15秒とオケを弾かせっぱなしにしない。 そしてやり直して、指示がきちんと伝わっていることを確認すると、 必ず親指アップを出して、努力をねぎらう。 そして、指揮が割と大きく、実にはっきりしていて本当に音を体現している。 やりたいことが明確に自分で把握できていて、 それが実現できるまで妥協しない。 そしてそのプロセスを実に精力的、意欲的に、楽しそうにこなしていく。 触発された。

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最近共感した言葉、その二

「新しい楽器や、新しい音響の中で弾く、と言うのは、新しい共演者と弾くのや、 初めて会った人と会話するのと一緒だね。 向こうが投げかけてくるものを、どう一番良い方法で活かすか、 絶えず耳を澄ましながら、臨機応変に対応して行く」 これは、今私が在籍するコルバーン音楽学校での学友、ライアン君がある日言ったことだ。 もう数年前に言われたことだが、何かにつけて思い出す。 そうなのだ、あまり「こう弾きたい」と言う固定観念に囚われ過ぎると その時の状況、パートナーを一番活かした演奏ができなくなってしまう。 でも、別の時ライアン君はこんなことも言っていた。 「演奏する時は、すでに描いた絵を提示するようなつもりで曲を弾けば、 上がらないんじゃないか、と思うんだけど。 練習のプロセスにおいて、すでに自分の中で曲は完成しているはずなんだから、 ただそれを再現すればいい、と思えば簡単じゃない?」 この言葉も良く思い出すが、こうやって並べてみると、ちょっと矛盾しているような気もする。 う~ん、ライアン君。。。 ちなみにライアン君は私よりもうんと年下のピアニストですが、 18にすでに大学の学位を最優秀成績でゲットしてしまい、そのあとコルバーンに来たツワモノで 私は密に一目置いている。 今日は次の様なスケジュールでした。 9-10:30      練習 10:30-11   図書館で伴奏する曲の歌詞を訳し、録音を聴く 11-11:30   リハーサル 11:30-12:30 歌のコーチング 1:00-2:00  ボランティア主催のランチにお呼ばれする。 2:00-3:30  練習 4-6       メンデルスゾーンのトリオ、リハーサル 6-7:30    夕食、インターネット 7;30-10   練習、友達と弾きあいっこ 10-11    メンデルスゾーンのトリオ、リハーサル ここしばらく、練習する気になれなくて、次第に焦燥感が募ってきていたけれど 今日はかなり乗って練習ができて、とても楽しかった。 このまま日曜日の演奏会に向けて、調子を向上できればいいな、と思います。 日曜日は、変な時間ですが、毎週朝の10時に研究生による演奏会があり、 私は今度の日曜日にルーカス・フォスのソロの曲と、メンデルスゾーンのトリオを弾きます。 トリオも、ずいぶん急ピッチですが、熟してきました。

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お休みの日

タングルウッド音楽祭は6月21日から8月17日まで、7週間半、二か月弱のプログラムですが、 正式な完全休暇の日は二ヶ月間中に3日だけあります。 オフィスも図書館も閉まり、コンサートもリハーサルもありません。 今日はその完全休暇の日でした。 「湖で泳ごう!」とか、「買い物に行こう!」とか、企画は色々あったのですが、 皆寝坊をして、ゆっくりご飯を食べ、 ここに来てから久しぶりに外界の友達と長電話をして、 昼寝をしているうちに夕立ちが来て。。。と言う感じで、 結局一日が脱力した感じで過ぎてしまいました。 環境の変化とかを自覚する間もないまま、リハーサル、コーチング、公開レッスンと 立て続けにいろいろあって、その合間にお互いの名前を覚えあい、探り合い、 心地いい距離を測りあい、と、楽しいけれど、やはり疲れるプロセスだったんだ、 と改めて自覚します。 一応キャンパスに行って、ガラ空きのキャンパスでちょっとだけ指を動かしましたが、 帰りのバスの中で爆睡してしまった自分に驚きました。 明日から7月! また心機一転で、頑張ります。

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